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二度目のラヴェル

2012年03月10日 19時09分35秒 | ラヴェル
3月になりまして、少し暖かくなりましたが、雨が多いですねえ。もう菜種梅雨?なんでしょうか。この週末は、倉敷でマリーンズのオープン戦がありました。岡山なんで行きたいな、と思ったのですが、仕事の超多忙さで、日曜日も出勤。来週末は休みはなし、という状況なので、とてもよう行きませんでした。職場の同僚に珍しいマリーンズファンがおられまして、倉敷まで応援に行かれたそうです。その熱意には頭が下がります。今日は寒かったようですね。

土曜日は、家人も娘と博物館に、息子もなんやらの研究会へ出掛け、ひとりで音楽をでかい音で聴いていました。その中から、私としては珍しいラヴェルであります。ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調。この曲、左手のためのピアノ協奏曲とほぼ同時期に書かれ、1932年1月14日に初演されています。ラヴェルの最晩年の曲ですね。まあ、もう20世紀もそれも日本では昭和になってからの曲ですので、19世紀のピアノ協奏曲とはずいぶん違います。加えて、フランス。これがまた曲者なのであります。つまり、フランスものは、あまり相性がよくないのです。でも、まったく聴かないというわけでもありませんので…。

この演奏ですが、サンソン・フランソワのピアノに、アンドレ・クリュイタンス指揮のパリ音楽院管弦楽団です。1959年の録音。少々古くなりましたが、名盤と言われているモノですね。この三者、ほんと徹頭徹尾フランスであります。クリュイタンスは、その昔、初めて聴いたベートーヴェンの交響曲も彼とBPOとの録音でしたし、馴染み深い指揮者です。フランソワは、ショパンなども、この人のピアノはかなり好きです。そんなふたりの演奏であります。

このピアノ協奏曲、三つの楽章からなります。全体でも20分ほどの曲。まあラヴェルの曲は、それほど長い曲はないみたいです。第1楽章は、まず鞭のバッシという音によって始まりますが、すぐにピッコロでの第1主題、そして、ピアノの第2主題。ともにリズミカルに登場し、叙情的な趣を見せたりの展開は、なかなか息もつかせない。クリュイタンスの指揮も、非常にこの変化の大きく刻々と変わる曲を場面場面に応じて、非常に表情豊か。あるときは騒がしさの極地であったり、また美しさを最大限に表したり。その音楽は決して度を超したものにはならず、全体的には優美で端正。こんな表現にまとめるのはクリュイタンスの凄いところです。またフランソワのピアノ。非常に明快で力強く、派手な管弦楽にも一歩もひけを取らず、存在感は抜群ですね。そして、濃厚な表現で、こんなピアノがいいですねえ。そして第2楽章、非常に現代的な美しさにあふれた曲。冒頭からのピアノのソロこれがまたいい曲です。左右のリズムの違いが刺激的に心にのめり込む。このフランソワの旋律の歌わせ方も好きですねえ。これにフルートから弦が来加わり幻想的な美しさが現れます。中間部以降のイングリッシュホルンによる主旋律と弦のバックでピアノが伴奏にまわる箇所のピアノの表情とオケの音色がうまくあって、深い表情を示しています。この楽章は美の極地であります。そして、終楽章。一転してリズミカルな展開。ロンド形式の中で縦横無尽な曲の展開はおもしろい。ジャズやブルースの影響もあり、20世紀を感じさせますね。ここでもクリュイタンス、派手さの中にも端正と品性があり、フランソワのピアノもそれに応じた演奏で、この短い楽章を大いに盛り上げてくれます。私的には非常に満足満足の演奏であります。

このCDは、三宮の中古やさんで460円で買いました。なんでそんなに安いのかよくわかりませんが、これでこのブログでラヴェルは2曲目となりました。これでカテゴリーにラヴェルを加えたいと思います(笑)。
(EMI TOCE-13084 2004年)

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2 コメント

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Unknown (バルビ)
2012-03-13 02:57:04
このコンビのこのコンチェルトは、LPでよく聴きました。今でも時々取り出して聴いています。日本盤ですけれども。

ラベルの曲は本当に格好イイです。左手のための…をフライシャー+小澤+新日本フィルの実演でその昔聴き、この曲の面白さに気づきました。

どっちも良いですが、好きさで言えば、私は左手…ですね。
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コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2012-03-13 23:03:01
バルビ 様、コメントありがとうございます。確かに左手もいいですね。私は、ラヴェルはそれほど聴いていないものですので、いろいろとまた教えて下さい。若いころは、もっと聴いたように思うのですが…。
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