日刊ゲンダイDIGITAL 2022/12/12
岸田内閣の支持率はジリ貧なのに、立憲民主党を筆頭に野党の支持率も上がらない。世間には「誰がやっても変わらない」という政治への諦めが広がっているが、そんな閉塞感を打破する動きが出てきた。
先週金曜(9日)の夜、東京・中野サンプラザで開かれたシンポジウム「ローカル・イニシアチブ・ミーティング」に東京の5人の自治体トップが出席した。小金井市の白井亨市長、中野区の酒井直人区長、世田谷区の保坂展人区長、多摩市の阿部裕行市長、杉並区の岸本聡子区長(写真左から)。いずれも自民党政治とは距離を置く新しいタイプの首長たちだ。
この集会を出発点として首長のネットワークで連携し、政策の共通化をはかり、来春の統一地方選に向け、新たな政治の選択肢を示していくという。集会には地方議員や立候補予定者ら30人も参加した。
民主主義の再構築が必要、といった議論の中、集会にリモートで参加した政治学者の中島岳志氏はこう発言。
■国政ではもう1つの船が出ていない
「野党は自公政権とは別の対立軸を示すべきだが、国政ではもう1つの船が出ていない。だから自公政権に皆、しがみついている。もう1つの選択肢が必要」
そして、保坂区長が「政権交代は必要だけど、政治の質が転換しない中で、自民党ではない自民党のような政治ではダメ」と、いまの国政への歯がゆさを見せ、「もう1つの船を出す」と宣言した。
コロナ禍で、自治体の政策の違いが命に直結することを目の当たりにし、首長の手腕への世論の関心は高まっている。保坂区長らは今後、全国に呼び掛け、賛同する立候補予定者を募っていくという。統一地方選の台風の目となるか。
統一選の前哨戦・茨城県議選は自民現有割れ 無所属加入で勢力維持か
来春の統一地方選の前哨戦として注目された茨城県議選(定数62)は11日に投開票された。
旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)問題や閣僚のドミノ辞任で岸田内閣の支持率が3割台に低迷する中、現有44議席の自民党は9減の35議席に後退した。
しかし改選前は3だった無所属は15人となり、自民推薦の無所属の2人も当選。今後、自民入りする可能性がある保守系候補も複数いて、改選前とほぼ同勢力を維持する見通しだ。
岸田内閣への反感を背景に議席を増やせるかが焦点だった立憲民主党は3人擁立も現有2議席の維持、共産党は現有2議席から1減に終わった。
日本維新の会は、初めて1議席を獲得。公明党は現有4議席、国民民主党が現有3議席を維持、参政党は議席を得られなかった。投票率は過去最低の38.54%。
* * * * *
泉房穂 明石市長に訊け!! ① 子ども応援しない国に未来はない【山岡淳一郎のニッポンの崖っぷち】
せっかくのチャンスをみすみす逃しているようだ。特に「立憲」の態度がふがいない。せっかく分裂して「国民民主党」の右派勢力が出ていったのに、さらに「分裂」か?もはや「立憲」を待つことに疲れてしまった。当面「立憲」無しでも革新勢力の結集を図っていくことだ。「国民」「維新」は論外だ。
サイボウズ青野社長が始めた「ヤシの実作戦」や泉房穂 明石市長の「子供応援」などと連携を図り、具体的に政策を前進させることが必要だと思う。
「ヤシノミ作戦」とは、選択的夫婦別姓や同性婚を進めない政治家をヤシノミのように落とすことで、結果として賛成する政治家を増やし、制度の早期実現を目指す活動です。