
令和となりました。一連の儀式、退位礼正殿の儀、剣璽等承継の儀、即位後朝見の儀など、色々と興味深く見ていました。特に、三種の神器については、改めて勉強しました。鏡は賢所に祀られているので、あんな形での継承はないんですね。また、平成のときは、天皇崩御の中での改元なので、一種独特の暗さもありましたが、今回は新年を祝うようでしたね。そして、天皇の生前退位は果たしてよかったのかと、今でも少々問題を感じながら、でありました。
ということで、新しい時代、そのはじめは、やはり「ローエングリン」であります。そのあたりの事情はよくわかりませんが、私的には大好き「ローエングリン」なのです。過日もランニングをしながら、クーベリックの演奏を聴いていましたら、ちょうど10㎞になったときに、第1幕ハインリヒ王が、ローエングリンとテルラムントの決闘の前に、「主なる神に願い奉ります」と厳粛に歌い上げたのでした。なんだかよくわかりませんが、感動?したのでありました。
それで、これまでも過去10回取り上げている「ローエングリン」。今回は、クラウディオ・アバドとVPOによる演奏。このコンビには、1990年のウィーン国立歌劇場の公演ライブDVDがあります。ドミンゴがローエングリンを演じたやつです。そして、今回は、1991年11月と、1992年5,6月にウィーンのムジークフェラインで録音したCDです。アバドがワーグナーをどれくらい演奏したかはわかりませんが、CDで聴けるのはトリスタンの第二幕とこれくらいでしょうかね。
さて、このふたつのローエングリン。ドミンゴの方が印象が強烈かして話題になることの方が多いんでしょうか。キャストはエルザのシェリル・スチューダーとテルラムントのハルトムート・ウェルカーが同じですが、ハインリヒ王のクルト・モル、オルトルートのワルトラウト・マイヤーがたいそう強力です。そして、ローエングリンはジークフリート・イェルザレムです。全体を見ると、こっちのほうがキャストは充実していますね。
まず、アバドとVPOですが、これがまた絹のような美しさの際だった演奏。弦はしなやかで艶ぽい木管、金管も鮮明。それは前奏曲を聴けばよくわかります。精緻で非常に丁寧に歌い上げています。夢見るような美しさの前奏曲が極上の美で演奏されます。『エルザの大聖堂への入場』も美しい。第三幕第三場の前奏も、緻密な弦、そして非常に巧い高揚感であります。そして、合唱も極めて密度が濃く、他の歌手を引き立てています。
歌手については、まずイェルザレム、この人は巧いなと思う箇所が多いし、実に堅実なんです。ただもう少し声に華が欲しい。といっても「はるかな国」など立派ですね。ハインリヒ王のモルはいいです。これまで聴いた一番のハインリヒ王かと思う。声に艶があり、威厳に満ちた王に若干の苦悩も感じます。これら男声よりも、もっと素晴らしいのが、シスチューダーとマイヤーですねえ。スチューダーはこの時が全盛期の輝きに満ちています。流麗な美音で、エルザを切々と歌い上げます。第1幕の「エルザの夢」はこれも今までで一番かもしれません。安定した声で、しっかりとそして美しく、そして女性の魅力たっぷりで、いいですねえ。この人の全盛期が長く続かなかったことが惜しいですね。この人以上にいいのが、マイヤーです。第二幕初めのテルラムントとのやりとり、そして、大聖堂への入場のあと、豹変したオルトルート、とこのふたつが見せ場でしょうが、正にマイヤーは妖艶。少々オルトルートにしては高めの声で、余計その印象が強まる。また映像でみたら、それはより増幅されるでしょう。しかし、声だけでもその凄味は伝わって来ます。スチューダーとマイヤー、二人のやり合いが最大の聴かせどころでしょうねえ。
しかし、10連休もあとわずかになりました。4日ほどはいろいろと外出して、あとは家で仕事や音楽、読書、野球、ランニング、テレビなどですねえ。休みに慣れると、仕事がしんどいですねえ。困ったものです。
(DG 437 808-2 1994年 輸入盤)
