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スターンのモーツァルトのヴァイオリン協奏曲

2017年08月28日 23時52分56秒 | モーツァルト
お盆の前に、例年の東日本大震災復興支援ボランティア活動に行ってきました。職場が変わったので、行けるかどうか不安だったのですが、以前から行っていたので、スムーズに行けました。これまでの名取に加えて石巻でも活動が出来て、よかったです。台風で雨が続いていたこともあったのですが、かなり涼しく、仙台駅辺りでも夜は半袖では涼しいほどでした。その後も気温が上がっておらず、冷害が心配ですね。石巻の漁港は、津波のことを感じさせないほどの復興ぶりでした。

それで今回は、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲。これまで、グリューミオ、シェリング、オイストラフやクレメルなどをよく聴いていました。そんな中で、例のソニーの白い激安BOXで、アイザック・スターンの4枚組「Isaac Stern plays Mozart」が2000円ほどで、協奏曲全曲とハフナーセレナードなどが収められており、まあいいっか、と思って買いました。

スターンというと、1920年ウクライナで生まれ、その直後にアメリカに移住し、アメリカで活躍されました。2001年に没。私が聴き始めた1970年代には、CBSのバーンスタインやグールドなどとならんで看板スターでした。イストミンやローズなどとピアノトリオでも活躍されておりました。ですので、CBSのレーベルで聴くのみでしたので、そのLPはそれほど買わなかったこともあって、私に取っては、有名な割には疎遠な存在でした。

このモーツァルトのヴァイオリン協奏曲ですが、驚いたのは1.3.5番は、ジョージ・セル指揮のコロンビア響との録音なんです。こんな組合せで録音があったとは、寡聞にして全く知りませんでした。ちなみに2.4番は、アレクサンダー・シュナイダー指揮のイギリス室内管との録音です。この中から、ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216であります。1961年1月クリーブランドでの録音になります。

まずは、セルのオケであります。多少、立派すぎるようなオケの演奏。引き締まった音色が独奏ヴァイオリンと非常によくあっています。そしてたいそううまく引き立てるところがさすがであります。すきっと透き通ったようなオケの響きは、セルとクリーブランド(コロンビア響と称しているが、実態はこれ)の特質でありますね。いやー実にいいですねえ。2・4番は指揮者・オケともに異なるのですが、聴き比べてみると、やばりセルはすごいです。そして、スターンのヴァイオリン。音色がきれいです。明るく澄み切ったところにこの人のヴァイオリンのよさがありますね。混ざり気のない純粋な音色には、心が奪われますね。そんなに派手さはないのですが、堅実に曲に取り組んで、極上のモーツァルトになっております。

第1楽章、スターンのヴァイオリンの音色が実に美しい。クセもなく。純粋なところに、このよさが凝縮されています。セルのオケも、このスターンにつかず離れずで、絶妙の交わり方で臨んでおり、そのあたりのセルの凄さを感じます。第2楽章アダージョ。消え入るような弱音からはじまります。そして、ゆったりとしたテンポでスターンのヴァイオリンが実に美しい。ほんとに聴き惚れるモーツァルトであり、悠久の美しさの中に埋もれてしまいます。この楽章はモーツァルトの援徐楽章の中でもとびきりの美しさであり、それをスターンは極上の美、消え入るような音色を駆使しながら、再現してくれています。そして第3楽章、控え目にモーツァルトを現しています。もっと躍動感などがあってもいいのですが、そんな方向ではなく、落ち着いた風情。それにスターンのヴァイオリンも非常にうまく合わせており、これはこれで立派な演奏であります。

東北では、この夏かなり涼しいようですね。最近になって夏らしい気温になっているみたいです。お米はしっかり取れるのでしょうかね。
(SONY 88765429342 2017年 輸入盤)

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