先週末、東京の新国立劇場での『タンホイザー』を見に行きました。金曜に夜行バスで行き、４日14時からの公演を見て、また夜行バスで帰る、まさに弾丸ツアーでした。と言っても、４日には江戸城を一周（走ったわけではありません。でも走りたかったです笑）して東御苑を見て、新宿のdiskunionで中古ＣＤを物色しました。夜行バスは時間が有効に使えるし、安いしで、私はけっこう好きです。また見たいオペラやコンサートがあれば、行きたいと思っています。
しかし、このチケットが発売開始のころ、コロナが心配な時期だったので、少し躊躇しました。そのため、思うような席がありませんでした。結局8800円のＣ席。４階の最後列。オケピットはまったく見えず、舞台も見下ろすような感じ。ただ、私はそれほど席には拘らないし、これまでもそんなにいい席で見たことがないので、これで十分。１階はすべてＳ席で27500円ですからねえ。それほど裕福ではなく、けちな私には、いくらなんでも高いですよねえ。
それで、出演ですが、アレホ・ペレス指揮東京交響楽団。妻屋秀和（ヘルマン）、ステファン・グールド（タンホイザー）、デイヴィッド・スタウト（ヴォルフラム）、鈴木准（ヴァルター）、青山貴（ビーテロルフ）、今尾滋（ハインリヒ）、後藤春馬（ラインマル）、サビーナ・ツヴィラク（エリーザベト）、エグレ・シドラウスカイテ（ヴェーヌス）、前川依子（牧童）、新国立劇場合唱団。そして、演出はハンス＝ペーター・レーマンです。主要な役４人は強力外人で固める、という布陣でありました。これはなかなか評価できるなあ、と思いました。
しかし、ワーグナーのオペラって、ほんとにマジメで硬いし、信仰心の塊ですすよねえ。タンホイザーについても、単なる純愛ではなく、崇高な救済に仕立て上げる。加えて、台詞も硬い硬い。何を言っておるんか、って感じですよねえ。字幕が舞台の両端にあって、最初はそれを読んでいましたが、目が字幕と舞台を両方見るのはしんどい。加えて、ワーグナーの独特の内容。段々とめんどくさくなって、字幕はまったく見ずに、舞台だけを見ていました、いつもＣＤで聴くときは言葉はそれほど意識してないし、物語はわかっているので、まったく困らないですからね。
やはりタンホイザー、超有名な巡礼の音楽が流れ、これってけっこう感動的な響き。序曲の間、最近ではいろんな場面が展開されることが多いですが、幕は降りたまま。そして幕が開くと、クリスタルの円柱が伸びていく。この円柱が形や様子が場面ごとに変わっていきます。その情景以外は、伝統的な演出とそれほど変わらないのでした。その点ではオーソドックスなものでした。
それで三時間、たっぷりワーグナーが聴けて、大満足の舞台でした。終わって段々とよさが滲み出てくる。まずグールド。これまでバイロイトやウィーン国立歌劇場でワーグナーの諸役を歌っているヘルデン・テノール。2019年にはバイロイトにゲルギエフ指揮のタンホイザーで出演しています。それだけに期待していましたが、それに違わずの熱演。声質もワーグナーらしいし、何せタンホイザーを自家薬籠中のものように歌う巧さと凄みがありました。このタンホイザーを聴けただけでも大満足。そして、エリーザベトのサビーナ・ツヴィラク。第二幕と三幕の対比が興味深い。第二幕ではそれほどの感想はなかったのですが、特に第三幕で悲痛な叫びは、とても心に染みこみましたねえ。これからが期待できますね。そして、ヴォルフラムのデイヴィッド・スタウト。私的にはこの役が一番好き。このスタウトのブォルフラム、非常によかった。第一幕でのタンホイザーを迎えるところや第三幕での苦悩。なかなか気持ちのこもった歌唱であり、私はたいそう共感を持つことができました。泣けてくる夕星の歌でしたよねえ。そして忘れてはならないのが領主ヘルマン大活躍の妻屋さん。渋い歌声で存在感いっぱいでした。ということで、大満足で夜行バスに乗って神戸に帰ったのでありました。
