本年度のドラフト会議がありました。マリーンズは、大方の予想では投手を指名と言われてましたが、一位は早大の内野手の中村くん。野手ではNo.1と言われる選手。井口の後継者ですかねえ。二位には話題の京大の田中くん。即戦力になって欲しいですねえ。その他、星稜の岩下、大阪桐蔭の香月、健大高崎の脇本と、甲子園で活躍した高校生を指名。総合的には、いいドラフトだったといわれております。でも、有原や安楽も指名して欲しかったですねえ。
先日、三宮に大事な出張があり、その帰りにタワーさんに寄りました。そこで、「栄光のウィーン・フィル名盤100」というユニバーサルのシリーズが、たくさん10%OFFで出ていました。その中で、ハイティンク指揮のブルックナーがあったのであります。ハイティンクのブルックナーについては、まず1970年前後の録音のACOとの全集があります。それから、1970年代後半に同じくACOと7.8,9番を録音します。そして、1980年代後半にVPOとの録音がはじまり、3.4.5.8番が発売されます。マーラーでもそうでしたが、ハイティンクには録音が全集にならず、中途で終わってしまうことがあります。ACOは置いといても、VPOとは是非とも全集にして欲しかったと思います。VPOによるブルックナーの全集はまだないので、残念ですねえ。そんなことを思いつつ、4番は以前に取り上げましたし、8番も持ってますので、3番と5番を買った次第であります。その後、ハイティンクは、バイエルン放響と5番、シカゴと7番、RCOと8番などの録音があり、けっこう出てますね。
その時に、実は買うのを迷ったのですが、思ったことは、VPOのブルックナーの5番ってあるのかなあ、ということでした。クナッパーツブッシュのがあるなあ。シューリヒトのライブもあるなあ、と思い、他は思い浮かばなかったのです。それならこれは貴重だと思い、買ったのでありました。その後、調べてみますと、マゼール、アバド、アーノンクールの演奏があるのに気づきました。そんなわけで、今回は、ブルックナーの交響曲第5番変ロ長調。ハイティンク指揮のVPO.1988年ウィーンでの録音です。
ハイティンクの演奏は、劇的な表現であるとか、大いなる感動、又は精神の高揚を求めようとすると、肩すかしを食らわされてしまうのですね。この人は、おそらくまじめな人なんでしょう。非常に誠実であるし、それが音楽にもよく現れていますよね。奇を衒わない、正攻法の演奏なんです。それがややもすれば、物足らなさになってしまうのでしょう。でも、ハイティンクのよさは、例えばオケが非常にまとまっており、美音の限りを聴かせてくれます。特に、この演奏ではVPOということもあり、特に弦が美しい。そして一糸乱れぬ音も聴かせてくれます。そして、トゥッティでは、澄んだ力強い響きがあふれますし、時折聴かれる静かな場面では、そこでの楽器、弦や木管は限りなく美しいし、そんな弱音でのときに、しっかりとした、またハッとするような極めて純度の高い演奏を聴くことができます。また、力業やテンションの高さを誇示するような演奏ではなく、音楽をじっくり聴かせてくれるのは、実にうれしい。このようなハイティンクのオケのコントロールの手腕やそこから引き出す音の素晴らしさは、やはり巨匠なんでしょうねえ。
第1楽書は、金管の咆哮などとは無縁で、おとなしい。その風情には品も感じられる。いたって静かで、必要以上にこけおどしてきな力演ではないが、飽きのこない大人の演奏でしょうか。第2楽章、私はこの副主題は大好きなんですが、弦が奏でるこの主題は実に美しい。木管の響きも美しさをたたえて、いつ果てるともというこの楽章ですが、その美しさに身を委ね、とめどもなく響く美しい調べに恍惚になるとも、という演奏であります。第3楽章スケルツォ。野人のような激しさはなく、それにはVPOの柔らかい美音がその一因でもありますね。そして第4楽章、ここでも対位法の大伽藍的な様相よりも、めまぐるしく変わっていく曲想に聴かれる音色の素晴らしさ。時折アクセントのような強奏を織り交ぜながら、すっきりとした終楽章であります。こう書いてしまうと、否定的にも思われるかも知れませんが、決してそうではなく、これはこれで素晴らしいブルックナーですし、私は好きな演奏です。
このハイティンクのCD、Philipsのトレードマークだった、白の下線にエンジのラインがありますが、そこにはPhilipsのロゴは見えません。ハイティンクは、Philipsの看板でしたものねえ。Philipsの見られなくなったことは、やはり寂しいですねえ。
