こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

「フルトヴェングラーRRGアーカイブ」について

2019年03月03日 16時35分46秒 | その他
米朝会談、うまくいきませんでしたね。こんなトップ会談って、たいがいその前に実務級の交渉があって、それで合意となれば開催され、しゃんしゃんと握手して終わる、のが普通ですよねえ。でないと、たくさんのお金を使ってベトナムに行き、もの別れに終わなら、実に無駄。今回はそうならかなったのは、実務級では決めにくかったことがあったか、どちらかが実務級交渉とは違うことを言いだしたのでしょうかね。いろんな思惑があるから難しいでしょうが、1941年の日米交渉決裂の直後、開戦となりましたが、そんなことならないようにと思うばかりであります。

先日、フルトヴェングラーの「帝国放送局(RRG) アーカイヴ 1939-45」(22SACD)をついに買っちゃいました。35,000円と高価なのと、ほとんどCDやLPで既に持っている演奏であることとで、購入を躊躇していました。でも、世評では音が驚くほどよい、ということで、悩んでおりました。そんなとき、いつもお世話になっているH○Vで、35%のクーポン還元セールをしていました。これだと実質20,000円と少しでとなるので、買うことにしました。

これらの音源は、戦時中にRRGの新発明の磁気テープ録音機であるマグネトフォンで録音されたもの。オケはすべてBPO.その録音テープはドイツの敗戦後、ソ連が戦利品として持ち帰ったため、これらの多くは演奏は、長い間、西側諸国には知られていませんでした。その後、ソ連国内でこれらの録音がLP化され、1960年代後半には西側でもそのダビング版(英ユニコーン盤)が発売されました。そして、1987年にはテープのコピーの一部が、ソ連からドイツの放送局に返還され、DGからCD化されました。1991年にはテープが返還されたのですが、ほとんどはCD化されていませんでした。これまでもこれらの録音は、テープから派生したいくつかの音源からLPやCD化したものが発売され、私もいくつかを聴いていたわけですねえ。もともとのテープから直接のものではないなら、音はよくなかったんです。

戦時中のフルトヴェングラーの演奏には、独特の緊張感や迫力があります。私もこれまで、ベートーヴェンでは、1944年のVPOとの英雄、1943年BPOとの4番、同年のBPOとの運命、同年のBPOとの7番、1942年のBPOとの合唱、などは若い頃からよく聴いていました。戦後には、3番・7番はセッション録音が、運命は復帰コンサートのライブ、合唱にはバイロイトライブがあり、それらも同じころから聴き、魅力ある演奏ですが、戦時中の演奏にはこれらにはない独特のものがありますね。他にも、シューベルトの1942年のBPOとのザグレートや1945年のVPOとのブラームスの2番もこの時期の代表的なものですね。

それで今回のこれらのテープからのSACDは、驚くほど音が良くなっています。もともとモノラルですし、現在のデジタル録音のものとの比較はできませんが、音の鮮明さや生々しさはもう驚くほどです。SACDのよさも相俟っています。最初に聴いたベートーヴェンの「コリオラン」序曲(1943年12月)は、もうその迫力と鮮明さにびっくり。ヴァイオリン協奏曲(1944年1月)は、そのレーンのヴァイオリンの美音と艶っぽさがごい。などなど、それはもうびっくりで、これまでのCDはもう要らないな、と思わせるようです。

フルトヴェングラーで最も聴きたいのは、やはりベートーヴェンの交響曲ですね。ただ、この中には、第4・5・6・7・9番があり、「英雄」はありません。もっとも「英雄」はこの時期のBPOとの録音は残っていないみたいです。有名は「ウラニア盤」は、VPOですしね。ブラームスも4番しか戦時中の録音はないです。シューベルトでは未完成がこれまでは1948年のものが一番古く、戦時中のものは、1943、44年の第1楽章しかなかったのですが、1944年12月のライブで第2楽章が今回加わり、全曲が聴けるようになりました。ザグレートも1942年のものがありますね。

フルトヴェングラーの演奏を良質な音で聴こうとすると、「板起こし」のレーベルになりますね。オーパス蔵、オタケンやGRANDSLAMです。これらのCDが安く売られるのを狙って、購入していました。今回のセットは、これらを凌ぐ音であることは間違いないですね。ただ、戦後のものについては、やはりこれらにお世話になるしかないですね。

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