ときどき晴れ

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剣岳・チンネ  何で隣に登っているはずの左稜線が・・・・?

2005年09月25日 | バリエーション&アルパイン&登山
◆9月22日(木) 20:20
予定通り瞳ちゃんの運転するRAV4が我が家に到着した。
まず伊藤さんをピックアップし、向ヶ丘遊園駅で木田さんをピックアップした。

◆9月23日(金曜日)
 6:40 立山駅
 8:00 室堂
11:30 一服剣
13:00 前剣 
15:00 剣山頂(2998m)
16:00 山頂直下にて幕営

調布から中央高速にのり、上高地を抜けて立山駅前の駐車場に着いたのは、23日の3時過ぎ。車から荷物を下ろし、立山駅の庇の下にマットを引いて就寝。
朝一番(6:40発)のケーブルカーで美女木平らに向かい、美女木平からはバスに乗り換えて室堂に向かった。



■立山駅で座り込み朝食。

ここで最初の事件発生。
バスに乗るときに、別料金(300円)を取られてリュックを預けたのだが、室堂に着いたら、リュックのポケットに突っ込んであった、コンビに袋に入れたドリンク剤とゴミが紛失してるではないか。
係りの人に紛失してる旨話すと、この係りの対応がメチャクチャ悪い。
無ければ仕方がないと思って話していたのだが、係りの人の態度の悪さに頭着て朝から「スイッチON!」
室堂の駅長を呼びつけたが、これも対応が悪くて・・・。時間が無いので、帰りに寄ると怒鳴りつけ、とりあえず山へ。
                                


■剣御前小舎からみた 剣岳方面

天気予報では、悪くなる予報だったが、何と快晴。
山行は、天候で全然印象が変わるかな。
テント場までは、初めての本格登山の瞳ちゃんのペースで歩く。



■一服剣の山頂

瞳ちゃんのサポートは、伊藤さんに任せて、木田さんと俺は、いつものペースで歩き毎回二人を待ち長い休憩。途中、水を汲んだり瞳ちゃんの荷物を一部持ったりして我々の荷物が、重たくなっていたので、らくちんでよかった。


■いちごオーレを紙パックのまま持ってこないで下さい。さらに、左手には、気圧で吹きこぼれたヨーグルトですか・・・・。



■剣岳山頂。瞳ちゃんの目標達成。

テント場は、頂上直下から30分程歩いた場所に1張り分だか整地されている場所を発見。風の直接当たらずなかなか良い場所でした。



■早い夕食。

夕食は、食事担当の木田さんがカレーを作ってくれた。
俺は、早々に寝てしまったが、若い二人は、星を見てたらしい。
                             
◆9月24日(土曜日)

 5:00 テン場出発
 6:40 三の窓
 7:45 三の窓出発
 8:30 チンネ取付
12:35 T5  
12:53 核心部の小ハング
15:20 チンネの頭
17:00 テン場到着

今日も天気は快晴。
剣岳を代表するルートの一つである「チンネ 左稜線」を登るには最高の日和。
瞳ちゃんは、今日はテント番。
三の窓までは、踏み後も有り、前にも来た事があったので迷わず到着。
他に、チンネエリアでクライミングするパーティーはいなかったので貸切状態。

三の窓に到着してクライミングの準備を始めたら・・・・。
またまた、事件発生2!
ロープが無い!ロープ~~~~~。
俺はロープをテントに忘れてきてしまった。
ここまで来て、敗退する訳には行かない。
直ぐにテントに取りに戻る。池の谷ガリーを駆け上がり、きわどいトラバースを飛ぶように抜けて、朝は片道1時40分かかった道のりを往復1時間5分で行ってきた。スゲー疲れた。火事場のばか力。
                          
取りあえず、気を取り直してチンネ取り付けへ。
三の窓からチンネまでのアプローチはかなり酷く歩きづらい。

1ピッチ(15m Ⅲ級) 木田
Ⅲ級15m程度なので、木田さんにリードしてもらうことに。
何か難しそうに登っているので、「木田さんもⅢ級程度で詰まるようではダメだな。もう少しクライミングの練習しなければな。」などと伊藤さんと話していたのだけど・・・。
いざ登ってみると、これⅢ級??けっこう難しいよ!Ⅳ級以上はあるよ状態。



■Ⅳ級をⅢ級と信じて登る木田さん

2ピッチ(20m Ⅳ級)坂本
Ⅳ級なので、俺が登ることに。
登ると最後の辺りが、かなり悪い。またまたこれⅣ級??
ルートが分からず、小ハング下を左上方向に登り、フェイスに出たが、かなり際どいクライミングで草付きへ。
二人は、A0.

