梅雨が明けましたね。17日、前日までのうっとうしい天気からスカッとした晴天になりました、そして昼のニュースで梅雨明けが知らされました。今年はけっこう早く明けたみたいで、その分、夏が長くなりそうで、いやー、それはそれで誠にけっこうなことです。夏は1番好きな季節であります。晴天で、青空の続く夏になって欲しいものです。
さて、今回はラヴェルであります。始めて取り上げます。というのも、若いころは、けっこう聴いていたような気もするのですが、近年はとんとご無沙汰でした。CDでもほとんど持っていませんでした。その理由としては、前々から申しているように、フランスが苦手なんですねえ。それで、このドビュッシーやラヴェルというのも、いまいちなんですねえ。うーん。肌に合わないとも言うのでしょうか。ラヴェルについては、知人で大好きだという人がいまして、その人が言うには「少しでも触ると壊れてしまうような、繊細さがいい」そうなんですね。うーん、そんなもんですかねえ。まあ、ラヴェルの曲には、美しい旋律の曲も多いし、ということで、先日Documentsから出たラヴェル・ボックス(10CD SET)を買いました。これは1000円少しの値段で、1950年代前半のモノラル録音が多いのですが、アンゲルブレシュト、クリュイタンス、ミケランジェリ、ギーゼキング、ロン、ヌヴーなどの往年の名演奏が収められている激安BOXなんです。中でも、EMIから出ているギーゼキングの2枚組のラヴェル・ピアノ曲集がそのまま収められていることもあって、モノラルといえども、思わず飛びついた次第です。その中から、組曲「クープランの墓」であります。
この曲は、ラヴェルが1914年から1917年にかけて作曲したピアノ組曲であり、ラヴェル最後のピアノ独奏曲です。6曲からなり、プレリュード(前奏曲)、フーガ、フォルラーヌ、リゴドン、メヌエット、トッカータの順からなるものです。「クープランの墓」というのは、18世紀の作曲家のフランソワ・クープランを偲んで、ということで、クープランへのオマージュとしての曲であります。加えて、この曲はラヴェル自身によって、1919年に管弦楽へのアレンジもされいます。フーガとトッカータを除いたものとなっていますが、これもよく演奏されますね。
それで、このギーゼキングのピアノ版です。管弦楽版よりもまったくこちらの方がいいです。それには、管弦楽版にはない「フーガ」があることもですが、ピアノによる演奏のほうが、特にこのギーゼキングの演奏は、ラヴェル独特の色彩美を強く感じることができるんですね。ギーゼキングのピアノは、ほとんど無心で単調に、音符をその書いたあるとおりに弾いているだけのようなのですが、その味わいの深さは格別で、聴き込めば聴き込むほどいろんな表情が見えてくるのです。そして管弦楽版が表面だけの華やかさを示すだけのような印象を持つようになります。そして、ピアノ版では、ラヴェルの曲の無上の美しさを痛いほど感じるのでした。
第1曲の「プレリュード」、軽快なテンポでの転がるようなピアノがいい。第2曲の「フーガ」、粒の揃ったピアノによって、フーガの展開がいろんな表情と音色で再現されていくところが快感ですね。第3曲「フォルラーヌ」、最も印象が強く長い曲。同じようなフレーズが繰り返されるが、微妙な変化が楽しいし、ピアノもその変化による表情がいい。第4曲「リゴドン」、曲中もっとも快活。いきいきとした情景が浮かぶようです。第5曲「メヌエット」、「フーガ」と並んで美しい曲。消え入るようなギーゼキングのピアノが次第に中間部に向かって大きくなっていく変化が興味深い。ここでの音色はきれいですよ。そして、終曲「トッカータ」、高速のピアノタッチに目が眩む。そんなギーゼキングのピアノはすごいです。すべてがモノラルなんですが、ステレオだったら、もっと鮮やかかなと思いますが、でもモノラルでも十分。
しかし、この10枚組はなかなか充実した内容です。このBOXでラヴェルのすべてが聴ける?
(Documents 233017 2010年 輸入盤)
さて、今回はラヴェルであります。始めて取り上げます。というのも、若いころは、けっこう聴いていたような気もするのですが、近年はとんとご無沙汰でした。CDでもほとんど持っていませんでした。その理由としては、前々から申しているように、フランスが苦手なんですねえ。それで、このドビュッシーやラヴェルというのも、いまいちなんですねえ。うーん。肌に合わないとも言うのでしょうか。ラヴェルについては、知人で大好きだという人がいまして、その人が言うには「少しでも触ると壊れてしまうような、繊細さがいい」そうなんですね。うーん、そんなもんですかねえ。まあ、ラヴェルの曲には、美しい旋律の曲も多いし、ということで、先日Documentsから出たラヴェル・ボックス(10CD SET)を買いました。これは1000円少しの値段で、1950年代前半のモノラル録音が多いのですが、アンゲルブレシュト、クリュイタンス、ミケランジェリ、ギーゼキング、ロン、ヌヴーなどの往年の名演奏が収められている激安BOXなんです。中でも、EMIから出ているギーゼキングの2枚組のラヴェル・ピアノ曲集がそのまま収められていることもあって、モノラルといえども、思わず飛びついた次第です。その中から、組曲「クープランの墓」であります。
この曲は、ラヴェルが1914年から1917年にかけて作曲したピアノ組曲であり、ラヴェル最後のピアノ独奏曲です。6曲からなり、プレリュード(前奏曲)、フーガ、フォルラーヌ、リゴドン、メヌエット、トッカータの順からなるものです。「クープランの墓」というのは、18世紀の作曲家のフランソワ・クープランを偲んで、ということで、クープランへのオマージュとしての曲であります。加えて、この曲はラヴェル自身によって、1919年に管弦楽へのアレンジもされいます。フーガとトッカータを除いたものとなっていますが、これもよく演奏されますね。
それで、このギーゼキングのピアノ版です。管弦楽版よりもまったくこちらの方がいいです。それには、管弦楽版にはない「フーガ」があることもですが、ピアノによる演奏のほうが、特にこのギーゼキングの演奏は、ラヴェル独特の色彩美を強く感じることができるんですね。ギーゼキングのピアノは、ほとんど無心で単調に、音符をその書いたあるとおりに弾いているだけのようなのですが、その味わいの深さは格別で、聴き込めば聴き込むほどいろんな表情が見えてくるのです。そして管弦楽版が表面だけの華やかさを示すだけのような印象を持つようになります。そして、ピアノ版では、ラヴェルの曲の無上の美しさを痛いほど感じるのでした。
第1曲の「プレリュード」、軽快なテンポでの転がるようなピアノがいい。第2曲の「フーガ」、粒の揃ったピアノによって、フーガの展開がいろんな表情と音色で再現されていくところが快感ですね。第3曲「フォルラーヌ」、最も印象が強く長い曲。同じようなフレーズが繰り返されるが、微妙な変化が楽しいし、ピアノもその変化による表情がいい。第4曲「リゴドン」、曲中もっとも快活。いきいきとした情景が浮かぶようです。第5曲「メヌエット」、「フーガ」と並んで美しい曲。消え入るようなギーゼキングのピアノが次第に中間部に向かって大きくなっていく変化が興味深い。ここでの音色はきれいですよ。そして、終曲「トッカータ」、高速のピアノタッチに目が眩む。そんなギーゼキングのピアノはすごいです。すべてがモノラルなんですが、ステレオだったら、もっと鮮やかかなと思いますが、でもモノラルでも十分。
しかし、この10枚組はなかなか充実した内容です。このBOXでラヴェルのすべてが聴ける?
(Documents 233017 2010年 輸入盤)