その樹は180年そこにいた。みんなは
レッドと呼ぶ。
毎年、五月一日になると、町じゅうの
人が、願いごとを書いた紙切れや端布で樹を
かざりたてる。その樹の下にある二軒の
家のひとつにサマールという女の子と
その家族が引っ越してきた。サマールは
涙ながらに、低い枝に布をゆるくむすんだ。
「友だちがほしい・・・。」
もう一軒の家の家族は、サマール家族を
歓迎しなかった。他にも車で来て
「イスラム教徒、出ていけ!」などと、
どなりちらすものもいた。
レッドはそんなサマールのことを心配
していた。
木に何ができる?と思うのが、当然かもしれない
けれど、180年間人間の移り変わりを見てきた。
動物の住処になり、人間とのドラマもあった。
美しい心を持ち、みんなを包み込む温かみの
ある樹。その樹のおしゃべりに癒され
どんどんストーリーが展開して、こんなに
心揺さぶられる物語だったのかと思って
読み終えた一冊でした。
レッドと呼ぶ。
毎年、五月一日になると、町じゅうの
人が、願いごとを書いた紙切れや端布で樹を
かざりたてる。その樹の下にある二軒の
家のひとつにサマールという女の子と
その家族が引っ越してきた。サマールは
涙ながらに、低い枝に布をゆるくむすんだ。
「友だちがほしい・・・。」
もう一軒の家の家族は、サマール家族を
歓迎しなかった。他にも車で来て
「イスラム教徒、出ていけ!」などと、
どなりちらすものもいた。
レッドはそんなサマールのことを心配
していた。
木に何ができる?と思うのが、当然かもしれない
けれど、180年間人間の移り変わりを見てきた。
動物の住処になり、人間とのドラマもあった。
美しい心を持ち、みんなを包み込む温かみの
ある樹。その樹のおしゃべりに癒され
どんどんストーリーが展開して、こんなに
心揺さぶられる物語だったのかと思って
読み終えた一冊でした。