スーパー歌舞伎Ⅱ「空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―」 新橋演舞場 2014.03.12 11:00~
スーパー歌舞伎を見るのは初めてです。先代の猿之助さんが始めたスーパー歌舞伎。四代目の猿之助さん(まだ亀治郎さんと言った方がピンとくるんだけど)がセカンドとして新たに上演です。
作・演出は前川知大さんす。そして現代劇の佐々木蔵之介さん、浅野和之さん、福士誠治も出演です。
劇場は新橋演舞場。そして歌舞伎ですからねえ。上演時間は約4時間20分。長い!途中30分、20分の幕間がありました。開演が11時ですから、1回目の幕間はお弁当タイムでしたけど。
まだ公演中なので、ネタバレになるかもしれないので、少しスペースを空けます。
ざっくりしたあらすじは、
ある村に市川猿之助さん演じる十和という仏師がいた。彼が非常に才能がある仏師だが、仏をいくら彫っても、病気の母も救えないし、暮らしもよくならないので、仏教に対して疑問を抱くようになる。その幼馴染佐々木蔵之介さん演じる一馬も、村人の暮らしがよくならないことを憂えており、彼は、村人を救うには役人になるのがよいと考え、都に出て貴族の長邦に仕え下級役人となる。
仏像を破壊した十和は、役人と争いを起こし、村から追放され、都に出ていく。そして牢で知り合った女盗賊たちの仲間になる。
一方、一馬の主、長邦も政府に不満をもっていたため、一馬を使う。そんな中でいつしか自分が救うはずだった、村を焼き払い農民を殺してしまうようになる。
盗賊の仲間となっていた十和は、仏師・九龍と出会い、再び仏像を彫るようになり、その仏像が村々で評判となる。その話を聞いた長邦は、農民を仲間に引き入れて反乱を起こすために、仏像を利用しようと、一馬に仏師を探させる。そして一馬は不動明王を彫っている十和を見つけ、仏像を彫ることを依頼する。
不動明王を完成させた十和のところにやってきた一馬に、十和は一馬のやっていることを戒める。そして完成させた仏像はただの木屑であった。それをみて改心した一馬は一緒に来た役人を斬り、また命が宿った不動明王も役人たちを倒す。
しかし、すでに長邦らが集めた農民は集まっており、彼らの反乱を止めるために、十和と一馬は空を飛んで朱雀門に向かった。そして反乱は静まったのだった。
ざっくりしてますが、こんな感じの内容で、
1幕は十和と一馬の生まれ育った村の話が中心
2幕は都に出たあとの話、
2幕はちょっと間延びしたかなあ。。。食事のあとだし睡魔が襲ってきました。
そして3幕は楽しかった。いやあ、これが見れただけで満足であります。
木屑は飛び出すわ、ワイヤーで空を飛ぶわ、派手な立ち回りはあるわ、戸板倒しはあるわ、迫力満点でした。
幕があがると、
主な出演者が、ずらっと並び、一人ずつ口上を。猿之助さん→福士くん→と続いていくのだが。。。笑いを取る人あり、歴史を語る人あり。。。
浅野さんの番になったのに、浅野さん動かず。。。「浅野さんの番ですよ」と言われても「あたしゃ浅野じゃないよ」と、、、
で、浅野さんを飛ばしてまた順に口上を。そして最後に蔵之介さんが。
スーパー歌舞伎に出演することになったいきさつを話し、「気安く受けたけど顔面蒼白です」なんて笑わせてくれました。
そりゃそうです。ガッツリ白塗りですからね。意外に似合ってた。
口上が終わると、台が後ろに下がるんだけど、なぜか浅野さんだけ取り残され。。。おばばの役に早替えして、本編が始まるんだけど、、、
舞台替えの黒子さんたちに、邪魔にされて右往左往の浅野さんおばば・・・
もう、ここだけで掴みはOK。
浅野さんは、ホントによかった。笑いを取るだけでなく、現代劇と歌舞伎のハシワタシをしてくれてるような感じでしたよ。
セットがすばらしい。セリを非常にうまく使ってて、見応えがありました。いろんなとこにセリがあるんですかねえ。
大きな布の幕が変わったり、1つ1つのセットが大きいんですよね。さすがスーパー歌舞伎。
宙乗りっていうのワイヤーアクション。けっこう長い時間飛んでたよね。
で、猿之助さんはめっちゃ笑顔なんだけど、蔵之介さんはマジ顔。もしかして高所恐怖症なんですか??
