トランジションと縦への速さが命だ
日本が世界で勝てるサッカーとは、どんなサッカーだろうか?
まず日本人の俊敏性を生かし、3人目の動きとサイドチェンジを入れながら素早く攻守を切り替える。そんな機動的なパスサッカーをめざす。これがゲームモデルである。
3人目の動きを重視する時点で、人もボールもよく動くスタイルになる。
また日本人によくあるショートパスを同サイドでただ延々とつなぐサッカーはやらない。同サイドでパス交換することにより敵をボールサイドに引きつけ(オーバーロード)、そこで一気にサイドチェンジを入れて敵が手薄な逆サイドでの1対1に勝つ(アイソレーション)。これでゴールに向かう。
加えて最大のポイントはトランジション(切り替え)を重視する点だ。
ボールを失っても足を止めず、素早いネガティブ・トランジションから守備の態勢に入る。
逆にボールを奪取したら、素早いポジティブ・トランジションから縦に速いカウンターを見舞う。これがプレー原則だ。
ポジショナルなビルドアップ
最終ラインからは、ポジショナルなビルドアップを行う。
まず2CBの間にアンカーが落ちるサリーダ・ラボルピアーナだ。これで両SBを高く張り出す。またCBとSBの間にアンカーが落ちるケースもある。
ほかには、左(右)SBを前に高く押し出し、2CBと逆サイドのSBが中央にスライドして3バックを形成するパターン。
またボールを保持したCBは、前にスペースがあれば持ち運ぶドリブルで前へ出て位置的優位をかせぐ。
「脱日本人」的なパスの種類を
一方、パスの種類については、まずボールスピードが速いことが最優先だ。ヨーロッパの選手はまるでシュートのようなインサイドキックを蹴る。ゆえに敵にカットされにくい。日本人もそこに学ぶべきだ。
また第2に、パスは2タッチ以内で回す。
第3には、ショートパスを横や後ろ(バックパス)にこねくり回す日本人的なパス回しから脱したい。
そのためまず第一選択は縦パスだ。縦への速さを求める。縦にパスが通るなら、当然そうすべきだ。これにより攻めが速くなる。つまり敵が守備の態勢を崩しているうちに速く攻め切れる。
またパスの長さは局面によるが、基本的にはショートパスだけでなくミドルレンジやロングパスも重視したい。
フィールドを斜めに横切る長いサイドチェンジで空いたサイドにボールを運んで、ピッチを広く使う。
また攻撃の最終局面では、前線の選手の足元へ正確につけるロングパスや、敵のライン裏に落とす正確なロングパスを重視する。つまり「大きなサッカー」だ。
ゲーゲンプレッシングで即時奪回
最後にネガティブ・トランジションの挙動についてだ。
まず敵のビルドアップに対しては、マンツーマンによるハイプレスでハメに行く。そのとき陣形をコンパクトに保ち、ライン間にスペースを作らないよう注意する。またその背後では予防的マーキングと予防的カバーリングでカウンターに備えておく。
これによりボールを奪えば速いショートカウンターが利く。
また前線でボールを失ったら、複数の選手でゲーゲンプレッシングを行いボールの即時奪回をめざす。こうして前でボールを奪ってショートカウンターをかける。
もし前でのプレスが無理な場合には、ミドルサードまでリトリートして4-4-2のゾーンディフェンスで待ち受ける守備をする。これで前の2人が敵のビルドアップを規制し、縦パスを防いでボールをサイドに追い込む。こうしてサイドでボールを刈り取る。
さあ、このサッカーでワールドカップへ行こう。
【参考記事】
【サッカー戦術論】「ロストフの悲劇」なんてなかった ~トランジションの重要性
【サッカー戦術論】なぜトランジションが重要なのか?
【森保ジャパン】日本にトランジション・フットボール以外の選択肢はない
日本が世界で勝てるサッカーとは、どんなサッカーだろうか?
まず日本人の俊敏性を生かし、3人目の動きとサイドチェンジを入れながら素早く攻守を切り替える。そんな機動的なパスサッカーをめざす。これがゲームモデルである。
3人目の動きを重視する時点で、人もボールもよく動くスタイルになる。
また日本人によくあるショートパスを同サイドでただ延々とつなぐサッカーはやらない。同サイドでパス交換することにより敵をボールサイドに引きつけ(オーバーロード)、そこで一気にサイドチェンジを入れて敵が手薄な逆サイドでの1対1に勝つ(アイソレーション)。これでゴールに向かう。
加えて最大のポイントはトランジション(切り替え)を重視する点だ。
ボールを失っても足を止めず、素早いネガティブ・トランジションから守備の態勢に入る。
逆にボールを奪取したら、素早いポジティブ・トランジションから縦に速いカウンターを見舞う。これがプレー原則だ。
ポジショナルなビルドアップ
最終ラインからは、ポジショナルなビルドアップを行う。
まず2CBの間にアンカーが落ちるサリーダ・ラボルピアーナだ。これで両SBを高く張り出す。またCBとSBの間にアンカーが落ちるケースもある。
ほかには、左(右)SBを前に高く押し出し、2CBと逆サイドのSBが中央にスライドして3バックを形成するパターン。
またボールを保持したCBは、前にスペースがあれば持ち運ぶドリブルで前へ出て位置的優位をかせぐ。
「脱日本人」的なパスの種類を
一方、パスの種類については、まずボールスピードが速いことが最優先だ。ヨーロッパの選手はまるでシュートのようなインサイドキックを蹴る。ゆえに敵にカットされにくい。日本人もそこに学ぶべきだ。
また第2に、パスは2タッチ以内で回す。
第3には、ショートパスを横や後ろ(バックパス)にこねくり回す日本人的なパス回しから脱したい。
そのためまず第一選択は縦パスだ。縦への速さを求める。縦にパスが通るなら、当然そうすべきだ。これにより攻めが速くなる。つまり敵が守備の態勢を崩しているうちに速く攻め切れる。
またパスの長さは局面によるが、基本的にはショートパスだけでなくミドルレンジやロングパスも重視したい。
フィールドを斜めに横切る長いサイドチェンジで空いたサイドにボールを運んで、ピッチを広く使う。
また攻撃の最終局面では、前線の選手の足元へ正確につけるロングパスや、敵のライン裏に落とす正確なロングパスを重視する。つまり「大きなサッカー」だ。
ゲーゲンプレッシングで即時奪回
最後にネガティブ・トランジションの挙動についてだ。
まず敵のビルドアップに対しては、マンツーマンによるハイプレスでハメに行く。そのとき陣形をコンパクトに保ち、ライン間にスペースを作らないよう注意する。またその背後では予防的マーキングと予防的カバーリングでカウンターに備えておく。
これによりボールを奪えば速いショートカウンターが利く。
また前線でボールを失ったら、複数の選手でゲーゲンプレッシングを行いボールの即時奪回をめざす。こうして前でボールを奪ってショートカウンターをかける。
もし前でのプレスが無理な場合には、ミドルサードまでリトリートして4-4-2のゾーンディフェンスで待ち受ける守備をする。これで前の2人が敵のビルドアップを規制し、縦パスを防いでボールをサイドに追い込む。こうしてサイドでボールを刈り取る。
さあ、このサッカーでワールドカップへ行こう。
【参考記事】
【サッカー戦術論】「ロストフの悲劇」なんてなかった ~トランジションの重要性
【サッカー戦術論】なぜトランジションが重要なのか?
【森保ジャパン】日本にトランジション・フットボール以外の選択肢はない