インタビュー
21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会事務局長 正森克也さん
「しんぶん赤旗」2020年5月12日
一刻も早く防護具を 感染対策の指導必要
特別養護老人ホームなどの施設長有志でつくる「21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会」は、新型コロナ感染症拡大を受け、安倍首相に「介護崩壊」を起こさせないための緊急要望を行いました。
政府は学校を休校にし、民間企業や商店に自粛・休業要請をする中でも介護事業者には「十分な感染対策を行いつつ継続」をと要請しました。介護事業が医療と同様、国民生活を支える重要な社会的インフラであることを認めたものです。しかし国の支援策はなおざりで、事業継続は事業者任せです。
日々密接と密集
介護では体の不自由な高齢者の食事や排せつの介助を行うので「密接」や「密集」が避けられません。そのため各地の介護施設で感染が広がり、大きなクラスター(感染者集団)を生み出しています。
ところが介護施設ではサージカルマスクや手袋、ガウンなど感染防護具の市場供給が断たれる深刻な事態が続いています。公的な支援がないもと、「サージカルマスクを毎日取り換えられない」、「発熱者以外には布マスクで対応」といった状況がまん延し、介護職員は感染の恐怖におびえながら命がけで業務にあたっています。一刻も早く国が介護施設に防護具を供給してほしい。
また危険な状況下で支援を継続する職員に対して特別な手当を支給し、加速する離職を止めることも急務です。
受診も許されず
PCR検査の遅れは職員体制の維持・確保の障害ともなっています。私が管理者を務める施設でも、発熱した職員が保健所に対応を相談しましたが、PCR検査はおろか医療機関での通常の受診すら許されませんでした。熱が下がっても数日間、自宅待機を余儀なくされました。
介護現場は、連続する介護報酬の引き下げで、職員の月給は全産業平均より7万円以上低い状態に置かれ慢性的な人手不足。ぎりぎりの状態で運営しています。職員や利用者に体調不良者が出た場合、速やかにPCR検査や医療にかかれるようにすることは「介護崩壊」を防ぐうえで欠かせません。
特養ホームなどで陽性者や発症者が出ても入院できず入所を継続する事例が生まれています。本来、介護施設は医療体制が薄く、重度化リスクの高い高齢者が療養できる環境ではありません。速やかに入院できる環境を整えるべきです。
また、新型コロナ感染症は感染力が強く、介護施設が日常的に実践している感染防止策では対応できないと感じています。陽性者が出た場合、医師や保健師といった専門家を現場に派遣し、汚染された防護具の扱い方や陽性者と陰性者の接触を避けるゾーンの区分けの仕方など、各施設に即した感染防止策を実地で指導する対策をとっていただきたい。
多くの事業所が、国の要請を受けた通所介護の短時間化や、ショートステイの利用控え・受け入れ中止などで1~2割の減収になっています。このままでは経営悪化による事業所の縮小・閉鎖を招きかねません。介護サービス基盤の崩壊を何としても防ぐ必要があります。そのためには前年同月並みの収入が確保できるように公的補償が欠かせません。
桜、散り始めました。
そして、チューリップが
菜の花が
咲き始めました。(わたしの圃場ではありません)
今年は「菜の花祭り」も中止です。
でも、菜の花は昨年に植えてありますので、花は咲きます。
見に来てください。
わたしの農園にもお立ち寄りください。
ふき採りもできます。