だから、どんな相手に当たっても。
運を天にまかせ、なりゆき任せで退治するしかないのだけど。
・・・ん?退治?・・・
ヤマタノオロチじゃあるまいし。
例えば幾つかあるレジ列の中、
最短時間で会計を済ませることのできそうなレジを選ぼうとする。
そうしたら、そのレジが。
たまたま見習生の、まだ不慣れなレジ台だったり。
すぐ前のお客さんが、お金を出すのにとてつもなく時間が要ったり。
他所のオバチャン握り締めたチラシを指差しながら、
クレームをつけ始めたりすると。
自分の選択を呪わしく思えこそ自業自得と諦めるしかないが。
面接官の当たりの悪さは、
いったい何を呪い誰を恨めばいいのだろう。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
トントン、ガチャ。失礼します。
進路指導の先生に言われたとおりのセオリーで入室すると。
3人居並ぶ面接官の真ん中で、
にっこりと温和な微笑みを絶やさずいる人が。
「○○番、S中学校、モノスヤ(仮名)です。」
と名乗りイスにドッカと腰を下ろした私に。
「もう一度♪」
と穏やかに語りかけた。
何のことか一瞬、状況がわからなかった私が。
イスの上で、キョトンとしていると。
「やり直し♪」と、その面接官は私に向かってそう言った。
促されるままにイスから立ち上がり部屋を出る。
私はドアの前で大きく息を吸って、もう一度最初からやり直した。
やや憮然とした表情(だったと思う)で再びイスに腰を掛ける。
すると先生は、さっきと変わらぬ柔和な笑みでまた。
「はいやり直し、もう一度♪」
と、そう言った。これが都合、3度続いた。
繰り返した3度目、
私が憮然を通り越してキレ寸になりながら真ん中を見据えると。
「なんで3度もやり直しさせられたか?あなた、わかりませんか?」
「わかりません。」私は、そう答えた。
本当に、まったく理由がわからなかったのだ。
「あなたは、よそのお家に入るのに、
”どうぞ”と言われる前にズカズカと勝手に上がり込むのかな?」
先生は変わらぬ笑顔で、しかし厳しい一撃を私に食らわした。
言われたことが、すぐには理解できず。
返す言葉も無く、じっと相手の顔を見続けていると。
「あなたは私が”どうぞ”と言う前にイスに座ったでしょ♪」
だから3度もやり直しをさせたのだよと、
そう言われてハッとしたものの。
もう後の祭りだ。
矢でも鉄砲でも持ってきやがれ、このクソオヤジ!
と内心、舌打ちをした私。
(T先生、本当にすんません。)
どうせ負けるなら、いっそ一思いにやられてしまいたい。
もう結構です、と言われ退室させられたら。
どんなに良かったか。
面接官の笑顔に騙され、ほんの一瞬でも「イケル?」などとほくそ笑んだことを。
苦々しく思いながら。
面接官の当たりが最悪に悪かったのだ。
などと自分の失態を棚上げして相手を恨むなど、
まるで子供だった私。
そこで推薦入学試験は終わり、にはならなかった。
そこから短くて長い面接の本番が始まったのだ。
本当に、どうしてあの学校に入れたのか。
どうして入れてもらえたのか、まったく謎だ。未だに。
運を天にまかせ、なりゆき任せで退治するしかないのだけど。
・・・ん?退治?・・・
ヤマタノオロチじゃあるまいし。
例えば幾つかあるレジ列の中、
最短時間で会計を済ませることのできそうなレジを選ぼうとする。
そうしたら、そのレジが。
たまたま見習生の、まだ不慣れなレジ台だったり。
すぐ前のお客さんが、お金を出すのにとてつもなく時間が要ったり。
他所のオバチャン握り締めたチラシを指差しながら、
クレームをつけ始めたりすると。
自分の選択を呪わしく思えこそ自業自得と諦めるしかないが。
面接官の当たりの悪さは、
いったい何を呪い誰を恨めばいいのだろう。
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トントン、ガチャ。失礼します。
進路指導の先生に言われたとおりのセオリーで入室すると。
3人居並ぶ面接官の真ん中で、
にっこりと温和な微笑みを絶やさずいる人が。
「○○番、S中学校、モノスヤ(仮名)です。」
と名乗りイスにドッカと腰を下ろした私に。
「もう一度♪」
と穏やかに語りかけた。
何のことか一瞬、状況がわからなかった私が。
イスの上で、キョトンとしていると。
「やり直し♪」と、その面接官は私に向かってそう言った。
促されるままにイスから立ち上がり部屋を出る。
私はドアの前で大きく息を吸って、もう一度最初からやり直した。
やや憮然とした表情(だったと思う)で再びイスに腰を掛ける。
すると先生は、さっきと変わらぬ柔和な笑みでまた。
「はいやり直し、もう一度♪」
と、そう言った。これが都合、3度続いた。
繰り返した3度目、
私が憮然を通り越してキレ寸になりながら真ん中を見据えると。
「なんで3度もやり直しさせられたか?あなた、わかりませんか?」
「わかりません。」私は、そう答えた。
本当に、まったく理由がわからなかったのだ。
「あなたは、よそのお家に入るのに、
”どうぞ”と言われる前にズカズカと勝手に上がり込むのかな?」
先生は変わらぬ笑顔で、しかし厳しい一撃を私に食らわした。
言われたことが、すぐには理解できず。
返す言葉も無く、じっと相手の顔を見続けていると。
「あなたは私が”どうぞ”と言う前にイスに座ったでしょ♪」
だから3度もやり直しをさせたのだよと、
そう言われてハッとしたものの。
もう後の祭りだ。
矢でも鉄砲でも持ってきやがれ、このクソオヤジ!
と内心、舌打ちをした私。
(T先生、本当にすんません。)
どうせ負けるなら、いっそ一思いにやられてしまいたい。
もう結構です、と言われ退室させられたら。
どんなに良かったか。
面接官の笑顔に騙され、ほんの一瞬でも「イケル?」などとほくそ笑んだことを。
苦々しく思いながら。
面接官の当たりが最悪に悪かったのだ。
などと自分の失態を棚上げして相手を恨むなど、
まるで子供だった私。
そこで推薦入学試験は終わり、にはならなかった。
そこから短くて長い面接の本番が始まったのだ。
本当に、どうしてあの学校に入れたのか。
どうして入れてもらえたのか、まったく謎だ。未だに。