朝日新聞デジタル2021年5月30日
牛尾梓
新型コロナウイルスの感染拡大で、「産み控え」の傾向が顕著になっている。厚生労働省が25日に発表した今年1~3月期の人口動態統計速報によると、出生数は19万2977人で、前年同期と比べて9・2%減ったことがわかった。
これまでの政府の推計では、年間出生数が80万人を下回るのは2030年ごろと予測されていたが、少子化が急速に進み、今年は通年の出生数が過去最少を更新することがほぼ確実で、10年ほど前倒す形で80万人を割り込む見通しが高まってきた。
都道府県別では、東京都が2万860人(前年同期比14・1%減)で減少幅が最も大きかった。埼玉県が1万491人(同11・9%減)、千葉県が8843人(同11・0%減)と当初から感染者数の多かった首都圏を中心に、減少が目立った。
女性向け健康管理アプリ「ルナルナ」が昨年7~8月、10代以上の女性4173人を対象に行った調査では、「妊活を休止している」と答えた人の7割以上が「新型コロナが関係している」と回答。感染拡大で「産み控え」が進んだと見られる。
「妊活や不妊治療を続けている」と答えた人に、新型コロナによるネガティブな影響を問うと、「妊活や治療を続けることに不安を持った」(76・1%)、「医療機関から妊活や治療の延期をすすめられた」(13・5%)などの回答があった。
4月以降も出生数は減り続けるとみられ、昨年度の85万3214人を下回り、年間80万人を切る可能性が出てきた。80万人割れは現在の統計を取り始めた1899年以降初めてで、出生数が前年比25%減と激減した1966年の「丙午(ひのえうま)年」以降、最大の落ち込みになる。
人口問題など未来予測の研究をしている経済産業研究所の藤和彦コンサルティングフェローは、「女性は非正規雇用が多く、コロナ禍で解雇や雇い止めが増えたことも、ボディーブローのように効いてきている。ただ、出生数の激減はコロナをきっかけに、5倍、10倍の早さで顕在化したに過ぎず、元々先送りしてきた問題だ。これをきっかけに、早急に超少子高齢化社会に備えた社会システムをつくるしかない」と話した。
藤氏との詳しいやりとりは次の通り。
――新型コロナの感染拡大で出生数が激減しています。
コロナによって社会が変わったのではなく、元々見たくないと先送りしていた問題が、5倍、10倍のスピードで顕在化したという認識です。つまり一過性のものではなく、このトレンドはもう変わらないと思います。
世界的に「産み控え」が進んでいるので、国連の推計では2100年まで人口は増え続けるとしているが、下振れして2050年くらいから減り始めてもおかしくない。ただしこれは、コロナが引き金になったに過ぎません。都市化と女性の社会進出が進めば、どこの国でも出生率は下がります。20世紀は人口爆発の世紀と言われたが、21世紀は高齢化の世紀と言われている。メガトレンドのなかで、たまたまコロナの影響で大きく目立つ形になっていますが、これは世界的に避けられない傾向です。
――新型コロナで女性を中心に経済的に困窮するケースが増えています。
もちろん関係していると思います。女性の方が非正規雇用が多く、生活も不安定ですから。昨年、本来なら自殺率が高くない若者や女性の自殺数が増えたことも気になっています。(第3次産業、サービス業が経済活動の中心になる)「サービス経済化」に従事する不安定な身分の人たちに、コロナの影響が直撃している。これはボディーブローのように効いてくると思います。こういう状況では、子どもを産むこと自体がある意味「コスト」になり、メリットより大きく見えるのだと思います。
――この加速した少子高齢化の流れは一過性でないとすれば、どうしたら良いのでしょうか。
今後、日本は超少子高齢化で介護などを受けながら10年、20年かけて亡くなっていく「多死社会」になる。抜本的には、介護や育児など「ケア」に携わる人の待遇を改善し、そうした支える人が中心になる新しい社会システムを作るしかないと思います。
たとえば米国のバイデン政権は、経済対策として、福祉事業に4千億ドルを計上しています。米国の高齢化率は15%ほどで、すでに国連が定める「高齢化社会」になっています。「インフラ」と言ったときに、箱物ではなく、ケアを支える人の待遇改善など広い意味でのインフラに4千億ドルも予算を計上したのは、本当にすごいと思います。
高齢化で先行する日本こそが、先にやったらいい。ケアの仕事に就く人の数は必然的に増えるのだから、その人たちの所得が上がれば消費も増える、そうすれば経済は回っていきます。もっと人口動態を所与として、社会システムをつくるべきです。むしろ、少子高齢化でも回っていく社会システムを世界に提供するのが、日本の役割なんじゃないかと思っています。
――コロナが見直すきっかけになるでしょうか。
先送りしていた問題が急に顕在化して、政策当局は相当慌てている。早く社会を変革しなければいけない、という「ショック療法」になればいいと思っています。
今の日本は金融主導で労働市場が回っているので、人々の日常生活のために働く「エッセンシャルワーカー」の給料が低くなりがちな、ゆがんだ賃金体系になっている。全然持続可能ではない社会システムです。近い将来、大きな帳尻合わせが必要になるときが来ると思います。(牛尾梓)
今日の菜の花情報。
ほぼ、満開でしょう。
ツツジも満開です。
これは何の木かわかりません。実がなればわかると思いますが・・・
きのうはありがとうございました❣
黄色い花、茱萸だと思います。
合ってるか違ってるか、実が成ったら
教えてくださいね。
自然に生えてきたのでしたら、山グミではないかと思います。
「コロナで出生数激減…の先にある社会」についてですが、
ある自民党の議員が“日本は6千万が妥当な人口ではないか?” と発言したようです。
偽コロナも騙されながら非常事態宣言まで辿り着き、ついに最終手段のワクチン接種まできた。
人体実験ワクチンは不妊どころか本人もゾンビと化し、本当に半減の可能性がある。
ワクチンもいろいろと問題になっています。選択するのは自分です。よく考えてから行動してほしいです。