いよいよ東京五輪。開会式、長い長い。4時間ですよ。それも夜の8時から12時近くまで。選手入場も長いし、パフォーマンスも盛りだくさん過ぎたかなあ。選手の一部は退出していたみたいですが、負担は大きかったでしょうね。加えてバッハ氏のよくわからない演説も長い。天皇はもっと違う形で宣言してして欲しかったです。バッハ氏と天皇が同列で座るのもねえ。聖火が大坂なおみさんによって点火されたら、尻切れトンボのようにテレビ中継が終わったのも妙でしたねえ。とは言え、なんだかんだといっても4時間も観ていたのでした。
まあ、それはそれとして、過日タワーさんのネットでGRANDSLAMMのセールをしていました。これまでも幾度かやっており、それなりの枚数を買いました。一枚1350円ほどなので、ついつい買ってしまうのでした。このレーベル、板起こし盤ですが、古い演奏を実にいい音で聴くことができるのが最大に魅力ですね。フルトヴェングラーの演奏が多かったのですが、最近はいろんな演奏が出ており、ワルターやクナッパーツブッシュ、トスカニーニなどなどの演奏も聴けるのでした。
その中で、今回はトスカニーニの演奏であります。この大指揮者の演奏、RCAへの録音をすべて収めたBOXも出ていますが、それほど聴く機会は多いわけではありません。その理由は、やはりモノラルの貧弱な音。なかなかこれでは、この大指揮者の真価を感じにくいのでありました。それで今回、GRANDSLAM盤で『英雄』と『未完成』の収めている一枚を買いました。トスカニーニの演奏の種類についてはそれほど詳しくないのですが、この『英雄』は、1953年12月6日ニューヨーク・カーネギーホールでのセッション録音です。トスカニーニには、1949年~53年のカーネギーホールでのセッションやライブ録音をからなる、ベートーヴェンの交響曲全集があります。この中に含まれている『英雄』と同じ演奏になります。今回は、この『英雄』であります。
このGRANDSLAM盤ですが、音源は2トラック38インチのオープンリールテープだそうです。このGRANDSLAM盤には、いろんな音源からの復刻がありますが、最近はこのオープンリールテープからのものがよく目に付きます。これだとノイズが少ないし、情報量も多いのでしょうね。そして音も非常に鮮明であり、生々しい音になっています。
そんなトスカニーニの『英雄』ですが、まあ非常に客観的な演奏です。まあ余分な感情はいっさいなし。英雄という曲の背景がある程度知られているので、それなりに聴き手が感情移入をしていくから、いろんなことを思ってしまうだけ。演奏してる方は、まったくそんなことお構いなし。その一方で、ただならぬ緊張感とハイテンションの凄まじさは、尋常ではありませんねえ。そして、やはりカンタービレ。独墺系の指揮者では聴けない歌うような旋律が随所に展開されていますねえ。豊かな太陽のもとでの明るく豪快かつ高らかに歌われた『英雄』であります。
この演奏は客観的に聴くべきとは思いつつも、いろんな思いを持ちます。第1楽章、もう出だしからハイカロリーで明るい響きでわき目も振らず突進していく。演奏は、テンポは速めで、しっかりとした統制が取れ、緻密な演奏に終始し、そこにもトスカニーニの凄味を感じますねえ。旋律を派手に歌うあたりに、勇壮さや豪快さを感じ、気持ちも高揚していく。第2楽章、壮麗な葬送行進曲。死者を悼む悲しみというより、死者を高らかに賛美するよう。仮にそうであっても、この曲の意味がうまく伝わってくるところも凄い。次第に熱気も増し祝祭的な雰囲気も感じられます。第3楽章、見事なスケルツォ。オケの機動力を駆使してスケールが大きな、それでいて緻密で、熱い演奏。そして終楽章、まさに豪華絢爛。テンション高く終楽章に相応しい盛り上がりが心地よい。もう感動の結末に向かって怒涛の進撃であります。音楽の展開に、体も揺り動かされる。熱いトスカニーニに乱れることなく付いていくNBC響も見事であります。
