◇◇◇ マッターホルン(Matterhorn) ヘルンリ稜下山編 ◇◇◇
■マッターホルン頂上 4478m ヘルンリ稜より単独登頂!
■頂上からヘルン小屋方向を見る。
マッターホルン(4476.4m)の頂上に登頂したのが16:18。
頂上には誰もいないので、セルフタイマーで記念写真を撮り早々に下山準備。
聖者の像の足元のアンカーにロープを掛けて懸垂降下開始。
俺の細いダブルロープは相変わらず絡みやがる。
絡んだロープが、アイゼンに引っかかるし・・・・。
25mの懸垂を終え、ロープの回収をしようとロープを引っ張るが全然ロープが流れてこない?
途中の岩にロープは引っかかっていないようなのに???
仕方ないので、聖者の像まで登り返してみることに。
ロープがこなかった理由は、アンカー部はロープを掛けられすぎて、ロープの形にアンカーが削れてしまっている為に、ロープが滑らなくなってしまっていた。
アンカーに付いてる、スリングに再度ロープを通して再懸垂。
今度は、ロープが回収出来た。
■聖者の像 足元のアンカーに直接ロープを掛けるとロープの回収が出来ません。
初めはきちんと懸垂で降りていたのだが、一人で4回も懸垂すると、段々ロープワークがめんどうになってきた。
高度障害のせいか、先ほどから少し気持ち悪いし。
50mのロープでは一回に25mしか懸垂できないし・・・・。
さらに、微妙に次の支点まで届かない所もあった。
山頂付近は、八ヶ岳の主稜のような感じなので、クライムダウン出来るところはクライムダウンで降りた方が早いので、核心意外は懸垂中止。
それでも、ソルベイ小屋(4003m)に着いたのは、19時過ぎ。
■ソルベイ非難小屋 4畳程度の広さ。右に少し写っているドアの向こうはトイレ。NorthFaceに垂れ流しです。
昼間と変わらないくらい、空は、まだまだ明るい。
ソルベイの非難小屋のベットに横になり少し休憩。
15分程休憩して、小屋にデポした荷物をリュックに詰め再度下山開始。
ソルベイ小屋の直下は本来懸垂降下しなければいけないのだが、右の方にトラバースしたらクライムダウン出来そうだったのでクライムダウンで降りてしまった。
これが、大失敗だった。
クライムダウンを開始したら意外にホールドが悪く、際どい状態。
さらに、左手で持ったダンボール程度の大きな岩が、持って体重をかけたら取れてしまった。
落ちた岩が少し左足に当たりかなり痛んだが、ここで落ちる訳にはいかない。
幸い右手はガバを持っていたので助かった。
その後は、ルートを完全外してしまい脆いガレ場を1時間程下った。
さらに雲が出てきたしまい、少しすると雪が降り出してきた。
雪で濡れた岩場を必死で降りたが、いよいよ雷が鳴り出し危険な状態。
ソルベイ非難小屋に泊まればよかったと後悔するが、後の祭りだ。
ビバーグ出来そうな場所がない。
雷が出てきたとたんに、空は明るさを急速に失い暗くなる。
どこかにビバーグ出来る場所はないか、必死で探す。
スント(高度計付時計)は、標高3760mをさしている。
ヘルンリ小屋3260mまでは、2時間かからないのに・・・・。
でも、多分下山ルートも外しているので、ビバーグ出来る場所を探すしかない。
3700mまで降りてきた所に、岩陰発見。
時間は、20:20。
斜面側に小さなテーブルのような岩があり、大きさは人が一人はまるだけの小さな岩陰だが、なかなか居心地よさそう。
早速もぐりこみ、レインの下を着てビバーグ準備。
まず、リュックの中身を背中側の両方のクラックに突っ込み空にして座布団にした。
ビバーグツエルトを膝からしたに掛けて、ロープを枕に準備完了。
圧縮袋に薄手のダウンを持ってきていたので着込んだら落ち着いた。
しかし、高度障害のせいか食欲がない。
BCAAとブドウ糖を大量に溶かしこんだ、甘い水も気持ち悪い。
普通の水が飲みたい・・・。
雷はどんどん酷くなってきた。
