もるるんのよくばりポケット

いろーんなことに興味がある、ミーハーな働く主婦もるるんの日常や思ったことを書いていこうと思います☆☆

KERA CROSS 第4弾「SLAPSTICKS」見てきました

2022-02-26 02:29:22 | お芝居

KERA CROSS 第4弾「SLAPSTICKS」 シアタークリエ 2022.02.04 18:00~ & 02.17 13:00~

ケラさんの過去の作品を、別の演出家が上演するプロジェクトの第4弾。
今回は劇団ロロの三浦さんが演出。作品は「SLAPSTICKS」
この作品は1993年にナイロンの公演で上演され、2003年に再演されている。
再演のときのキャストはオダギリジョーさん、ともさかりえさん、古田新太さんら・・・
どちらも見てません。

「SLAPSTICKS」とは?と思って調べたら、「ドタバタ劇」って。。。(笑い)
Wikiの抜粋ですが、
 「スラップスティック」とは、叩く(スラップ)棒(スティック)の意。これが転じて舞台喜劇のドタバタ芸を指すようになり、さらに転じて、動きの多いコメディ映画をそう呼ぶようになった。
初めて聞くことばでした。

話のあらすじをまず・・・

「ビリー・ハーロックは、伝説のコメディアンであるロスコー・アーバックルの映画をリバイバル上映してもらおうと奔走している。だが、人々にとってサイレント・コメディーはもはや過去の遺物。ビリーは、配給会社に勤めるデニーを説得すべく、熱い眼差しで当時の思い出を語り出す。それは1920年のハリウッド。ビリーは助監督として入社した “喜劇の神様” マック・セネットの撮影所で働いていた。街を歩きながら、まるで昨日のことのように語るビリーの話を聞くうちに、デニーは少しずつビリーの思い出とサイレント映画に興味を抱き始めていた―。」
(公式より)

 

話の内容は、現在のパートと、過去のパートに大きくわけられます。
現在のパートに過去のパートが差し込まれるような形で進んでいきます。
過去のパートの中に、ビリーとアリスの回想シーンも入るので、、、ちょっとわかりにくい(汗)


現在のパートでは、ビリー(小西さん)が、ロスコ―・アーバックルの映画をリバイバル上映してもらおうと
配給会社のデニー(元木さん)に、彼がいかに素晴らしかったかを、自分が助監督をしていたときの出来事を
話していく。クリスマスの街をぶらぶら歩きながら、食べるところを探しながら、サイレント映画のすばらしさを
語っていくが、その熱量に押され、、、興味がなかったデニーも、最後はリバイバル上映をOKしていた。。

その中で語られる過去のパート。
若きビリー(木村さん)は、マック・セネットの撮影所で助監督をしていた。その当時のサイレント映画は
スタントももちろんなしで、とにかくオーバーな動きで体を張った演技をキャストがするものだった。セネットは
ハリウッドでは有名な監督だった。撮影現場にアーバックルの姪であるルイーズが母親と映画に出演したいと現れる

ある夜、仕事場でテープの編集作業をしていたビリー。セネットが来て、薬が入った紙を渡し、メーベル(壮一帆さん)には
渡すなときつく言われる。ビリーが見ると、それはコカインだった。メーベルはコカイン中毒だったのだ。
ビリーは驚いた拍子に、紙を落とし、コカインを吸ってしまう。
そこに電話が鳴る。電話はアーバックル(金田さん)からだったが、ビリーはパニック状態で大騒ぎした挙句、眠ってしまった。
アーバックルは呆れて電話を切る。

ビリーは夢を見ていた。彼の初恋のアリス・ターナー(桜井玲香さん)とのことだった。アリスはサイレント映画に合わせて映画館でピアノを弾いていた。アリスを家に呼んだときのことなどを思い出していた。。。結局二人は別れてしまったが、再会したところで目が覚める。

