まちの安全管理センター

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弁当の「路上販売」 に新しい規制

2013-05-24 07:06:40 | 日記
 昼時になると、都心のオフィス街にワゴン車などで次々とやってくる弁当の路上販売業者。価格が500円前後とお手軽で、サラリーマンやOLには嬉しいサービスですが、ここに来て路上販売の規制を強化しようという動きが出ています。
 東京都は4月下旬、弁当の路上販売の実態調査と衛生問題に関する検討会を発足させました。日光の当たる場所での販売を衛生面で心配する声があり、実際、中央区が2012年に実施した調査では、路上販売の弁当の約8割から基準値を超える細菌が検出されました。弁当の路上販売は届出制ですが、最近は無届の業者も増えているそうです。
 たしかに、消費者保護という観点からすれば何らかの新たな規制を導入するのは仕方ないかも知れないが、路上販売が全くなくなってしまうというのも寂しいです。衛生面に問題のある弁当をなくすために、新しいルールが必要なのでしょうか?また、もし制限をするとすれば、どんな規制が「落としどころ」になるのでしょうか?
 悪質業者排除のためには、「許可制」への移行もやむを得ないとの声があります。問題のある業者を排除するために、新たな規制が必要なのでしょうか?実際に問題のある弁当が販売されているということであれば、規制強化もやむなしと考えられます。現在の法律では、弁当の路上販売は『届出制』となっています。届出制だと業者は『ここで弁当を販売します』と、自治体に書類を届け出れば販売ができます。飲食店などと違って、『営業許可』を取る必要はありません。そのため万一、食中毒など衛生面の事故が発生した場合も、自治体は営業許可取消などの『行政処分』ができません。そのため、衛生上問題のある弁当を販売する悪質業者がいたとしても、行政としては取り締まれないという問題点があります
 今後の規制はどうあるべきなのでしょうか?弁当の路上販売自体を一律に禁止することは、『過剰な規制』と言えると思います。規制は、安価で美味しい弁当を購入する自由や、販売業者の営業の自由を奪うことにもなりますから、『必要かつ合理的な範囲を超えてはならない』と考えられます。
 ルールを無視する悪質業者を排除するためには、『最低限の要件』を課して、それをクリアした業者だけに営業許可を与えるようにしてはどうでしょう?問題が起きれば許可を取り消す。そういう『許可制』への移行が合理的と言えるのではないでしょうか。具体的には今後、都や有識者の審議会などが話し合っていくことになると思われます。
 現状でも、弁当での食中毒事故があった場合には、販売業者は損害賠償責任を負います。また悪質な場合には、刑事罰の対象になる可能性もあるそうです。いまでも業者には、衛生面について細心の注意を払うことが求められています。
 そのうえでさらに、路上販売に対する規制を設けるべきなのでしょうか?その是非や内容については、今後、様々な議論がなされると想定されるが、そもそも弁当の路上販売がどこで、どのように行われて、どのような問題が生じているのか、その「実態」を正しく把握することが先決だと思います。行政には、正確な実態把握にもとづいて、適切な対策をとることを望みます。しかし、無くなってしまってはサラリーマンが困ります。小遣いも少ないし、お昼休みは短いので。