3ピッチ(20m Ⅳ級)伊藤
伊藤さん登るが、行き詰まり1時間程かかってしまった。
途中 ハーケンを打ち足しAOで抜ける。
俺は、フォローだったのでフリーで抜けたが、かなり際どい感じ。

ここで、流石になんかトポと余りにもグレードが違うしおかしいと言う事に。

左のルンゼの向こうに左稜線にある特徴的なピナクルが・・・・。
な!何で隣に左稜線があるの??
俺たちは何処登っているんだ・・・・。
どうやら、下部中央壁ベルニナルートを登ってきてるらしい。
1ピッチ目のⅢ級は、実はⅣ+&A0。
2ピッチ目のⅣ級は、Ⅳ+&A1
3ピッチ目は、築豊ルートのⅣ+A0

ルートを間違ったことは確かだが、もう降りれない。
今登っているルートのトポも無いが上部で左稜線につながっていそうだったので登ることに。

4ピッチ(40m)坂本
築豊ルートかクラックダイレクトか不明。
ルートが分からないしグレードが不明な為俺が登る。
ハーケンが無いカンテを小さいピナクルとカムで支点を作り登る。

5ピッチ(35m)木田
カンテからフェースを左上。
終了点らしきが見えたのと比較的ルートが分かりやすそうだったので、木田さん登場。
しかし、フェースがメチャクチャ悪い。
木田さんよく登った。核心部凄い気合の入った声が聞こえた時は、落ちた叫び声かと思いドキとした。



■この後、凄い気合で登った木田さん

6ピッチ(35m)坂本
やはり、グレードとルートが分からない所は危険なので、俺が登ることに。
5m程上ると左稜線に出たではないですか!
そのまま、T5までロープを伸ばす。

7ピッチ(35m Ⅴ級)坂本
今日の核心部。
ハングを乗り越えるのが核心。両方崖が切れ落ち凄い高度感。
完全にフリーで抜け、満足しているのも束の間。
青のロープが重い。「ロープ出して!」と叫ぶと。
「坂本さんハングの所でZクリップしてるよ~~~!」
え~~~。仕方が無いので無理やりロープを引っ張って登って行くと、支点まで3mのところで、今度は完全にロープがこない。下を見るとロープがフレークに挟まっている。
これでは登れないので、少しクライムダウンして、青のロープだけ外し近くの支点に結び、終了点へ。
青のロープは、伊藤さんに引っ張ってきてもらうことに。


■今日の核心部。左カンテからのハング越え。

8~11ピッチ
特に問題なく登り、無事チンネの頭に立ち終了。
チンネの頭からは、歩いて池の谷ガリーまで降りてテント場へ帰還。



■チンネ直下のテラスで片付け中。

夕食は、水の残りが700mlしかないので、シチューのみ作り、ご飯は中止。パンでしのぐ。
夜喉が渇くが、明日の行動用の水が無くなるので我慢。

◆9月25日(日曜日)

 5:00 テン場出発
11:00 室堂
12:30 立山
13:00 温泉&食事
14:30 富山出発
21:15 帰宅

今日は朝からガスっている。
しかし、適度な寒さで歩きやすい。
水は、一人200ml位づつに分けてしまい。
あとは、自己管理で飲むことに。
皆ちびちび飲んでいたのだが、俺の性格に合わない。
前剣で残りの水を一気に飲んでしまい、あとは下の山小屋まで我慢することに。
クロユリのコルの先まで4人で下山し。
そこからは、木田さんとダッシュ!
御前剣舎に着いたときは、喉カラカラ。400円のゲータレイドを一揆に飲んだ時の幸せなこと。
雷鳥坂からは、また木田さんと二人で駆け下りた。

今日の核心は、室堂駅の駅長とのバトル。
駅長のところに行くと、荷物は美女木平らのところにあったとのこと。
ただ平謝りの駅長。仕方ないので、帰りの荷物代を全員分タダにしてもらうことで手を打ちお終い。

帰るの車の運転は、瞳ちゃんと伊藤さんが運転してくれたので、俺はずーと後ろの席で、5時間近く寝かしてもらい、ラクチンでした。
でも、剣岳は遠いな。