ということで、新しい時代、そのはじめは、やはり「ローエングリン」であります。そのあたりの事情はよくわかりませんが、私的には大好き「ローエングリン」なのです。過日もランニングをしながら、クーベリックの演奏を聴いていましたら、ちょうど10㎞になったときに、第1幕ハインリヒ王が、ローエングリンとテルラムントの決闘の前に、「主なる神に願い奉ります」と厳粛に歌い上げたのでした。なんだかよくわかりませんが、感動?したのでありました。
それで、これまでも過去10回取り上げている「ローエングリン」。今回は、クラウディオ・アバドとVPOによる演奏。このコンビには、1990年のウィーン国立歌劇場の公演ライブDVDがあります。ドミンゴがローエングリンを演じたやつです。そして、今回は、1991年11月と、1992年5,6月にウィーンのムジークフェラインで録音したCDです。アバドがワーグナーをどれくらい演奏したかはわかりませんが、CDで聴けるのはトリスタンの第二幕とこれくらいでしょうかね。
さて、このふたつのローエングリン。ドミンゴの方が印象が強烈かして話題になることの方が多いんでしょうか。キャストはエルザのシェリル・スチューダーとテルラムントのハルトムート・ウェルカーが同じですが、ハインリヒ王のクルト・モル、オルトルートのワルトラウト・マイヤーがたいそう強力です。そして、ローエングリンはジークフリート・イェルザレムです。全体を見ると、こっちのほうがキャストは充実していますね。
まず、アバドとVPOですが、これがまた絹のような美しさの際だった演奏。弦はしなやかで艶ぽい木管、金管も鮮明。それは前奏曲を聴けばよくわかります。精緻で非常に丁寧に歌い上げています。夢見るような美しさの前奏曲が極上の美で演奏されます。『エルザの大聖堂への入場』も美しい。第三幕第三場の前奏も、緻密な弦、そして非常に巧い高揚感であります。そして、合唱も極めて密度が濃く、他の歌手を引き立てています。
歌手については、まずイェルザレム、この人は巧いなと思う箇所が多いし、実に堅実なんです。ただもう少し声に華が欲しい。といっても「はるかな国」など立派ですね。ハインリヒ王のモルはいいです。これまで聴いた一番のハインリヒ王かと思う。声に艶があり、威厳に満ちた王に若干の苦悩も感じます。これら男声よりも、もっと素晴らしいのが、シスチューダーとマイヤーですねえ。スチューダーはこの時が全盛期の輝きに満ちています。流麗な美音で、エルザを切々と歌い上げます。第1幕の「エルザの夢」はこれも今までで一番かもしれません。安定した声で、しっかりとそして美しく、そして女性の魅力たっぷりで、いいですねえ。この人の全盛期が長く続かなかったことが惜しいですね。この人以上にいいのが、マイヤーです。第二幕初めのテルラムントとのやりとり、そして、大聖堂への入場のあと、豹変したオルトルート、とこのふたつが見せ場でしょうが、正にマイヤーは妖艶。少々オルトルートにしては高めの声で、余計その印象が強まる。また映像でみたら、それはより増幅されるでしょう。しかし、声だけでもその凄味は伝わって来ます。スチューダーとマイヤー、二人のやり合いが最大の聴かせどころでしょうねえ。
しかし、10連休もあとわずかになりました。4日ほどはいろいろと外出して、あとは家で仕事や音楽、読書、野球、ランニング、テレビなどですねえ。休みに慣れると、仕事がしんどいですねえ。困ったものです。
(DG 437 808-2 1994年 輸入盤)
さて、「ローエングリーン」ですが、私は、オペラは苦手で、CDは、ある程度、持ってはいるのですが、殆どが、抜粋盤で、全曲持っているのは、「カルメン」くらいです。ワーグナーの序曲集などのCDは、何枚かあります。そして、必ず、「ローエングリーン」は、第1幕の前奏曲と、第3幕の前奏曲が、ペアで収録されており、この2曲は、大好きです。特に、ワーグナーの曲の中で、最も美しいとされる、第1幕の前奏曲は、大好きな曲です。ほぼ、ppで演奏されるのですが、10分弱の静寂に、身も心も、癒されます。演奏は、誰でもいいですね。たまに、この曲を聴いて、心を浄めますが、どういう場面の曲なのかは、解っていません。