六根清浄、お山は晴天。 登って下って、どっこいしょ。

たまに書く、時々入力、気が向いたら、したためる。駄文満載、阪神裕平ことおやじぃ雅のアウトドア雑記帳。

ややこしいが、旨いらしい

2014-07-01 01:54:18 | Hungry?~喰らわねば帰れん
 サケとマス、その違いを正しく説明できる人は少ないが、日本
の各地には、ご当地“サーモン”なる絶品が存在している。そして
いま、すしネタでの人気を追い風に、ちょっとした話題だ。ただ
し名称には「サーモン」とあるが、これはあくまでもブランド名。
では、その正体とは。

 日本語で「サケ」と「マス」。生物学的には、両者の明確な違い
はないものの、一般的には海へ下る(降海型)はサケ、もしくは英
語の「サーモン(Salmon)」、また淡水にとどまる(陸封型)も
のをマス、または「トラウト(Trout)」と呼び、区別することも
多い魚だ。しかしこの区別が厳密かといえば、いささか心もとない。
実はトラウトには降海型が存在しており、お陰で何とも区別がよく
わからなくなっている。そして、この“海へ下るトラウト”の1種であ
るニジマスこそが、今回の主人公であり、日本各地のおいしい“サー
モン”にほかならない。

 ニジマスを海水で養殖すると名称は「サーモントラウト(または
トラウトサーモン)」となる。輸入品も多いが、国産も奮闘してお
り今年5月に産声を上げたのは「広島サーモン(サーモントラウト)」。
近頃のサーモン人気を背景に、中断していた海で養殖を再開したも
ので、目指すは新しい広島県の名物だそうだ。肝心の味は、あっさ
りとした脂で万人に好まれる点が特徴となっている。

 ご当地サーモンの育成は、海のない県でも盛んだ。たとえば長野
県には「信州サーモン(ニジマス×ブラウントラウト、交配種/長
野県水産試験場)」が、またお隣の山梨県には「甲斐サーモン(大
型のニジマス/山梨県養殖漁業協同組合)」がいる。前者は、養殖
専用に開発された交配種で繁殖力のない魚だ。食べ方は生が1番と
され、地元の名産として、刺し身やサラダなどに姿を変え、観光客
に振る舞われている。一方、後者は、豊かでうまい天然水でじっく
りと時間と手間をかけて養殖した大型のニジマスだ。こちらもクセ
のない味わいで、和洋中いずれの食材にも相性は抜群。使い勝手の
よい魚だそうだ。
 
 そしてもう1県、最近注目されているのが関東の海なし県である
群馬県の「ギンヒカリ(三年成熟系ニジマス/群馬県養鱒漁業協同
組合)」だ。群馬県が10年以上かけて選抜育成した魚で、成熟まで
通常のニジマスが2年に対して、ギンヒカリは3年と1年多くかかる
が、成熟にともなう肉質の低下は少なく、身のよくしまった高品質
で大型のニジマスとなるという。そのほどよい脂ののり具合は、特
に生食がおすすめだそうだ。なおギンヒカリは、一般の流通経路は
なく、出会えるのは温泉地など、群馬でも限られたごく一部となっ
ている。

 ほかにも「絹姫サーモン(愛知県)」や「魚沼美雪マス(新潟県)」
など、全国に存在するご当地サーモン(ニジマス)。いまは無名で
も、味は太鼓判だ。いずれはB級グルメに続いて全国区の名物として、
地域活性化の一助となる人気の味となるのかもしれない。山から下り
たら地元の“サーモン”に舌鼓。試してみてはいかがだろう。

(「まずはご近所の甲斐あたりから」。
       歳はとっても、いまだ大盛り命の阪神 裕平 書く)

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