花道の上近辺を飛んでましたたんで、ちょっと席から遠かったのが残念。
殺陣の戸板倒し(っていうらしい・・・ググった)も迫力ありました。
最初は戸板を組んだ上に乗るんだけど、最後は1枚の戸板を2枚の戸板で支える不安定な上に
・・・で、横に倒して飛び降りるって、、、あれ怖いよね~思わず拍手拍手ですよ。
「空ヲ刻ム」ってそういうことなのね~って見事なくらいの木屑の舞い。迫力ありましたよね、
客席の後方まで、木屑(紙ふぶきですけどね)飛んでましたもん。
あとドライアイスとかも使ってて、なかなか凝った演出でした。
役者さんの感想
猿之助さん。
この芝居への熱意がすごい伝わってきた。あの十和というのは、猿之助さんの分身じゃないかってくらいでしたよ。
仏を彫ることで周りの人を救えるのかと葛藤するところなど、さすがでした。
あとは楽しそうでしたよ。ずっと。
市川右近さんがすごくよかった。存在感抜群で、芝居を締めてましたね。
特に不動明王はかっこよかったですよ~おお~って感じでした。サイズ感含めて。
市川笑也さんの女盗賊もきれいだった。
私は歌舞伎の方はあまりよく知らないので、このお二人くらいしかわからなかったんですけど・・・
蔵之介さん
白塗りが意外とお似合い。苦悩の下級役人をよく演じてらしたと思います。
ワイヤーアクションはあまりお得意ではない感じでしたけどね。
ただ、彼は一番声がこもっちゃってるのか、聞き取りにくかったのが残念でした。
福士誠治くん
彼の芝居を最近よく見るんですが、、、まあ、今回の役も、今までとは全然違った役で、彼の引き出しの多さを見せつけられた気がします。
だってさ~「サイケデリックペイン」とか「真田十勇士」とかテレビの「東京トイボックス」とか見てたわけだし。
今回は、十和の弟子で、腕を斬られてしまうという青年。ちょっと吃音でよわっちい感じなんだけど、最初福士くんとわからないくらいで
役になりきってたと思います。
浅野さん・・・最高でした。
今回はストーリーテラーのような感じでしたが、おばばの役がぴったり。
もう出てくるだけで笑いをとってました。最初の口上のときからですが。
一人で説明してるんだけど、周りから「誰に向かって話してる?」なんてつっこまれて「独りごと」とか返しちゃうのがステキ。
あと、この日は、1か所セリフを忘れたっぽくて、「もう1回最初からやる?」なんてつっこまれてましたけど。。。
4時間半弱という長丁場でしたけど、でもガッツリ楽しめました。まあ、欲を言えば2幕をもう少しテンポよくしていただいて、4時間くらいに
おさめてもらえるとうれしいかなと。。。
でも、あの3幕の迫力はすばらしかった。。。
猿之助さんには、スーパー歌舞伎Ⅱ、どんどん続けていただきたいなと思います。
猿之助ファンの母と一緒に行ったのですが、非常に母も満足していました。
母はどうやら浅野さんのファンになってしまったようですが・・・
スーパー歌舞伎を見るのは初めてです。先代の猿之助さんが始めたスーパー歌舞伎。四代目の猿之助さん(まだ亀治郎さんと言った方がピンとくるんだけど)がセカンドとして新たに上演です。
作・演出は前川知大さんす。そして現代劇の佐々木蔵之介さん、浅野和之さん、福士誠治も出演です。
劇場は新橋演舞場。そして歌舞伎ですからねえ。上演時間は約4時間20分。長い!途中30分、20分の幕間がありました。開演が11時ですから、1回目の幕間はお弁当タイムでしたけど。
まだ公演中なので、ネタバレになるかもしれないので、少しスペースを空けます。
ざっくりしたあらすじは、
ある村に市川猿之助さん演じる十和という仏師がいた。彼が非常に才能がある仏師だが、仏をいくら彫っても、病気の母も救えないし、暮らしもよくならないので、仏教に対して疑問を抱くようになる。その幼馴染佐々木蔵之介さん演じる一馬も、村人の暮らしがよくならないことを憂えており、彼は、村人を救うには役人になるのがよいと考え、都に出て貴族の長邦に仕え下級役人となる。
仏像を破壊した十和は、役人と争いを起こし、村から追放され、都に出ていく。そして牢で知り合った女盗賊たちの仲間になる。
一方、一馬の主、長邦も政府に不満をもっていたため、一馬を使う。そんな中でいつしか自分が救うはずだった、村を焼き払い農民を殺してしまうようになる。
盗賊の仲間となっていた十和は、仏師・九龍と出会い、再び仏像を彫るようになり、その仏像が村々で評判となる。その話を聞いた長邦は、農民を仲間に引き入れて反乱を起こすために、仏像を利用しようと、一馬に仏師を探させる。そして一馬は不動明王を彫っている十和を見つけ、仏像を彫ることを依頼する。
不動明王を完成させた十和のところにやってきた一馬に、十和は一馬のやっていることを戒める。そして完成させた仏像はただの木屑であった。それをみて改心した一馬は一緒に来た役人を斬り、また命が宿った不動明王も役人たちを倒す。
