爆発！武田火山…(１６)

酩酊(めいてい)…こんな言葉も最近は使われなくなりました。
アルコールの酔い加減を表したのですが、ホロ酔い、酩酊、泥酔…いい気分でいるのがホロ酔い加減でしょうが、気の合う二人で飲めばまず軽く飲もう、といっても軽く終わるはずはありませんね♪
酒の飲み方で悪酔いしない秘訣はよく食べる、よく話す、よく笑うでしょうか…無論お酒の一気飲みは厳禁ですね(笑)

呂律が回らなくなりだすと、イエローカードですが、
ここの二人はイエローカード二枚!!です(笑)
「しかし武田工場長は部長代理から上がったんだろ」
「そうなんだけど…」赤井は浮かない顔です(笑)
「よくわからんなぁ…」 「だから工場長は役職やけど正式な肩書きじゅあないんだよ… 「正式じゃあない？」
「そう!!」
う～んわからん、加藤は頭を抱えてしまいそうになりました。
正式じゃあない！だから火元責任者かよ！
加藤が悩むのも無理はありません。
この加藤や赤井など現地採用の人間にとって工場長とは事実上の゛社長"でした。また最高の目標でした。いや憧れかも知れません。
地元の高校を卒業後入社して２０年…
地方工場の悲しさか社長は言うに及ばず役員や本部長すら滅多にお目にかかる機会はありません。
職場の責任者はいつも工場長でした。
ここに限らず田舎では一流企業の工場は一目置かれていますし、ましてその工場長なら当然名士であります。

その工場長がただの部長代理とは…
「一体お前は工場長になんか恨みでもあるのかよ！」
やるせない気持ちで赤井に詰め寄ります。
ううん～ 赤井は首を力なく振りながら
「実態はよくわからないけど…」
と前置きをして ビールの注がれたコップを眺めていました。
「どういうことなんだよ(怒)」
なおも詰め寄る加藤を制止ながら
「それがなぁ…」
「ああ？」
「あのなぁ…」
「おう！」
「実はなぁ…」
「…？」
何が言いたいんだよ。 「奥歯に物の挟まったような言い方は(怒)」