(DECCA UCCD-9910 2014 栄光のウィーン・フィル名盤100)
先日、三宮に大事な出張があり、その帰りにタワーさんに寄りました。そこで、「栄光のウィーン・フィル名盤100」というユニバーサルのシリーズが、たくさん10%OFFで出ていました。その中で、ハイティンク指揮のブルックナーがあったのであります。ハイティンクのブルックナーについては、まず1970年前後の録音のACOとの全集があります。それから、1970年代後半に同じくACOと7.8,9番を録音します。そして、1980年代後半にVPOとの録音がはじまり、3.4.5.8番が発売されます。マーラーでもそうでしたが、ハイティンクには録音が全集にならず、中途で終わってしまうことがあります。ACOは置いといても、VPOとは是非とも全集にして欲しかったと思います。VPOによるブルックナーの全集はまだないので、残念ですねえ。そんなことを思いつつ、4番は以前に取り上げましたし、8番も持ってますので、3番と5番を買った次第であります。その後、ハイティンクは、バイエルン放響と5番、シカゴと7番、RCOと8番などの録音があり、けっこう出てますね。
その時に、実は買うのを迷ったのですが、思ったことは、VPOのブルックナーの5番ってあるのかなあ、ということでした。クナッパーツブッシュのがあるなあ。シューリヒトのライブもあるなあ、と思い、他は思い浮かばなかったのです。それならこれは貴重だと思い、買ったのでありました。その後、調べてみますと、マゼール、アバド、アーノンクールの演奏があるのに気づきました。そんなわけで、今回は、ブルックナーの交響曲第5番変ロ長調。ハイティンク指揮のVPO.1988年ウィーンでの録音です。
ハイティンクの演奏は、劇的な表現であるとか、大いなる感動、又は精神の高揚を求めようとすると、肩すかしを食らわされてしまうのですね。この人は、おそらくまじめな人なんでしょう。非常に誠実であるし、それが音楽にもよく現れていますよね。奇を衒わない、正攻法の演奏なんです。それがややもすれば、物足らなさになってしまうのでしょう。でも、ハイティンクのよさは、例えばオケが非常にまとまっており、美音の限りを聴かせてくれます。特に、この演奏ではVPOということもあり、特に弦が美しい。そして一糸乱れぬ音も聴かせてくれます。そして、トゥッティでは、澄んだ力強い響きがあふれますし、時折聴かれる静かな場面では、そこでの楽器、弦や木管は限りなく美しいし、そんな弱音でのときに、しっかりとした、またハッとするような極めて純度の高い演奏を聴くことができます。また、力業やテンションの高さを誇示するような演奏ではなく、音楽をじっくり聴かせてくれるのは、実にうれしい。このようなハイティンクのオケのコントロールの手腕やそこから引き出す音の素晴らしさは、やはり巨匠なんでしょうねえ。
第1楽書は、金管の咆哮などとは無縁で、おとなしい。その風情には品も感じられる。いたって静かで、必要以上にこけおどしてきな力演ではないが、飽きのこない大人の演奏でしょうか。第2楽章、私はこの副主題は大好きなんですが、弦が奏でるこの主題は実に美しい。木管の響きも美しさをたたえて、いつ果てるともというこの楽章ですが、その美しさに身を委ね、とめどもなく響く美しい調べに恍惚になるとも、という演奏であります。第3楽章スケルツォ。野人のような激しさはなく、それにはVPOの柔らかい美音がその一因でもありますね。そして第4楽章、ここでも対位法の大伽藍的な様相よりも、めまぐるしく変わっていく曲想に聴かれる音色の素晴らしさ。時折アクセントのような強奏を織り交ぜながら、すっきりとした終楽章であります。こう書いてしまうと、否定的にも思われるかも知れませんが、決してそうではなく、これはこれで素晴らしいブルックナーですし、私は好きな演奏です。
このハイティンクのCD、Philipsのトレードマークだった、白の下線にエンジのラインがありますが、そこにはPhilipsのロゴは見えません。ハイティンクは、Philipsの看板でしたものねえ。Philipsの見られなくなったことは、やはり寂しいですねえ。
(DECCA UCCD-9910 2014 栄光のウィーン・フィル名盤100)
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