翌朝アーバックルは呆れてセネットに電話し、ビリーのことを話す。
アーバックルはサンフランシスコにいて、ホテルの部屋でパーティを開くことになっていた。
そこに駆け出しの女優のヴァージニア・ラップ(黒沢ともよさん)も居合わせ、彼女もそのパーティに参加することになる。
そしてその夜、そのホテルで事件が起きた。ヴァージニア・ラップが死んだのだった。彼女の遺体には暴行のあとがあり、
アーバックルが逮捕されてしまう。新聞やラジオは、大スクープだと、どこも彼を批判する記事をだし、人気コメディアンの
アーバックルは地に落ちてしまった。

アーバックルは捕まって牢にいた。保釈されたが、自分のことを批判した記事を見て、怒りをもって出ていく。
ラジオでも、その事件を取り上げていた。アーバックルの妻が彼を擁護する発言をしていたが、そこにその場に居合わせて
酔っていなかった目撃者が出演。それはなんとアリスだった。アリスはアーバックルがヴァージニア・ラップに暴行していたと
証言する。

アリスは家を出ていこうと荷物の整理をしている。そのときルームメイトがアーバックルのサイン入りのブロマイドを見つける
そのブロマイドには「ビリーへ」という文字が書いてあった。
昔アリスがアーバックルと会ったときに、以前ビリーと一緒に訪れたブロマイド屋で買ったものに、サインを入れてもらったのだった。
そのときのことを思いだすアリス・・・

保釈されたアーバックルはサインをねだる子供を彼から引き離そうとする母親の姿を見て、自分の人気がなくなりその立場を思い知る。
その後、レストランでセネットやビリーと会うが、レストランからも追い出されてしまう。

ビリーはアリスと再会してレストランで会った。
ラジオ番組でのウソの証言のことを追求し、裁判ではウソを言わないように頼むが、アリスはもう事件そのものの問題ではなく、
映画会社やメディアの問題になっているといい、昔ビリーと買ったアーバックルのブロマイドを捨てて立ち去ってしまう。

アーバックルは裁判では無罪となった。アリスも裁判には現れなかった。
無罪とはなったが、アーバックルに対する世間の目は厳しく、ずっと批判され続けた。

最後の現在のパートで、デニーがビリーに、アーバックルはどうしているかを聞くが。。。
アーバックルもメーベルもみんなもう亡くなってしまったと告げる。。。

芝居のラストでは、亡くなったヴァージニア・ラップが幽霊としてあらわれるが。。。
声は出ず、昔のサイレント映画のようになっていた・・・

 

私は映画自体あまりみないし、ましてや、サイレント映画とかは全然で。。。
チャップリンとかは名前や、有名な映画の一部分は知ってるけど~というレベルですが、なかなか面白かったです。
正直な話、最初に見に行ったときは、過去と現在との話が行ったり来たりするので、頭の中がちょっとこんがらがったんですが
(特に1幕)、でも2回目に見に行ったときは、自分の頭が整理されてたので、大丈夫でした。
ロスコー・アーバックルもメーベル・ノーマンドもマック・セネットも実在の人物なんですね。

サイレント映画の時代が終わり、トーキー映画にと変わっていく過渡期のいろいろなジレンマとかは伝わりました。
そして、今の時代にも通じること。アーバックルは結局は冤罪で無罪になっても、社会的に抹殺されてしまったということ。
今だって、一度付いてしまった悪評は、なかなか消えるものではないですよね。メディアの力って怖いということを
感じました。昔から変わらない。

それにしても、サイレント映画って、アクションとかすごいんですね、
実際のスクリーンで昔のサイレント映画の一部が上映されるんだけど。。。
観客に伝わるようにと大きな動きで。。。が基本だし、もちろんCG合成なんてないから
車や列車を使うようなアクションも、すべてスタントなしで自分たちでやってたんですね~
芝居の中で、ベットごと落下したアクションで首が折れたという女優さんが出てきたけど、
ホントにあったんだろうな~って思っちゃいました。

