まろちゃ日記

ねこ、料理、バンド、友、ビーズなど

願いごとの樹

2019-05-23 21:31:52 | 読書・マンガ
その樹は180年そこにいた。みんなは
レッドと呼ぶ。
毎年、五月一日になると、町じゅうの
人が、願いごとを書いた紙切れや端布で樹を
かざりたてる。その樹の下にある二軒の
家のひとつにサマールという女の子と
その家族が引っ越してきた。サマールは
涙ながらに、低い枝に布をゆるくむすんだ。
「友だちがほしい・・・。」
もう一軒の家の家族は、サマール家族を
歓迎しなかった。他にも車で来て
「イスラム教徒、出ていけ!」などと、
どなりちらすものもいた。
レッドはそんなサマールのことを心配
していた。

木に何ができる?と思うのが、当然かもしれない
けれど、180年間人間の移り変わりを見てきた。
動物の住処になり、人間とのドラマもあった。
美しい心を持ち、みんなを包み込む温かみの
ある樹。その樹のおしゃべりに癒され
どんどんストーリーが展開して、こんなに
心揺さぶられる物語だったのかと思って
読み終えた一冊でした。
コメント
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