もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

ナイロン100℃45thSESSION 「百年の秘密」見てきました

2018-04-28 19:25:01 | お芝居
ナイロン100℃45thSESSION 「百年の秘密」 本多劇場 2018.04.12 19:00~

6年ぶりの再演です。
前回も観劇しました。感想はこちら

3時間半以上の大作なのですが、あっという間でした。
前回もティルダとコナの人生を一緒に過ごすことができましたが、今回も同様でした。
自分が、舞台上にどっしりとかまえる大木と同じように・・・


キューブのHPより
「二人の女性の半生を描くつもりだ。
彼女と彼女は青春時代に出会い、友人関係を築く。とは言え、ずっと一緒にいるわけではなく、人生の局面で幾度か再会し、や がて別々に死ぬ。そんな話。これが男性同士であれば、いわゆる「友情物語」になるのかもしれない。そうなるのを慎重に避けるべく、女性の物語にしたとも言える。「女性同士に真の友情なぞ成立し得ない」などというつもりは毛頭ないが、そして私は男性であるから本当のところは判らないが、やはりどうもしっくりこないのは、「生涯に渡り続く友情」はもはやロマンの領域だからだ。女性の場合、概ね「生活」が「ロマン」を凌駕するのではないか。「友情」などという言葉ではとても語り尽くせぬ、複雑でデリケートな関係を描ければと思う。そんなドラマでこそ、二人の間の秘密、二人をとりまく秘密は深淵さを帯びるだろう。

昨年(2011年)のナイロン100℃は、映画の為に書かれた台本を脚色したモノと再演だったから、劇団への純書き下ろしとしては、一昨年の「2番目、或いは3番目」以来となる。今回はシリアス度もシニカル度も高め。覚悟して頂きたい。全力を尽くす。(公演チラシコメントより) 」


最初のシーンは、ティルダとコナが小学生のころ。コナは転校生で、ちょっと変わっていたため、もともとティルダと遊んでいたリーザロッテやチャドは嫌っていたが、ティルダは仲良くしていて、その結果、リーザロッテたちとは喧嘩してしまう。
ここが二人の始まり・・・・・・・

そこからは、語り役の女中のメアリーによって、どの時代かが語られ、そのときの出来事が描かれていく。

もともとティルダは裕福な家庭に育ち、大きな木のあるベイカー家の庭には、ティルダの友人や、兄エースの友人カレル、また隣人の弁護士のブラックウッドなど様々な人が訪れている。
ティルダの父は厳格で、バスケット選手として有能なエースに期待をかけており、ティルダのことは全く無視していた。
カレルは学校の先生のことをしたっており、ティルダたちに手紙を渡してほしいと託す。
ティルダはブラックウッドと結婚し、フリッツという息子が生まれる。同じころ、コナは兄エースの友人であるカレルと結婚していた。
そんな幸せな日々も描かれる。

時が変わり、30年以上が過ぎ、
体調を崩して入院していたティルダの退院の日、
コナとカレル、その娘のポニー、そして家を出たがフラフラばかりしている兄のエースが集まる。
コナは美術館の館長をしており、ティルダは保険の外交員、ブラックウッドは女性問題で弁護士を廃業せざるを
得なくなっている。
息子のフリッツとともに帰宅したティルダを家族で迎えるが、相変わらずティルダの父親は
娘のことよりもエースのことしか考えていず、エースと父親とで口論となる

夜、ティルダとコナは昔カレルが慕っていた先生を見た話をする


時代はさらに進み、ティルダが亡くなったあとの話。
フリッツは屋敷を売ることを考えている。ポニーとは結婚はしていないが一緒に住んでいるようだ。
不動産屋と買い手の夫婦が屋敷を見に来て、池を埋める話や木を切る話をしている。
そこに孫娘二人が現れて、木の根元を掘ったりすると、コインと手紙が出てくる。
手紙を読んだポニーは動揺して手紙を破り捨てる。