しかし、すでに長邦らが集めた農民は集まっており、彼らの反乱を止めるために、十和と一馬は空を飛んで朱雀門に向かった。そして反乱は静まったのだった。
ざっくりしてますが、こんな感じの内容で、
1幕は十和と一馬の生まれ育った村の話が中心
2幕は都に出たあとの話、
2幕はちょっと間延びしたかなあ。。。食事のあとだし睡魔が襲ってきました。
そして3幕は楽しかった。いやあ、これが見れただけで満足であります。
木屑は飛び出すわ、ワイヤーで空を飛ぶわ、派手な立ち回りはあるわ、戸板倒しはあるわ、迫力満点でした。
幕があがると、
主な出演者が、ずらっと並び、一人ずつ口上を。猿之助さん→福士くん→と続いていくのだが。。。笑いを取る人あり、歴史を語る人あり。。。
浅野さんの番になったのに、浅野さん動かず。。。「浅野さんの番ですよ」と言われても「あたしゃ浅野じゃないよ」と、、、
で、浅野さんを飛ばしてまた順に口上を。そして最後に蔵之介さんが。
スーパー歌舞伎に出演することになったいきさつを話し、「気安く受けたけど顔面蒼白です」なんて笑わせてくれました。
そりゃそうです。ガッツリ白塗りですからね。意外に似合ってた。
口上が終わると、台が後ろに下がるんだけど、なぜか浅野さんだけ取り残され。。。おばばの役に早替えして、本編が始まるんだけど、、、
舞台替えの黒子さんたちに、邪魔にされて右往左往の浅野さんおばば・・・
もう、ここだけで掴みはOK。
浅野さんは、ホントによかった。笑いを取るだけでなく、現代劇と歌舞伎のハシワタシをしてくれてるような感じでしたよ。
セットがすばらしい。セリを非常にうまく使ってて、見応えがありました。いろんなとこにセリがあるんですかねえ。
大きな布の幕が変わったり、1つ1つのセットが大きいんですよね。さすがスーパー歌舞伎。
宙乗りっていうのワイヤーアクション。けっこう長い時間飛んでたよね。
で、猿之助さんはめっちゃ笑顔なんだけど、蔵之介さんはマジ顔。もしかして高所恐怖症なんですか??
花道の上近辺を飛んでましたたんで、ちょっと席から遠かったのが残念。
殺陣の戸板倒し(っていうらしい・・・ググった)も迫力ありました。
最初は戸板を組んだ上に乗るんだけど、最後は1枚の戸板を2枚の戸板で支える不安定な上に
・・・で、横に倒して飛び降りるって、、、あれ怖いよね~思わず拍手拍手ですよ。
「空ヲ刻ム」ってそういうことなのね~って見事なくらいの木屑の舞い。迫力ありましたよね、
客席の後方まで、木屑(紙ふぶきですけどね)飛んでましたもん。
あとドライアイスとかも使ってて、なかなか凝った演出でした。
役者さんの感想
猿之助さん。
この芝居への熱意がすごい伝わってきた。あの十和というのは、猿之助さんの分身じゃないかってくらいでしたよ。
仏を彫ることで周りの人を救えるのかと葛藤するところなど、さすがでした。
あとは楽しそうでしたよ。ずっと。
市川右近さんがすごくよかった。存在感抜群で、芝居を締めてましたね。
特に不動明王はかっこよかったですよ~おお~って感じでした。サイズ感含めて。
市川笑也さんの女盗賊もきれいだった。
私は歌舞伎の方はあまりよく知らないので、このお二人くらいしかわからなかったんですけど・・・
蔵之介さん
白塗りが意外とお似合い。苦悩の下級役人をよく演じてらしたと思います。
ワイヤーアクションはあまりお得意ではない感じでしたけどね。
ただ、彼は一番声がこもっちゃってるのか、聞き取りにくかったのが残念でした。
福士誠治くん
彼の芝居を最近よく見るんですが、、、まあ、今回の役も、今までとは全然違った役で、彼の引き出しの多さを見せつけられた気がします。
だってさ~「サイケデリックペイン」とか「真田十勇士」とかテレビの「東京トイボックス」とか見てたわけだし。
今回は、十和の弟子で、腕を斬られてしまうという青年。ちょっと吃音でよわっちい感じなんだけど、最初福士くんとわからないくらいで
役になりきってたと思います。
浅野さん・・・最高でした。
今回はストーリーテラーのような感じでしたが、おばばの役がぴったり。
もう出てくるだけで笑いをとってました。最初の口上のときからですが。
一人で説明してるんだけど、周りから「誰に向かって話してる?」なんてつっこまれて「独りごと」とか返しちゃうのがステキ。
あと、この日は、1か所セリフを忘れたっぽくて、「もう1回最初からやる?」なんてつっこまれてましたけど。。。
4時間半弱という長丁場でしたけど、でもガッツリ楽しめました。まあ、欲を言えば2幕をもう少しテンポよくしていただいて、4時間くらいに
おさめてもらえるとうれしいかなと。。。
でも、あの3幕の迫力はすばらしかった。。。
猿之助さんには、スーパー歌舞伎Ⅱ、どんどん続けていただきたいなと思います。
猿之助ファンの母と一緒に行ったのですが、非常に母も満足していました。
母はどうやら浅野さんのファンになってしまったようですが・・・
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