もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

「アテネのタイモン」見てきました

2018-01-12 00:37:18 | お芝居
彩の国シェイクスピア・シリーズ第33弾「アテネのタイモン」 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール 2017.12.20 18:30~

亡き蜷川さんの意思をついで、鋼太郎さんが「彩の国シェイクスピア・シリーズ」芸術監督に。
シェイクスピアシリーズはあと5作だったそうですね。もう少しだったのに・・・

その中、まずは「アテネのタイモン」から。
こんな戯曲があるのは知らなかったです。
本場のイギリスでも不人気な作品だそうです。

あらすじは
「アテネの貴族タイモン(吉田鋼太郎)は執事フレヴィアス(横田栄司)の助言、哲学者アペマンタス(藤原竜也)の皮肉を無視し、
誰にも気前よく金品を与え、ついに破産。友人たちが自分の金目当てだったことが分かり、すっかり人間不信に陥る。
森に引きこもるタイモンは、復讐のためにアテネを滅ぼそうと蜂起した武将アルシバイアディーズ(柿澤勇人)に掘り当てた金を
与えるが……。」

私はわりと、芝居とか物語に対して起承転結を求めるのが好きなので、、、、
というか、とりあえずの結末みたいなものがほしいタイプなので、

正直、この話はよくわからなかったというのが感想です。
え?そこで終わりなの?っていう感じかな。

キャストの熱演とかそういうのはすごくよかったんだけど、え?って感じで終わってしまったのが
ちょっと消化不良感をおこしてしまいました。


話の内容は、ほぼあらすじにある感じです。

タイモンはものすごく気前のいい人で、困っているといえばすぐに自分の金品を分け与えてしまう。誰かから贈り物をもらえば、
それこそ倍返しにするような気前のよさ。執事のフレヴィアスは、心配し助言するが、耳をかさず。。。ついには破産してしまう。
借金取りがタイモンのところに大挙して押し寄せる・・・

そこで、今まで金品をあげていた友人の貴族たちに借金の申込みをするが、誰一人として助けてくれない。
タイモンはようやく、友人と思っていた人たちが自分の金目当てだったことを知り、怒り狂い、人間不信になる。

最後にその貴族たちを招待し、ごちそうすると思いきや、石とお湯だけで招待し、彼らにお湯をかけ、石を投げ追い返す。

ここまでが1幕

2幕は舞台は森の中。
タイモンは人間不信の結果、森の洞窟に引きこもっている。そこに貴族たちがきてもみんな追い払ってしまう。
哲学者のアペマンタスがやってくる。二人は罵詈雑言を浴びせあうが、タイモンは変わらない。
執事のフレヴィアスが心に訴えかけても変わらない。
森で金貨を見つけたタイモンは、それを兵士たちに配り、兵士をやめさせようとするが、
そこに現れた、彼らの上官の将軍アルシバイアディーズ
彼はアテネを追放され、復讐のためにアテネに対して蜂起していた。アルシバイアディーズは兵士のように心を
動かされなかったが、タイモンの境遇には同情を示す。タイモンはそれでも変わらない。

タイモンが海辺でなくなり、その墓碑には人類への憎しみの言葉が刻まれていた。そのことは、最後にアルシバイアディーズによって
語られるが、タイモンの言葉の影響を受けたからか、アルシバイアディーズはアテネと和平を結んだのだった。



開演前から、「尺には尺を」と同じように、役者さんたちが舞台上でウォーミングアップをしてました。
松田さんは最初の方からいたし、大石さんもだったけど、
鋼太郎さんや、藤原竜也さん、カッキーはぎりぎりまで出てこなかったのか・・・私がわからなかったのか・・・

そして「さあ、いこうか!」というの鋼太郎さん一言でスタート!
すごくチーム感が出てました。

一幕は、タイモンの気前のよさに、ハラハラしちゃってました。むらがる貴族たちが金目当てのおべっかなのに
気づかず、なんというか、おバカさんだな~って。
アペマンタスの皮肉も無視して・・・
で、お金が無くなったらの手のひら返し。。。だ~か~ら~ってわかっててもおもちゃいました。
ただ、おべっか貴族たちがタイモンからの借金を断るシーンは、ちょっと笑えるというか・・・
お風呂に入ってるときとかね。
さらに、タイモンが一文無しになるなんてこと、微塵も考えていないおべっか貴族もバカだな~って。
お金なんて無尽蔵にあるわけないのにね。
実際、シェイクスピアの時代は、こんな貴族いたんですかね?世の中への強烈な風刺だったのかもって思いました。
そして、一転タイモンが大暴れするところでは鋼太郎さんすごかった!!

二幕はやっぱり、タイモンVSアペマンタスですかね。
二人の熱演はすごかった。罵詈雑言の応酬、そしてつばの掛け合い・・・お互いを思いあうからこその喧嘩・・・
最後はお互い抱きしめあう。
アルシバイアディーズが反旗を翻していたアテネと、和平を結んだのには、タイモンとであったことによる
影響があるんだろうな~と漠然とは思いましたが。。。それが何か?というところまではわからなかったです。

結局タイモンは、世の中やすべての人とかかわりを持つことなく、恨みを抱えたまま救われずに死んでしまうわけで。
それもちょっとさびしいというか、やるせなかったです。
あっけなくてね~最初に書いたように、え?って感じで終わってしまったのでした。

舞台美術は、色がきれいでした。白、赤、黒。。。そして金貨の金。
象徴的にいろいろな色を使い、素敵でした。
特に、カッキー演じるアルシバイアディーズの赤の衣装が印象的でした。


キャストの感想は

タイモンの鋼太郎さん・・・
ほぼ出ずっぱりで、お疲れ様でした。演出と主演の二役で大変だったんでしょう。
私が見に行った回では、ちょっと声がしゃがれていて、つらそうでした。
でも、存在感のすごさ。。。圧倒されました。


アペマンタスの藤原竜也さん
意外にレ番が少なかったような。
でも、要所要所でタイモンに苦言を呈し、二人で言いあい、抱き合う・・・
素で演じてるのかと思うほどのアペマンタスでした。演じてるのが楽しかったんだろうな~


フレヴィアスの横田さん
タイモンに忠実に使える執事。素晴らしかったです。
タイモンのことを案じ、信じ。。。タイモンのために金策に走り回る。
そういった誠実な人物をしっかり演じていらっしゃいました。
さすが、蜷川組って感じでした。


アルシバイアディーズのカッキー
かっこよかった・・・赤の衣装がまた似合う(笑い)
客席を歩くことも・・・で、ワタシ通路側だったんで、すぐ近くで拝見しちゃいました。
あと最初のシーンのダンスも素敵でした。


ルーシアスの松田くん
身体がでかいし。。。すごく存在感がでてました。
おべっか使いの貴族さん。借金もしっかり断って
松田さんは声もいいので、とてもよかったです。


内容的には、あっけない感じではありましたが、
蜷川さんへのリスペクトも感じられ、とてもよかったと思います。
シェイクスピア完全制覇まであと4作品ですね。


コメント
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