今朝もまた今年のこの日が、やってきた。
今年の私にも、この日が訪れた。
目を覚まして携帯を見る。
起きて髪を結う。
鏡に向かっている私に娘M嬢が、
いつもなら”おはよう”と言うところで。
別の言葉をかける。
今日は、いつもよりスムーズに髪がまとまった。
買ったばかりの櫛の歯がこぼれて、
きっと私の代わりにアンラッキーを背負ってくれたと思おうとしたり。
台所に向かい、
にんじんをぬか漬けにする。
胡瓜と茄子の辛子漬けに手を入れる。
ピーマンとシシトウを、つくだ煮風にする。
ホームベーカリーにパン生地を仕込んでスイッチオン。
いつもと変わらぬ、いつもの私の朝の風景。
今朝も何も変わらないなぁと、つぶやくと。
「その変わりないところで、いいんじゃない?」
M嬢が明るい声で、そう答えた。
朝の掃除を済ませ。
稽古場で腹筋、腕立て。
ラジオ体操、何も変わらない朝の風景。
神仏に手を合せ今日の日に感謝をする。
朝のご飯は、いつものように美味しい。
コーヒーを淹れながら化粧をする。
パソコンを立ち上げて、
8時15分を待つ。
今年も、またこの時がやってきた。
家族3人でテレビの前に起立。
鐘の音と共に静かに目を閉じ黙祷。
また今年も、また涙がボロボロとこぼれた。
63年前の、この日のために。
命の灯を消した多くの方たちを思い、
いまもなお苦しみを抱える方たちを思い、
だからこそ余計また自分が今日を迎えられる幸せをかみしめ。
自分が消えてなくなるまで、
このことを忘れないことを約束しながら。
また私にとって新しい1年を始める。
私の家族と私を支え応援してくれる全ての人へ心より、ありがとう。
大切な人たちへ。
存在してくれて本当にありがとう。