彼はキラーパスを狙い続けた
海外クラブのプレシーズン大会であるインターナショナル・チャンピオンズ・カップ(ICC)が行われ、レアル・マドリードの久保が鮮烈なデビューを飾った。さて同時に見えた課題とは?
この試合、レアルは前半にモドリッチやベンゼマ、エデン・アザールらレギュラー組を出場させ、後半には11人を総入れ替え。久保やロドリゴ、メンディ、ルカ・ヨヴィッチなど新戦力をお披露目した。
前半、レアルのフォーメーションは4-2-3-1で余裕のポゼッションを見せ、孔雀が羽を広げるかのように美しく優雅にふるまった。対するバイエルンは硬質で、スキあらば縦に速いカウンターを見舞う。まるでアーティストと機械工のような対決になった。
レアルのビルドアップは主にセントラルMF経由、サイド経由の2ルートだが、どこからでも組み上げられる柔軟性がある。一方のバイエルンはややミスが多いが攻めが速く、守備が固い。ボールを保持して押し上げると攻撃に人数をかけ、5~6人がボックス内になだれ込む。
前半15分にMFコランタン・トリッソの先制点でバイエルンがリードし、かたやレアルはベンゼマが惜しいチャンスを何度も外し決め切れない。試合は1-0で折り返した。後半はレアルの最終ラインが雑で2点取られはしたが、さてこのゲーム最大の見どころがやってきた。
久保はオフ・ザ・ボールに課題か?
後半になるとお待ちかねの久保が登場した。4-1-2-3の左インテリオールでの出場だ。いきなり最初のタッチでループシュートを繰り出すなど、まったく物怖じする様子がない。
その後はライン間でボールを受け、前にスペースを見つけると久保は盛んにスルーパスを突き刺し続ける。ハッキリ意識してキラーパスを狙っているようだ。
ただパスが微妙に長く、なかなか通らない。おそらく久保は受け手が瞬時にスペースへ走り込むイメージでパスを前めに出しているのだろう。このへんのあうんの呼吸は修正する必要がある。
一方、ボールの受け方や隠し方は精密で、相手ボールになると敵のビルドアップに対し第1プレッシャーラインに加わりプレッシングもした。そのプレイぶりはまるでレアルに10年いる選手のようだった。
この試合で観る限り、久保はどちらかといえばボールを持ったときに輝く優雅なボール・プレイヤーだ。反面、オフ・ザ・ボールはやや物足りない。
例えばパスを出したあと、足を止めてパス&ゴーせずワンツーを受けそこねる。守備に回ると中間ポジションを取りながら、あと1メートル左に寄れば敵のパスコースを背中で切りながらカバーシャドーが利く、という局面で足が止まってパスを出され、後追いになるようなシーンが散見された。守備面ではまだまだやることがある。
一方、オフェンス面でも「自分はパッサーだ」と決め込んでいるかのようなポジショニングで、運動量も物足りない。もちろんそこに「居る」ことに意味がある、というポジショニングはあり得るので判断はむずかしいが。
個人的には、速い攻撃のチャンスになれば、積極的に前線に飛び出しみずから点の取れるアグレッシブなMFをめざしてほしい。もちろん彼はまだ18歳だ。今後に期待するとしよう。
海外クラブのプレシーズン大会であるインターナショナル・チャンピオンズ・カップ(ICC)が行われ、レアル・マドリードの久保が鮮烈なデビューを飾った。さて同時に見えた課題とは?
この試合、レアルは前半にモドリッチやベンゼマ、エデン・アザールらレギュラー組を出場させ、後半には11人を総入れ替え。久保やロドリゴ、メンディ、ルカ・ヨヴィッチなど新戦力をお披露目した。
前半、レアルのフォーメーションは4-2-3-1で余裕のポゼッションを見せ、孔雀が羽を広げるかのように美しく優雅にふるまった。対するバイエルンは硬質で、スキあらば縦に速いカウンターを見舞う。まるでアーティストと機械工のような対決になった。
レアルのビルドアップは主にセントラルMF経由、サイド経由の2ルートだが、どこからでも組み上げられる柔軟性がある。一方のバイエルンはややミスが多いが攻めが速く、守備が固い。ボールを保持して押し上げると攻撃に人数をかけ、5~6人がボックス内になだれ込む。
前半15分にMFコランタン・トリッソの先制点でバイエルンがリードし、かたやレアルはベンゼマが惜しいチャンスを何度も外し決め切れない。試合は1-0で折り返した。後半はレアルの最終ラインが雑で2点取られはしたが、さてこのゲーム最大の見どころがやってきた。
久保はオフ・ザ・ボールに課題か?
後半になるとお待ちかねの久保が登場した。4-1-2-3の左インテリオールでの出場だ。いきなり最初のタッチでループシュートを繰り出すなど、まったく物怖じする様子がない。
その後はライン間でボールを受け、前にスペースを見つけると久保は盛んにスルーパスを突き刺し続ける。ハッキリ意識してキラーパスを狙っているようだ。
ただパスが微妙に長く、なかなか通らない。おそらく久保は受け手が瞬時にスペースへ走り込むイメージでパスを前めに出しているのだろう。このへんのあうんの呼吸は修正する必要がある。
一方、ボールの受け方や隠し方は精密で、相手ボールになると敵のビルドアップに対し第1プレッシャーラインに加わりプレッシングもした。そのプレイぶりはまるでレアルに10年いる選手のようだった。
この試合で観る限り、久保はどちらかといえばボールを持ったときに輝く優雅なボール・プレイヤーだ。反面、オフ・ザ・ボールはやや物足りない。
例えばパスを出したあと、足を止めてパス&ゴーせずワンツーを受けそこねる。守備に回ると中間ポジションを取りながら、あと1メートル左に寄れば敵のパスコースを背中で切りながらカバーシャドーが利く、という局面で足が止まってパスを出され、後追いになるようなシーンが散見された。守備面ではまだまだやることがある。
一方、オフェンス面でも「自分はパッサーだ」と決め込んでいるかのようなポジショニングで、運動量も物足りない。もちろんそこに「居る」ことに意味がある、というポジショニングはあり得るので判断はむずかしいが。
個人的には、速い攻撃のチャンスになれば、積極的に前線に飛び出しみずから点の取れるアグレッシブなMFをめざしてほしい。もちろん彼はまだ18歳だ。今後に期待するとしよう。