今回タンホイザーでしたが、できればワーグナーのオペラは全部見たい。関西だけでは到底見れないので、東京に行きました。同じ新国立劇場で二十年前に『神々のたそがれ』を見て以来のワーグナーでした（だから、あまり見れてないのです）。やはりオペラは、生で見て聴くのは、ＣＤとは段違いにいい。だから、また見に行きたいな、と思っています。
しかし、このチケットが発売開始のころ、コロナが心配な時期だったので、少し躊躇しました。そのため、思うような席がありませんでした。結局8800円のＣ席。４階の最後列。オケピットはまったく見えず、舞台も見下ろすような感じ。ただ、私はそれほど席には拘らないし、これまでもそんなにいい席で見たことがないので、これで十分。１階はすべてＳ席で27500円ですからねえ。それほど裕福ではなく、けちな私には、いくらなんでも高いですよねえ。
それで、出演ですが、アレホ・ペレス指揮東京交響楽団。妻屋秀和（ヘルマン）、ステファン・グールド（タンホイザー）、デイヴィッド・スタウト（ヴォルフラム）、鈴木准（ヴァルター）、青山貴（ビーテロルフ）、今尾滋（ハインリヒ）、後藤春馬（ラインマル）、サビーナ・ツヴィラク（エリーザベト）、エグレ・シドラウスカイテ（ヴェーヌス）、前川依子（牧童）、新国立劇場合唱団。そして、演出はハンス＝ペーター・レーマンです。主要な役４人は強力外人で固める、という布陣でありました。これはなかなか評価できるなあ、と思いました。
しかし、ワーグナーのオペラって、ほんとにマジメで硬いし、信仰心の塊ですすよねえ。タンホイザーについても、単なる純愛ではなく、崇高な救済に仕立て上げる。加えて、台詞も硬い硬い。何を言っておるんか、って感じですよねえ。字幕が舞台の両端にあって、最初はそれを読んでいましたが、目が字幕と舞台を両方見るのはしんどい。加えて、ワーグナーの独特の内容。段々とめんどくさくなって、字幕はまったく見ずに、舞台だけを見ていました、いつもＣＤで聴くときは言葉はそれほど意識してないし、物語はわかっているので、まったく困らないですからね。
やはりタンホイザー、超有名な巡礼の音楽が流れ、これってけっこう感動的な響き。序曲の間、最近ではいろんな場面が展開されることが多いですが、幕は降りたまま。そして幕が開くと、クリスタルの円柱が伸びていく。この円柱が形や様子が場面ごとに変わっていきます。その情景以外は、伝統的な演出とそれほど変わらないのでした。その点ではオーソドックスなものでした。
それで三時間、たっぷりワーグナーが聴けて、大満足の舞台でした。終わって段々とよさが滲み出てくる。まずグールド。これまでバイロイトやウィーン国立歌劇場でワーグナーの諸役を歌っているヘルデン・テノール。2019年にはバイロイトにゲルギエフ指揮のタンホイザーで出演しています。それだけに期待していましたが、それに違わずの熱演。声質もワーグナーらしいし、何せタンホイザーを自家薬籠中のものように歌う巧さと凄みがありました。このタンホイザーを聴けただけでも大満足。そして、エリーザベトのサビーナ・ツヴィラク。第二幕と三幕の対比が興味深い。第二幕ではそれほどの感想はなかったのですが、特に第三幕で悲痛な叫びは、とても心に染みこみましたねえ。これからが期待できますね。そして、ヴォルフラムのデイヴィッド・スタウト。私的にはこの役が一番好き。このスタウトのブォルフラム、非常によかった。第一幕でのタンホイザーを迎えるところや第三幕での苦悩。なかなか気持ちのこもった歌唱であり、私はたいそう共感を持つことができました。泣けてくる夕星の歌でしたよねえ。そして忘れてはならないのが領主ヘルマン大活躍の妻屋さん。渋い歌声で存在感いっぱいでした。ということで、大満足で夜行バスに乗って神戸に帰ったのでありました。
今回タンホイザーでしたが、できればワーグナーのオペラは全部見たい。関西だけでは到底見れないので、東京に行きました。同じ新国立劇場で二十年前に『神々のたそがれ』を見て以来のワーグナーでした（だから、あまり見れてないのです）。やはりオペラは、生で見て聴くのは、ＣＤとは段違いにいい。だから、また見に行きたいな、と思っています。
