ここは商店街の外れにある居酒屋。加藤&赤井のお二人…あと数人のよく似た会社帰りの小グループがチラホラいます。
カウンターに陣取ったお二人の陰になるお店の入り口付近にグレーの見覚えのあるセーター姿を見つけて赤井はドギマギしました。
「ま、まさか…」
入り口付近とこの二人の場所の間に二組の若者がいました。
身体を反らしてみてもチラッと姿が覗けるくらいですから、果たして赤井の思い通りの人かどうか…?
「おい、」
加藤に声をかけられて赤井ははっ!としました。
ちょうど真ん中にいた数人のグループが席を移るためカウンターから立ったのです。
「どうしたん?」
席を立った数人に気をとられていた赤井は加藤から声をかけられて我に返りました。
「誰か知ってる奴かい?」
「ああ…いや」
数人の男たちが立ち上がってその向こうは見えません。
「はは~ん」加藤はひとり頷いていました。 「お前…」
「ち、違うよ違うったら」
「はぁ…まだ何も言ってないぜ(苦笑)」
ああ…そうか…
加藤の問いかけに動揺していました。
「向こうだろ…」
加藤は首をひねってニヤリと笑います。
数人の男たちが立ち去りカウンターは向こうまですっかり空いてます。
カウンターの端に柱があり横に小さなテーブル席がありました。
品の良いグレーのカーディガンをまとった長髪のロマンカラーの女性と金髪の柄の悪そうな男が側に座っていました。
どう見たってカップリだよな… 加藤はチラッと赤井を見ました。
ああ…あの男、遊び人だなぁ…
加藤は目を逸らしていました。
赤井の心境を察していたからです。
抑(そもそも)赤井がこの年まで独身なのはあの女のことをひきずっているからだろう…と加藤は感じていました。
「…」「…」
二人の間に醒めた空気が漂ってきました …
「お待ちどうさま!」白い姿の女の子が威勢よく声を掛けてきました。
白い調理帽子に紺の前掛け…
片手に料理を盛ったお皿…
「失礼します♪」
こんなお店のバイトの女の子!
躾(しつけ)が行き届いた気持ちのいい対応です。
「ありがとうさん♪」加藤が気軽に声を掛けるとにっこり微笑みます。
料理は次から次とテーブルに並びます。
満杯になったテーブルをみて女の子は「以上でご注文の品は揃いましたでしょうか?」
軽く会釈をして帰るのを「ねえ、ちょっと」加藤は呼び止めて
「ハイ?」
女の子に「あそこのカップリだけど、よく来るの?」
おいおい!何を聞くんだよ!
赤井が加藤を見ますが意に介せず、
「覚えていない?」
女の子は振り返って見ていましたが、小首を傾げてから「さあ~男の人はたまに来ますけど…」
女は知らないーそんな感じでした。
「ありがとう」
礼を言うと今度は深々と頭を下げながら去っていきました。
「おい、どういうつもりだよ!?」
赤井は女の子が行くと余計なお世話だと言わんばかりに口を尖らせて抗議しました。
「いや~」加藤は笑いながら、手を振り
「お前まだ未練あるんだろ」
ズバリ、だろう(笑)
ビールを片手に枝豆を摘まみました。
「オホン!」
空咳は赤井がたまにするクセのひとつでした。
カウンターに陣取ったお二人の陰になるお店の入り口付近にグレーの見覚えのあるセーター姿を見つけて赤井はドギマギしました。
「ま、まさか…」
入り口付近とこの二人の場所の間に二組の若者がいました。
身体を反らしてみてもチラッと姿が覗けるくらいですから、果たして赤井の思い通りの人かどうか…?
「おい、」
加藤に声をかけられて赤井ははっ!としました。
ちょうど真ん中にいた数人のグループが席を移るためカウンターから立ったのです。
「どうしたん?」
席を立った数人に気をとられていた赤井は加藤から声をかけられて我に返りました。
「誰か知ってる奴かい?」
「ああ…いや」
数人の男たちが立ち上がってその向こうは見えません。
「はは~ん」加藤はひとり頷いていました。 「お前…」
「ち、違うよ違うったら」
「はぁ…まだ何も言ってないぜ(苦笑)」
ああ…そうか…
加藤の問いかけに動揺していました。
「向こうだろ…」
加藤は首をひねってニヤリと笑います。
数人の男たちが立ち去りカウンターは向こうまですっかり空いてます。
カウンターの端に柱があり横に小さなテーブル席がありました。
品の良いグレーのカーディガンをまとった長髪のロマンカラーの女性と金髪の柄の悪そうな男が側に座っていました。
どう見たってカップリだよな… 加藤はチラッと赤井を見ました。
ああ…あの男、遊び人だなぁ…
加藤は目を逸らしていました。
赤井の心境を察していたからです。
抑(そもそも)赤井がこの年まで独身なのはあの女のことをひきずっているからだろう…と加藤は感じていました。
「…」「…」
二人の間に醒めた空気が漂ってきました …
「お待ちどうさま!」白い姿の女の子が威勢よく声を掛けてきました。
白い調理帽子に紺の前掛け…
片手に料理を盛ったお皿…
「失礼します♪」
こんなお店のバイトの女の子!
躾(しつけ)が行き届いた気持ちのいい対応です。
「ありがとうさん♪」加藤が気軽に声を掛けるとにっこり微笑みます。
料理は次から次とテーブルに並びます。
満杯になったテーブルをみて女の子は「以上でご注文の品は揃いましたでしょうか?」
軽く会釈をして帰るのを「ねえ、ちょっと」加藤は呼び止めて
「ハイ?」
女の子に「あそこのカップリだけど、よく来るの?」
おいおい!何を聞くんだよ!
赤井が加藤を見ますが意に介せず、
「覚えていない?」
女の子は振り返って見ていましたが、小首を傾げてから「さあ~男の人はたまに来ますけど…」
女は知らないーそんな感じでした。
「ありがとう」
礼を言うと今度は深々と頭を下げながら去っていきました。
「おい、どういうつもりだよ!?」
赤井は女の子が行くと余計なお世話だと言わんばかりに口を尖らせて抗議しました。
「いや~」加藤は笑いながら、手を振り
「お前まだ未練あるんだろ」
ズバリ、だろう(笑)
ビールを片手に枝豆を摘まみました。
「オホン!」
空咳は赤井がたまにするクセのひとつでした。