文化財をとりまく環境を考えると、現状の文化財保護施策に加えて地域振興、観光・産業振興などに文化財を生かし、文化財保存の基盤である地域コミュニティを活性化する施策にも積極的に取り組んでいく必要があります。
文化財保護の両輪といえる「保存」と「活用」について、「平成26年度文化財の効果的な発信・活用方策に関する調査研究事業報告書」に次のような考え方が示されています。
「保存」については、文化財の適切な状態での維持(日常的な管理、修理等)。 「活用」については、文化財の公開による活用(鑑賞、学術的な利用等)、文化財の地域振興等への活用(地域振興、観光・産業振興、まちづくり、教育等)が挙げられています。
文化財保護法では「公開による活用」に触れていますが、文化財を取り巻く近年の議論を踏まえると、それにとどまらず「地域振興等への活用」により踏み込んだ取組を促進していくことが望ましいと考えられます。