「しんぶん赤旗」2023年4月3日
岸田政権が2024年秋に狙う健康保険証の廃止とマイナンバーカードとの一本化に伴い、国民健康保険料(税)の滞納者がいきなり受診時の医療費を全額自己負担にされたり、役所での申請が難しい人が“無保険”状態になったりする事態が懸念されています。これでは安心して医療にかかれません。どういうことでしょうか。(松田大地)
国保は、加入者の大半を非正規雇用の労働者や年金生活者など低所得者が占めます。他の医療保険と比べ、同じ年収の4人家族で保険料が2倍にのぼるなど、高すぎる保険料が問題になっています。
保険料を支払いきれない滞納者に対し、徴収業務を担う市区町村は有効期間を1カ月や6カ月に限る「短期被保険者証」(短期証)を交付できます。短期証の人は全国で47万6千世帯(21年6月現在)です。さらに、1年以上滞納し「特別な事情」が無いと判断された場合は、保険証を返還させ、受診時の医療費をいったん全額負担させて、7~9割の給付分は後日に払い戻しとなる「資格証明書」に切り替えることになっています。
短期証廃止で
岸田政権はマイナンバーカードの普及ありきで、保険証の廃止に躍起です。今国会に出した関連法改定案では、保険証を廃止し、カードを取得していない人らに医療保険の「資格確認書」を設けることを盛り込みました。保険証の廃止に連動し、短期証の仕組みも廃止。資格証明書もなくなりますが、保険料滞納者に「全額負担」をさせる制裁は残します。
この短期証の廃止により、今後は滞納が1年未満でも、自治体の裁量で「全額負担」の制裁が科されることへの危惧の声があがっています。
厚生労働省の担当者は「(全額負担に)一律になることはない」と説明。自治体に「機械的運用」は行わず保険料の納付相談や「特別な事情」の有無の把握を行うよう周知する予定だといいます。しかし、自公政権が自治体に保険料徴収を競わせてきた結果、現場では職員による高圧的で乱暴な“相談”や、滞納者のなけなしの預貯金・家財道具を問答無用で差し押さえるケースが起きています。
「厚労省の説明では、これまでの運動で培ってきたものが担保されるかが非常に不明確です」。こう語るのは全国生活と健康を守る会連合会(全生連)の西野武事務局長です。「保険証の取り上げをやめさせ、医療を受ける権利を守ろうと運動を続け、いきなり全額負担にはせず滞納理由を親身に聞く場を設けさせたり、少額でも分割払いを認めさせたりしてきました。全額負担となる手前にあった短期証がなくなり、いきなり全額負担にされれば、滞納者の受診控えが深刻化するのは明らかです」
申請には“壁”
危惧されるのは、これだけではありません。マイナンバーカードの未取得者らが「資格確認書」を持つには、自分で申請しなければなりません。
現行の国保は、有効期間が切れれば加入者に新しい保険証を自動送付します。短期証も、初めての人には滞納分の支払いを促す手紙を送った上で自動送付する市区町村が大半です。しかし2回目以降は、多くが役所に呼び出して「納付相談」をしてから手渡します。
「実情を無視して強硬に納付を迫るなど、対応がきつい自治体では『窓口に行きたくない』と言う人も多い」と西野さん。そうしたなか、制度上は無保険ではないのに事実上、自身の子どもも含めて“無保険”状態になる事例が相次いできました。
保険料を払えない状況にある人にとって、資格確認書の申請にも高い“壁”があるのは容易に想像が付きます。
滞納していなくても、高齢者や障害のある人など、資格確認書を申請し取得に出向くのが困難な人は多くいます。確認書の有効期間は最長でも1年で、期限が切れれば再度の申請をしないといけません。
そうした事情に配慮せず保険証の廃止を強行すれば、カードも資格確認書もないという“無保険”状態の人が大量に生まれるのは明白です。現に、厚労省の担当者は、日本共産党の田村智子参院議員事務所による聞き取りの際、「申請が困難な人の、医療を受ける権利を守れるのか」という問いに、「それらの人に積極的に資格確認書を出す制度にはなっていない」と認めています。
加入者がカードも資格確認書もない状態かどうか、自治体が把握する必要がありますが、膨大な業務負担で混乱するのは必至です。
皆保険を破壊
西野さんは言います。「資格確認書が交付されず無保険になる人を生む仕組みは公的医療サービスを後退させ、国民皆保険制度を壊すことになります。従来の保険証は今後も使えるようにすべきです」
そもそも、個人情報の漏えいなどが不安でカードを取得したくないという人に対しても、資格確認書の発行申請を毎年させるとなれば、カード未取得への“嫌がらせ”としか言えません。あくまで任意であるカード取得を押し付けるやり方は許されません。保険証の廃止はやめるべきです。
「いらない命など一つもない」
「自公政権」が続くと、更に全年齢層での「じさつ」が増えそうです。
小学生の「じさつ」が過去最高とか、80代の超高齢者の「じさつ」とか、聞きたくないニュースばかりです。
これは「さつじん」ではないでしょうか!
「統一地方選挙」まともな選択を自・公・維新支持の国民にお願いしたい。
自公政権は、人命を何だと思っているのでしょうか?
あまりにひどいです!
維新の「身を切る改革」も、政治家の・・じゃなくて庶民の身を切っています!
まともな政治家を選ばないと、命が危ないです!
この国の政権は、人口を増やしたいのか、減らしたいのか、わけがわかりません・・。
私たちもころされるのではないか、と不安になります。
自公には、退場してもらわないと・・。
(・・;)