すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【リーグ・アン 23/24 分析】なぜ今季の南野拓実はゴールが取れるのか?

2023-08-24 09:03:30 | その他の欧州サッカー
南野はセンターポジションで生きる選手だ

 今季フランス1部リーグ・アンの開幕から、モナコの南野拓実が第2節を終え早くも2ゴール2アシストと爆発している。

 彼はセンターでのプレイを得意とする選手だ。トップ下やFW、シャドーのようなポジションを務め、ボールを失っても足を止めず、その場で前からプレスをかけてボールを即時奪回し攻撃するカウンタープレスの申し子だ。

 そのプレイスタイルは、レッドブルグループのザルツブルク在籍時に身につけたものだ。

 敵のビルドアップを打ち砕くハイプレスからのショートカウンターと、ボールロスト時における素早いネガティブトランジションでのカウンタープレス。ザルツブルクはこれらを組み合わせた「ストーミング」が特徴だった。そんなチームの中央に位置し、ゾーンのギャップでフィニッシュに絡んで生きるのが南野なのだ。

 実際、第1次森保ジャパンでトップ下として起用された彼は、激しいストーミングでボールを奪って攻めるスタイルにより中島翔哉、堂安律の両サイドハーフとともに「三銃士」と呼ばれて大活躍した。

 そしていま、モナコで再び南野が花咲かせようとしているのが、こうしたセンターでのプレイである。

サイドに幽閉された昨シーズン

 昨季、モナコで指揮を取ったフィリップ・クレマン監督は、南野を4-4-2のサイドMFで使った。だが冒頭で触れた通り彼はセンターポジションの選手であり、サイドでは生きない。

 実際、サイドに幽閉された彼は、昨季はリーグ18試合1ゴール3アシストと冴えなかった。

 だが今季、モナコの指揮官に就任したアディ・ヒュッター監督は、ちょうど南野がザルツブルクに在籍した2014-15シーズンに同クラブの監督だった人物だ。

 当時、南野と同じチームで同じゲームモデルを共有した才人であり、南野がセンターポジションで活性化する選手であることを知っている。

 かくて今季のヒュッター監督は3-4-2-1のフォーメーションを採用し、当然のように南野を中央のシャドーで起用した。これで場を得た南野は、水に帰り泳ぎ回る魚のように躍動している。

 これは決してフロックじゃない。極めてロジカルな現象なのだ。

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