時は巻戻る。
フリッツとポニーの結婚話をしている両家族。
ティルダは賛成だが、ブラックウッドは強硬に反対する。コナは中立だが
カレルは、どうでもよいと投げやりになる。
その態度に怒るポニー。するとカレルはずっと好きだった人のところに行くと言って
出て行ってしまう。
同じころ
女中のメアリーが高級車と接触事故を起こしてしまい、その賠償金の請求にやってきたのは
リーザロッテとその夫だった。リーザロッテは没落する前のベイカー家を考えていたが、
今は賠償金を払える状態ではなかった。
さらに、リーザロッテの夫は、兄のエースと知り合いで、わけありだった。

その後の彼らの様子がメアリーによって語られる。
エースは傷害事件をおこし警察に捕まり、獄中自殺をしてしまうのだった。
カレルは老婆(前から慕っていた先生)とともになくなっていた。
賠償金はフリッツが孫たちが拾ったコイン(プレミアものだったらしい)で返済したらしい。


時はまた巻戻る
フリッツが生まれ、ティルダが出産後に書いた小説(結局これ1冊だったが)が出版され
お祝いの席。家族がみんな集まっている。
エールは大学進学せず、その理由が父親の浮気を見てしまったことだと明かされる。
さらに、コナはブラックウッドと関係を持ってしまっていた。
そんなとき、コナの妊娠が発覚。カレルは喜ぶがブラックウッドは不安に思う。
その夜、ティルダとコナはカレルに託された手紙を木の根元に埋めた話をしていた


そして
ボケてしまったティルダとコナが木の前で再会し。。。。二人が木と共に白く照らされて・・・・




前回、見ているので大体の話は頭に入ってますが、
忘れていたところや、よくわかってなかった部分も補完できて、
より楽しめた気がします。

ティルダとコナもなくなったあと、フリッツが屋敷を売ろうとしていたけど・・・
手紙とともに掘り出したコインで、結局屋敷は売らなくてよくなったんですよね。
だから、あの木もあの池も・・・みんなそのままで、どこかにまだ残っているんだろうななんて
思ってしまいました。

行きつ戻りつした話は・・・
最初のティルダたちがまだ子供のころにカレルに頼まれた手紙を
木の根元に埋めたことが、ずっとその後も影響していたことが
世の無常を感じました。
手紙を先生に渡していれば。。。。カレルは先生と駆け落ちしてただろうし、
コナとカレルが結婚することもなく、ポニーの父親が。。。などという話も出てこなかったはず。

ただ、ティルダの父親にしても、ブラックウッドにしても、夫としては
しょうもない男だったんだなと。
ティルダの父親の浮気を見て、兄のエールも道をふみはずしたわけだし、
ブラックウッドも、弁護士を辞めざるをえなかったり・・・


ティルダとコナの友情・・・カレルが嫉妬するくらいの友情なんだけど。
ここまで連綿と続く友情、それも女性の友情ってすごいなと思う。

結婚でお互い環境が変わると、女性同士の友情というのは
なかなか続かない。かなり疎遠になったりするが、この二人はかなり密に
つながっている。そして喧嘩別れとかもしない。
ただ、コナはティルダには言えない秘密もあり・・・
それでも二人の友情はお互いおばあちゃんになっても続いている・・・
なんか、ちょっとうらやましい~なんて感じました。


いろんな時代のベイカー家を時系列ではなく、ちょっとずつ垣間見る話だったけど、
でも、ベイカー家の盛衰もわかるし。。。ティルダとコナのこともわかるという
すばらしい構成だったと思います。
ケラさんの感性に脱帽ですね。

そしてオープニングのプロジェクションマッピングもすごくかっこよかった。
セットは前と同じで、ベイカー家のセット。真ん中にはそびえたつ一本の木。
屋敷が庭を囲んでいて、庭のセット・・・と思いきや、このセットは家の外にも内にもなるという。
なかなかおしゃれなセットでした。

キャストは、もうみんな素晴らしかった。
イヌコさんとリエさんだけでなく。。。どのキャストも。
年齢もいろいろな役を演じなければいけなくて。
老婆になったかと思いきや、若いときの状況で演じなくてはいけないとか。
ふり幅もすごいのに、普通に演じてるのはすごかったと思います。

この芝居は、いろいろな年代の、たくさんの人に見てほしい名作だと思いました
コメント
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