舞台セットもスクリーンがあったり、ピアノが棚に変わったりとなかなか面白くておしゃれだったけど、
音楽もよかったです。映写機の音とか、レトロでいい感じでした。
あと、開演前に客席で流れてる音楽が、とても心地よくてよかった。


2/17公演は千秋楽だったので、満員のお客様でしたけど、
2/4の夜公演は、正直空席が目立って。。。それがとても残念でした。

 

キャストの感想

若いときのビリー役の木村達成さん
たぶん私は初見だと思うんですけど。。。と思って確認したら、
シアタークリエの再開の配信ライブで、ねもしゅーさんロロの三浦さんの作品をやったとき、
三浦さんの作品「CALL」に出てらした方だったんですね。。。ごめんなさい。あんまり記憶が・・・
普段は2.5次元舞台とかで活躍されてる方みたいですね。
私の周りは彼のファンが多かったようでした。
シュッとして背が高くて見栄えもよく、この若きビリー、悩めるビリーにあってると思いました。


現在のビリー役の小西さん
安定のうまさというか、落ち着いた感じの演技でした。
小西さんの芝居、ちょこちょこ拝見してるんですが、いつもストレートプレイで、なかなか
ミュージカル作品に行けてないのが残念。。歌のうまさを堪能したいかも。


アリス役の桜井玲香さん
元乃木坂の方なんですね。初めて知りました。
最近、乃木坂とかAKBとか。。。そういう人たちが舞台にどんどん出てきていて、
私はさっぱり誰が誰かわからないのですが。。。
こういう言い方をするとファンの方に怒られそうですが、普通な感じの演技でした。


アーバックル役のはんにゃの金田さん
すごくよかったです。お笑いのイメージが強いんだけど、
なんか落ち着いてて、飄々とした感じがこの役にぴったりでした。
あの肉襦袢・・・大変だったろうな~
そう、アリスにサインをするシーンは、さすが芸人さん。アドリブを連発して
桜井さんをマジに笑わせにかかってました。


セネット役のマギーさん
めちゃくちゃ安定感。正直一人だけ別格な演技だったな~と。
アーバックルがすべてを失って、レストランからも追い出される時の
やるせない怒りのシーン。。。すごく染み入りました。
本当に、サイレント映画や、その役者さんを愛していたんだなと。。。


メーベル役の壮一帆さん
華やか~出てくるだけで華があってきれい。
黒の衣装が似合っててかっこよかった。薬に手をそめてちょっと素直になれない感じを出すのも
さすが、上手いです。


デニー役の元木聖也さん
身体能力すごいんですね。バク中とかしてたし。。。
名前を見たことがあるので、ちょっと確認したら「泣くロミオ~」の芝居に出てらしたんですね。


ヴァージニア・ラップ役の黒沢ともよさん
2幕の最初と最後のシーン。サイレント映画のごとく、声がない演技。
私は読唇術は持ってないので、何を話していたかわからないんですけど。。。
涙を流していて。。とてもよかった。彼女はもっと生きて演じたかったと思うのに無念の気持ちが
幽霊となって、この場に出てこさせてくれたのかな~なんて思いました。


それからロロの劇団員の皆さんもとてもよかったです。

ヨーロッパ企画に客演してた亀島さん・・・
出てきた瞬間、あ!亀島さんだ~って思っちゃった(笑い)勝手な親近感。

望月綾乃さんも「月とスイートスポット」に出てらっしゃいましたよね。今回は首が折れてたけど(笑い)

それと、今回初めてでしたが、森本華さん、すばらしかった。何役やりました?


ロロの舞台は見に行きたいと思いながら、なかなか・・・なんですが、次こそぜひ!です。

さて、KERA・CROSSもあと1作品かな?確か最後はKERAさん自身が演出だったと思ったんだけど、
これも楽しみです。

コメント
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