
この週末は、勤労感謝の日を含めた三連休でしたが、やっと25日の午後から在宅。23日は勤務先の創立70周年記念式典。なかなか大変でした。そして夜は祝賀会。24日も大会があり、夜は慰労会。25日も午前中はお出かけ。そうこうしているうちに、寒くなってもう師走が近づいていますねえ。そんな中、先週西脇市で信号待ちで停車しているときに、後ろから軽自動車に衝突されました。少しへこんだだけなんですが、やはり修理。二週間ほどかかるそうです。なんだか大変。
私、最近はピアノばかりを聴いています。おそらくは、ヒューイットのバッハ平均律と内田光子さんのシューベルトのリサイタルに行ったことが原因と思われます。オーケストラ曲は、ほとんど聴いていません。とはいえ、バッハやシューベルトは、近頃はそれほど聴いておらず、等にシューベルトは、内田さんの演奏の印象が強烈だったもので…。専ら、ベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴いております。ベートーヴェンのこのジャンル、なかなか奥が深いですねえ。
その32曲の中から、第26番変ホ長調作品81a『告別』です。ピアノ・ソナタでは、『悲愴』と並んで、ベートーヴェン自身が標題を与えた曲です。1809~10年に作曲され、1811年に出版されました。ベートーヴェンの最大の支援者であったルドルフ大公が、ナポレオン軍の侵攻の影響でウィーンを一時期離れたことに際して、別れへの思いとその後の再会の喜びが描かれています。三つの楽章には、「告別」「不在」「再会」という標題が付けられています。」
当然、この曲の演奏は、数多くあります。今回は、マウリツィオ・ポリーニの演奏であります。ポリーニは、1975年に第30・31番が録音されて以来、2014年6月に第16~30番が録音され、全曲録音が完成します。その間、39年を要したということで、話題にもなりました。この一連の録音の中で、この『告別』は、1988年6月ミュンヘンのヘルクレスザールで録音されました。28~32番に続く、第二弾ということで、『テンペスト』『ワルトシュタイン』・第25番の4曲が1CDで発売されました。私は、このCDが発売されて、すぐに買ったように思っているのですが、世間的にも、よく売れたそうですね。
やはり、ポリーニはいいですねえ。ピアノのテクニック、表現力、曲の理解、ピアノの音色、どれを取ってもたいそう素晴らしい。この曲は、特に標題が付けられているので、それなりのわかりやすさがあるんですね。それにともなう心情の移り変わりと表現、このポリーニの演奏は秀逸であります。感情の起伏が見事に表現されています。ダイナミックな表情にも圧倒されます。また、強靱なピアノタッチと弱音の表現も、実に見事。ピアノの音色も、一音一音、粒が揃っており、その美しさはいいですねえ。
第1楽章「告別」、穏やかな心情と爆発する感情が入り乱れて、それが強弱やテンポの動きなどで表現され、ポリーニの演奏が光る。表情と表現の幅広さが、ダイナミックなピアノで現出されていく様子は、なんとも快感であります。第2楽章「不在」。不安や悲しみが訥々と表現される。大袈裟な悲しみではなく、平常心の中に大きな感情が表されるようなところに、このポリーニのピアノの凄さがありますねえ。そして、第3楽章「再会」。第2楽章から一気に感情が吹き出るところから、曲の終わりに到までの鮮明であり、華麗なピアノには圧倒されます。再会の喜びなどが表現されるのですが、少々大袈裟な気持ちにはなりますが、でも圧倒的な喜びということで…。しかし、全体でも、一昔前のバックハウスやケンプのピアノとは異なり、至極現代的といえます。それが物足りないということもありか、と思いますが、いかがでしょうか。
今日は、午前中代休で、これを書いています。しかし、また午後からは、会議。そしてそのあとは情報交換会。また飲み会であります。この時期はこんなん多いですねえ。仕事は貯まっているのですが…。
(DG 427 642-2 1989 輸入盤)
私、最近はピアノばかりを聴いています。おそらくは、ヒューイットのバッハ平均律と内田光子さんのシューベルトのリサイタルに行ったことが原因と思われます。オーケストラ曲は、ほとんど聴いていません。とはいえ、バッハやシューベルトは、近頃はそれほど聴いておらず、等にシューベルトは、内田さんの演奏の印象が強烈だったもので…。専ら、ベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴いております。ベートーヴェンのこのジャンル、なかなか奥が深いですねえ。
その32曲の中から、第26番変ホ長調作品81a『告別』です。ピアノ・ソナタでは、『悲愴』と並んで、ベートーヴェン自身が標題を与えた曲です。1809~10年に作曲され、1811年に出版されました。ベートーヴェンの最大の支援者であったルドルフ大公が、ナポレオン軍の侵攻の影響でウィーンを一時期離れたことに際して、別れへの思いとその後の再会の喜びが描かれています。三つの楽章には、「告別」「不在」「再会」という標題が付けられています。」
当然、この曲の演奏は、数多くあります。今回は、マウリツィオ・ポリーニの演奏であります。ポリーニは、1975年に第30・31番が録音されて以来、2014年6月に第16~30番が録音され、全曲録音が完成します。その間、39年を要したということで、話題にもなりました。この一連の録音の中で、この『告別』は、1988年6月ミュンヘンのヘルクレスザールで録音されました。28~32番に続く、第二弾ということで、『テンペスト』『ワルトシュタイン』・第25番の4曲が1CDで発売されました。私は、このCDが発売されて、すぐに買ったように思っているのですが、世間的にも、よく売れたそうですね。
やはり、ポリーニはいいですねえ。ピアノのテクニック、表現力、曲の理解、ピアノの音色、どれを取ってもたいそう素晴らしい。この曲は、特に標題が付けられているので、それなりのわかりやすさがあるんですね。それにともなう心情の移り変わりと表現、このポリーニの演奏は秀逸であります。感情の起伏が見事に表現されています。ダイナミックな表情にも圧倒されます。また、強靱なピアノタッチと弱音の表現も、実に見事。ピアノの音色も、一音一音、粒が揃っており、その美しさはいいですねえ。
第1楽章「告別」、穏やかな心情と爆発する感情が入り乱れて、それが強弱やテンポの動きなどで表現され、ポリーニの演奏が光る。表情と表現の幅広さが、ダイナミックなピアノで現出されていく様子は、なんとも快感であります。第2楽章「不在」。不安や悲しみが訥々と表現される。大袈裟な悲しみではなく、平常心の中に大きな感情が表されるようなところに、このポリーニのピアノの凄さがありますねえ。そして、第3楽章「再会」。第2楽章から一気に感情が吹き出るところから、曲の終わりに到までの鮮明であり、華麗なピアノには圧倒されます。再会の喜びなどが表現されるのですが、少々大袈裟な気持ちにはなりますが、でも圧倒的な喜びということで…。しかし、全体でも、一昔前のバックハウスやケンプのピアノとは異なり、至極現代的といえます。それが物足りないということもありか、と思いますが、いかがでしょうか。
今日は、午前中代休で、これを書いています。しかし、また午後からは、会議。そしてそのあとは情報交換会。また飲み会であります。この時期はこんなん多いですねえ。仕事は貯まっているのですが…。
(DG 427 642-2 1989 輸入盤)
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