横沢彰 作
スカイエマ 絵
怪我で部活を休んでいた堂島先輩がやってきた。完全な復帰は目前だ。堂島先輩が復帰したらキャッチャーは堂島先輩のポジションとなる。もともとそうだったから。そうしたら、こころの居場所がない。こころは、「部活やめるかも」と、とうさんに言った。とうさんは、自分の高校三年時の背番号を教えてくれた。19番。三年でベンチ入りできなかったのは、とうさんだけだったという。けど、やめようとは思わなかった。理由は、野球がすきだったから。
翌日、堂島さんはこころに言った。「対決しないか」と。実際の試合と同じように、鉄平とバッテリーを組んで、二人の打者と勝負する。それで誰がキャチャーにふさわしいかを決める。
なぜ野球部にいるのか。レギュラーになれなくてもやれるのか、やりたいのか。くさることに意味はあるのか。など、大切なことをいろいろ感じた一冊でした。