しかし、疲れのせいか直ぐに眠ってしまった。
■岩陰でビバーグ中
0:20 目が覚めると、雲はなくなりツエルマットの街の夜景が見える。
満天の星空とツエルマットの夜景が素晴らしく綺麗だ。
少し冷えてきたので、レスキューシートを出して下半身に巻いた。
レスキューシートなんて一生使わないと思っていたけど、持ってきてよかった。
意外に暖かい。
遠くの山の方では、まだ雷がなっている。
携帯を見るとぷちゃんからメールが入っていた。
かなり心配しているようだ。
返事を書いてからまた熟睡してしまった。
目が覚めたら、4時前だった。
まだ、真っ暗で日の出まで2時間ほどある。
小さいテーブルのような岩によりかかり、ヘルンリ小屋の方を見下ろすと、明かりがちらほら登って来てる。
5~6パーティ登って来てるようだ。
小さい光が徐々に登ってくる間にまた寝てしまい。
次に目が覚めたら明るくなってきていた。
時間は、5:30頃
先ほどのパーティが30m位左の方を登って行くのが見える。
違うパーティは、40m位左を登って行ってる。
かなりルートを外してしまっているよだ。
6時には、再度下山開始。
先ずは、正規ルートに戻らなくては。
クライムダウンしながら、正規ルートの方に向かったその時。
また、やってしまった。
3m位のクライムダウン中、左足の岩が動いた。
「やばいと!」と思ったが、リカバー出来ず。
左足の岩が落ちた。
その途端両手の岩も剥がれて、背中から落ちた。
斜面を2回転ほど転がり、岩に引っかかり止った。
背中のリュックから落ちたので幸い怪我しなかった。
ただ、落下を止めようと手のひらで岩を叩いたので手のひらが痛い。
しかし、指だけ出てる皮の手袋をしてたので、手のひらも痛いだけで怪我はなかった。
落ちた所は、剣の三の窓に下る所のガレ場のようなところかな。
その後、足が震えて上手く降りれなくなってしまった。
さらに、ルートも間違ったままの状態が続いた。
3600m付近でとうとう、20m程度の崖に出てしまい行き詰る。
左の方を探すと岩に6本程スリングが岩に掛けて支点が作られてあった。
他にも間違った人がいるらしい。
取りあえず、懸垂降下して、正規ルートを探しているとまた懸垂支点があった。
懸垂の準備をしていると5m程左上から「Here!」と声が、
声の方向を見るとフランス人のガイドが指をさし、「Here!」「Here!」と正しいルートを教えてくれた。
教えたくれたルートに戻ると、上からどんどんパーティがおりてくる。
どうやら、今日は天気が悪くなるので途中まで行って全てのパーティが下山してきているらしい。
■無事戻った正規ルート(3500m付近)。 岩の向こうにヘルンリ小屋が見える。
正規ルートから、先ほど懸垂しようとした場所を見ると鳥肌がたった。
なぜなら、懸垂で降りたところから先にルートがない・・・・・。
3600m付近より下で懸垂する必要はないので、もし懸垂するようなことになったらそれはルートを外しています。
North Face側にトラバースして正規ルートを探しましょう。
その後は、ガイドパーティに混ざり難なく下山。
7:30ヘルンリ小屋到着。
■無事ヘルンリ小屋に到着。しかしやばかった・・・・。
ぷちゃんに下山報告をして、早々にSchwarzseeのロープ乗り場に下山。
■マッターホルン頂上 4478m ヘルンリ稜より単独登頂!
■頂上からヘルン小屋方向を見る。
マッターホルン(4476.4m)の頂上に登頂したのが16:18。
頂上には誰もいないので、セルフタイマーで記念写真を撮り早々に下山準備。
聖者の像の足元のアンカーにロープを掛けて懸垂降下開始。
俺の細いダブルロープは相変わらず絡みやがる。
絡んだロープが、アイゼンに引っかかるし・・・・。
25mの懸垂を終え、ロープの回収をしようとロープを引っ張るが全然ロープが流れてこない?
途中の岩にロープは引っかかっていないようなのに???
