すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

人間はAIに仕事を奪われるか?

2020-02-06 17:22:18 | 政治経済
働かなくてもいい時代が来る

 産業革命の時もそうだったろうし、パソコンが登場したときもそうだった。世の中でとんでもない技術革新が起こったときには、決まって必ず「○○に仕事を奪われる」って話が出るものだ。例えば「パソコンに仕事を奪われる」というふうに。

 で、いま俄かに言われているのは、もしAIが進化したときには「人間はAIに仕事を奪われるのではないか?」ということだ。

 結論から先に言えば、(言い方を変えれば)「人間がAIに仕事を譲って楽隠居する時代が来る」というお話だ。

 というか日本はむしろ少子高齢化で働き手に困ってるんだから、AIとロボットが進出してきてくれるのは逆にありがたい。生産性も上がって一石二鳥である。

 えっ? そんなこと言うけど働かなくちゃ生きていけないじゃないか? と言うなかれ。これは未来の話だ。ちなみに人間は別に働かなくても社会は回る。ベーシックインカム(BI)でやりくりすればいい。

 その財源はどうするのか、って? そりゃ政府が国債を発行すればいい。ちなみに家計や企業とちがい、政府は別に借金を返さなくてもいいのだ。え、めちゃくちゃじゃないか、って?

 いや例えば最近、著書『MMTとは何か』(角川新書)を出した経済評論家の島倉原氏によれば、日本政府の借金は明治時代とくらべ「約4000万倍になっている」という。つまり政府の借金というのは「そういうもの」(返さなくていい)のである。

 具体的には、政府は国債の償還時に「借り換え」をし、基本的にはずっと借りっぱなしでいいのだ。

 全国債の半分はいま日本銀行が保有しているから、利払いもしなくていい。日銀は政府の子会社で、日本政府とは「統合政府」の関係だ。親子みたいなものである。だから日銀が国債から得た利息も、国庫返納金として日銀は政府に返す決まりになっている。

 そもそも政府の借金(国債)は、日銀との統合政府内で「実質チャラ」なのだ。親子の関係なんだからそういうものである。自国通貨建て国債がデフォルトすることはない。日本は自国通貨発行権を持っているのだから、そもそも破綻のしようがない。

人間は仕事をしないと堕落するか?

 さて、財源についてはそういうことだ。だから仕事はAIにまかせて、人間は安心してベーシックインカムで生活すればいい。もちろん社会保障費はベーシックインカムに含めてもいいし、あるいは別途、国債を発行してもいい。

 ちなみに人間がベーシックインカムで得たお金は、AIが運営する事業やサービスに支払われる。だから人間が働いていた当時と同様、貨幣は世の中をうまく循環する。

 え? 働かないと堕落するんじゃないか、って?

 いやいまどきはSNSが行き渡っているから、仕事なんかしなくたって自分の興味のあることをSNSで表現すればいい。そうすれば「やってる感」も得られるし、仕事をやるのと同等の充実感も得られる。

 あるいはAさんがSNSで発表したアイディアが具体化し、AIがそれを応用して世の中に新事業が生まれるかもしれない。もちろんそのときAさんは、「あれはオレが考えたんだ」と相当な充実感を手にできる。これは働いてるのと変わりない。

 ただしこの話には一点、注意点がある。

 政府が国債を発行してベーシックインカムやればいいんだけど、思い切った財政出動が許される範囲はインフレ率2〜4%になるまでの話なんだ。(とはいえデフレの日本はめったなことではインフレにはならない)

 インフレ率がそれを超えると(というか、めったに超えないけど)、インフレ抑制策を取る必要がある。例えば財政支出を削減したり、増税や金融引き締め、生産性の向上、規制緩和や自由化などを行ないインフレを抑える。

 まあ仕事をAIに奪われるといっても、創造性や感性を生かした分野は人間の力も必要だ。だから完全に仕事を奪われるってことはないとは思うけどね。ちゃんちゃん。

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