振り出しは山登り、上りはひとっぷろ(壱)
キレットで腰振って、
おいといください⁇
おいといください⁇
岐阜城~正法寺・岐阜大仏~のはら湯【岐阜県】
山へ出かけて、ひと風呂といえば温泉、鉱泉が、
まあ普通である。しかし、この夏、実に久しぶりに
マチナカの銭湯を利用する機会があり、
以来焚いたお風呂でのいい湯だな体験も
独特の魅力があるなと思えるようになってきた。
だったら日本のあっちこっちで
最初は軽く登山、もしくは登山もどき、
そしてゴールは各地・地元のワンコイン、
昔ながらの裸の社交場である銭湯につかるのも面白そうだ。
よし、やってみますかである。
そうと決まればどこへ行こうかと、
暇を見つけては資料を集めて、検討していたら、
いい場所が見つかった。
ところは岐阜県、コースは岐阜城に登って下り、
近所の大仏様を拝観した後、
明治開業の銭湯をめざすというもの。
ちょうど実家のある名古屋へ
ゆく用事もある。
ついでに足をのばしてみることにした。
とまあ、軽い気持ちで出かけたのだが、
まさか道中「初めて知りました」の
連発となろうとは…。
最初の目的地となる岐阜城は
金華山(稲葉山)のてっぺんにあり、
標高は329m。登りに利用したのは
「馬の背」というコースだ。
資料では危険とある。
「馬の背」の名前からして察するに、
やせ尾根、ナイフリッジ、キレットの
超・ウルトラ・ミニミニ版かな。
そして、ところでと
ふと頭をよぎったのが、
このナイフリッジにキレットとは、
どんな綴りだっけ。
愛用のタブレットで調べてみると
これはたまげたである。
ナイフリッジ(knife ridge)はともかく、
キレットとは綴りも何も、漢字で「切戸」。
キレットは外国語にあらず、れっきとした日本語だった。
ちなみに天守閣への道は、時間は少々ながら結構ハード。
「馬の背」もさることながら、
下山路に使った一般向けの「めい想の小径」でさえも
瞑想何ぞとをしていたら、足を踏み外して、
お陀仏となりそうな急勾配多しである。
無事に下まで降りると、時計の針は
12時を回っていた。ではランチにしますかだ。
ザックを背負った行動中の昼に決まってとるのが
「特製甘じょっぱいサンド」。
こちらはある時、何も考えず、
自宅にあった残り物を一気に“処理”する目的で
寄せ集めて食べたら旨かったが
きっかけとなり生まれたオリジナルの行動食。
つくり方は、食パンにピーナッツバターを塗り込み、
具材となるバナナにハムをのせて、
上から食パンをもう1枚。重ねて挟んだら、
仕上げに手でパンをギュッと圧縮して出来上がり。
ただ今日は、いつもの山中と違い、ほおばっているのは
岐阜城下のベンチ。人の往来も少なからずあり、
視線も感じる。恥ずかしいのでタブレットを見ながら、
せっかくなので、今食べている一品に関して検索してみた。
するとビックリ、ロック界のレジェンドの名前が
出てくるではありませんか。
確認してみると、何と私め発案の行動食は、
ズバリではないが遠からず、
かのエルヴィス・プレスリーの好物に似ていた。
道理で食後は、身体、特に腰の動きが良くなるのか。
妙に納得しつつ、ごちそうさまとなる。
昼飯が終われば行動も再開、お次は
岐阜城の近くに鎮座する大仏「岐阜大仏」のもとへ。
人気の面では奈良、鎌倉には劣るが、
岐阜の大仏様も立派であり、
独特の雰囲気を醸し出している。
また大仏様のお顔が、少々うつむき加減なので、
正面に立つと見つめ合う格好となり、
ありがたや感もひとしお。
心静かに拝観したら、
ゴールの銭湯である
「のはら湯」へと歩を進める。
こちらでは毎日温泉も直送されており、
沸かし湯&温泉と、一度に2つの
う~極楽体験が楽しめるので、
ちょっと得した気分だ。
風呂から上がれば、これにて
行動は無事に終了。時間が許せば
のはら湯からは目と鼻の先の距離にある
繁華街「柳ヶ瀬」へゴーだが、
残念タイムリミット。東京へ帰る
予定の新幹線に乗り遅れてしまう。
泡の出る飲み物などは列車内までお預け、
ここはコーヒー牛乳でも飲んで、
駅へ急げである。
見上げ、振り仰ぐ岐阜城、
上を向いて大仏様とアイコンタクトと、
岐阜を舞台にした登山プラス銭湯の旅、
タイトルは
「首の運動をしていたら、
知恵を授かる恩恵もあったコース」。
知恵を授かる恩恵もあったコース」。
これでいいか。
だが授かることには
まだ続きがあった。
岐阜駅前の広場で、
帰り支度をしていたら
近くでこんな会話を耳にした。
どちらもご年配の方が、
挨拶を交わしていたのだが
別れ際に「おいとい」という単語が
発せられた。
会話の前後から、お身体大切にという
意味のようだが、これは方言か、それとも。
さあ、またしてもタブレットに登場願おう。
すると、おいといとは
「いたわる、大事にする」なる意味で
大和言葉とあった。
これも全く存じておりませんでした。
お恥ずかしい限り。
「少しは賢くなったか、
このたわけ者が」。
ん、上の方から声がする。
どうやら首の運動も、
終わっていなかったようだ。
どなたのお声かと視線を向けると、
そこには金色に光る信長像があった。
よって首の運動も、
お城に大仏様、そして
戦国時代の覇王だけに、
「おもてを上げぃ」「ヘヘィ」
といった感じで
駅前広場の「ゴールデン信長像」も
ひとつ追加ですかな。
~2019(令和元)年10月
近くに天然温泉もあるのに、あえて。
銭湯めざして、ハイキングにウォーキングを楽しむ~
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