六根清浄、お山は晴天。 登って下って、どっこいしょ。

たまに書く、時々入力、気が向いたら、したためる。駄文満載、阪神裕平ことおやじぃ雅のアウトドア雑記帳。

尾張ナゴヤは薄紅色の富士

2018-09-06 19:14:05 | Mt.Fuji~ただし“本家”を除く
公園の“富士山風”遊具施設(愛知県)


この夏、 所用があり新幹線に乗って
故郷・名古屋へ出向く機会があった。

マイクのテストではないが
本日は晴天なり。よって途中の車窓からは
日本一の山「富士山」のお姿とご対面である。

そして、ふと思った。
名古屋と富士山、何となく縁が薄いのかなと。

第一、見ることができない。
肉眼で富士ウォッチングが可能な最西端は和歌山。

よって距離としては問題はないが、
途中の南アルプスなどに遮られ、
残念ながら名古屋からは拝めない。

でも昔は、眺めることができたはずでは。

葛飾北斎の富嶽三十六景のひとつである
「尾州不二見原」通称「桶屋富士」の場所は
現在の名古屋市内である。

しかしこれは、北斎の勘違い。
桶の間に白く小さく描かれている“富士山”は、
南アルプスの聖岳(3013m)だ。

また東京には、かつて流行した富士山講の名残りで
人工的な富士山「富士塚」が点在しているが
名古屋ではあまり聞かないし、見当たらない。

いや待て、待て、ちょっと待て。
つくりものなら
確か、子ども時代に祖母の家への
往復の途中で富士山に遭遇したような記憶がある。

何とも気になる。そこで帰京する前に
少々遠回りと寄り道してみると。

ありました、公園の一角に富士山が。

ルックスは美しい円すい状で、
色はチョイと派手めの薄紅、ピンク色。

これは登って滑って楽しむ遊具と
称するべきなのか。

斜面の一部には、登る足場となる石が埋め込まれ、
また経年劣化でできたであろうヒビが
「金つぎ」のように補修された富士山が、
静かにたたずんでいた。

  

せっかくなので上へ、頂へとアタックしてみる。
ピークは大人1人が座れるスペース。
名古屋ゆえ“よっこいしょういち”の
かけ声のもと腰をおろす。

そしてインターネットで
詳細を調べてみる。

すると、ある新聞記事が見つかった。
記事によると、こちらは1960年~1990年の間に
市内の公園に設置された滑り台で、
モチーフとなったのはもちろん富士山だった。

ふ~んそうだったのか。疑問は氷解したが、
この夏、名古屋の暑さは尋常ではない。
日光が降り注ぐピークに、これ以上滞在していては
今度は身体がとけてしまいそうだ。
急いで下山だ、退却と公園を後にする。

名古屋駅の地下街でひと息。
コーヒーに小倉トーストをほおばりながら
あらためて名古屋と富士山の関係を一考してみた。

やれモンロー主義だ、偉大なる田舎とか、
歴史をひもとけば、三英傑の信長、秀吉、家康は
出世とともに皆地元を離れてしまうやら、
徳川ご三家で唯一将軍が出なかった他と、
自虐的で、ひねくれ傾向がなきにしもあらずの
土地柄ではありますが、名古屋の人も
やっぱり大好き富士の山。疎遠とはいえないようだ。

見えぬならパークに築け富士の山ですかな。

いくつになっても「たわけ者」らしく
実にお気楽、ノー天気な結論に達した。

    

〜2018(平成30年)8月末、猛暑の影響で誰もいない公園にて
   おっさんひとりで“富士山”遊び。人が見たら、ちょいと不気味かも〜



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