そういえば、開会式最後の聖火のときに流れた『ボレロ』。あれは言った何の意味があったんでしょうね。突然出てきて少々驚きました。それまでの選曲とは多少異なる気もしました。感染者も増えている中、とにかく、無事に終わって欲しいものです。
(GRANDSLAM GS-2206 2019年)
まあ、それはそれとして、過日タワーさんのネットでGRANDSLAMMのセールをしていました。これまでも幾度かやっており、それなりの枚数を買いました。一枚1350円ほどなので、ついつい買ってしまうのでした。このレーベル、板起こし盤ですが、古い演奏を実にいい音で聴くことができるのが最大に魅力ですね。フルトヴェングラーの演奏が多かったのですが、最近はいろんな演奏が出ており、ワルターやクナッパーツブッシュ、トスカニーニなどなどの演奏も聴けるのでした。
その中で、今回はトスカニーニの演奏であります。この大指揮者の演奏、RCAへの録音をすべて収めたBOXも出ていますが、それほど聴く機会は多いわけではありません。その理由は、やはりモノラルの貧弱な音。なかなかこれでは、この大指揮者の真価を感じにくいのでありました。それで今回、GRANDSLAM盤で『英雄』と『未完成』の収めている一枚を買いました。トスカニーニの演奏の種類についてはそれほど詳しくないのですが、この『英雄』は、1953年12月6日ニューヨーク・カーネギーホールでのセッション録音です。トスカニーニには、1949年~53年のカーネギーホールでのセッションやライブ録音をからなる、ベートーヴェンの交響曲全集があります。この中に含まれている『英雄』と同じ演奏になります。今回は、この『英雄』であります。
このGRANDSLAM盤ですが、音源は2トラック38インチのオープンリールテープだそうです。このGRANDSLAM盤には、いろんな音源からの復刻がありますが、最近はこのオープンリールテープからのものがよく目に付きます。これだとノイズが少ないし、情報量も多いのでしょうね。そして音も非常に鮮明であり、生々しい音になっています。
そんなトスカニーニの『英雄』ですが、まあ非常に客観的な演奏です。まあ余分な感情はいっさいなし。英雄という曲の背景がある程度知られているので、それなりに聴き手が感情移入をしていくから、いろんなことを思ってしまうだけ。演奏してる方は、まったくそんなことお構いなし。その一方で、ただならぬ緊張感とハイテンションの凄まじさは、尋常ではありませんねえ。そして、やはりカンタービレ。独墺系の指揮者では聴けない歌うような旋律が随所に展開されていますねえ。豊かな太陽のもとでの明るく豪快かつ高らかに歌われた『英雄』であります。
この演奏は客観的に聴くべきとは思いつつも、いろんな思いを持ちます。第1楽章、もう出だしからハイカロリーで明るい響きでわき目も振らず突進していく。演奏は、テンポは速めで、しっかりとした統制が取れ、緻密な演奏に終始し、そこにもトスカニーニの凄味を感じますねえ。旋律を派手に歌うあたりに、勇壮さや豪快さを感じ、気持ちも高揚していく。第2楽章、壮麗な葬送行進曲。死者を悼む悲しみというより、死者を高らかに賛美するよう。仮にそうであっても、この曲の意味がうまく伝わってくるところも凄い。次第に熱気も増し祝祭的な雰囲気も感じられます。第3楽章、見事なスケルツォ。オケの機動力を駆使してスケールが大きな、それでいて緻密で、熱い演奏。そして終楽章、まさに豪華絢爛。テンション高く終楽章に相応しい盛り上がりが心地よい。もう感動の結末に向かって怒涛の進撃であります。音楽の展開に、体も揺り動かされる。熱いトスカニーニに乱れることなく付いていくNBC響も見事であります。
そういえば、開会式最後の聖火のときに流れた『ボレロ』。あれは言った何の意味があったんでしょうね。突然出てきて少々驚きました。それまでの選曲とは多少異なる気もしました。感染者も増えている中、とにかく、無事に終わって欲しいものです。
(GRANDSLAM GS-2206 2019年)
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