仕方ないので、聖者の像まで登り返してみることに。
ロープがこなかった理由は、アンカー部はロープを掛けられすぎて、ロープの形にアンカーが削れてしまっている為に、ロープが滑らなくなってしまっていた。
アンカーに付いてる、スリングに再度ロープを通して再懸垂。
今度は、ロープが回収出来た。
■聖者の像 足元のアンカーに直接ロープを掛けるとロープの回収が出来ません。
初めはきちんと懸垂で降りていたのだが、一人で4回も懸垂すると、段々ロープワークがめんどうになってきた。
高度障害のせいか、先ほどから少し気持ち悪いし。
50mのロープでは一回に25mしか懸垂できないし・・・・。
さらに、微妙に次の支点まで届かない所もあった。
山頂付近は、八ヶ岳の主稜のような感じなので、クライムダウン出来るところはクライムダウンで降りた方が早いので、核心意外は懸垂中止。
それでも、ソルベイ小屋(4003m)に着いたのは、19時過ぎ。
■ソルベイ非難小屋 4畳程度の広さ。右に少し写っているドアの向こうはトイレ。NorthFaceに垂れ流しです。
昼間と変わらないくらい、空は、まだまだ明るい。
ソルベイの非難小屋のベットに横になり少し休憩。
15分程休憩して、小屋にデポした荷物をリュックに詰め再度下山開始。
ソルベイ小屋の直下は本来懸垂降下しなければいけないのだが、右の方にトラバースしたらクライムダウン出来そうだったのでクライムダウンで降りてしまった。
これが、大失敗だった。
クライムダウンを開始したら意外にホールドが悪く、際どい状態。
さらに、左手で持ったダンボール程度の大きな岩が、持って体重をかけたら取れてしまった。
落ちた岩が少し左足に当たりかなり痛んだが、ここで落ちる訳にはいかない。
幸い右手はガバを持っていたので助かった。
その後は、ルートを完全外してしまい脆いガレ場を1時間程下った。
さらに雲が出てきたしまい、少しすると雪が降り出してきた。
雪で濡れた岩場を必死で降りたが、いよいよ雷が鳴り出し危険な状態。
ソルベイ非難小屋に泊まればよかったと後悔するが、後の祭りだ。
ビバーグ出来そうな場所がない。
雷が出てきたとたんに、空は明るさを急速に失い暗くなる。
どこかにビバーグ出来る場所はないか、必死で探す。
スント(高度計付時計)は、標高3760mをさしている。
ヘルンリ小屋3260mまでは、2時間かからないのに・・・・。
でも、多分下山ルートも外しているので、ビバーグ出来る場所を探すしかない。
3700mまで降りてきた所に、岩陰発見。
時間は、20:20。
斜面側に小さなテーブルのような岩があり、大きさは人が一人はまるだけの小さな岩陰だが、なかなか居心地よさそう。
早速もぐりこみ、レインの下を着てビバーグ準備。
まず、リュックの中身を背中側の両方のクラックに突っ込み空にして座布団にした。
ビバーグツエルトを膝からしたに掛けて、ロープを枕に準備完了。
圧縮袋に薄手のダウンを持ってきていたので着込んだら落ち着いた。
しかし、高度障害のせいか食欲がない。
BCAAとブドウ糖を大量に溶かしこんだ、甘い水も気持ち悪い。
普通の水が飲みたい・・・。
雷はどんどん酷くなってきた。
しかし、疲れのせいか直ぐに眠ってしまった。
■岩陰でビバーグ中
0:20 目が覚めると、雲はなくなりツエルマットの街の夜景が見える。
満天の星空とツエルマットの夜景が素晴らしく綺麗だ。
少し冷えてきたので、レスキューシートを出して下半身に巻いた。
レスキューシートなんて一生使わないと思っていたけど、持ってきてよかった。
意外に暖かい。
遠くの山の方では、まだ雷がなっている。
携帯を見るとぷちゃんからメールが入っていた。
かなり心配しているようだ。
返事を書いてからまた熟睡してしまった。
目が覚めたら、4時前だった。
まだ、真っ暗で日の出まで2時間ほどある。
小さいテーブルのような岩によりかかり、ヘルンリ小屋の方を見下ろすと、明かりがちらほら登って来てる。
5~6パーティ登って来てるようだ。
小さい光が徐々に登ってくる間にまた寝てしまい。
次に目が覚めたら明るくなってきていた。
時間は、5:30頃
先ほどのパーティが30m位左の方を登って行くのが見える。
違うパーティは、40m位左を登って行ってる。
かなりルートを外してしまっているよだ。
6時には、再度下山開始。
先ずは、正規ルートに戻らなくては。
クライムダウンしながら、正規ルートの方に向かったその時。
また、やってしまった。
3m位のクライムダウン中、左足の岩が動いた。
「やばいと!」と思ったが、リカバー出来ず。
左足の岩が落ちた。
その途端両手の岩も剥がれて、背中から落ちた。
斜面を2回転ほど転がり、岩に引っかかり止った。
背中のリュックから落ちたので幸い怪我しなかった。
ただ、落下を止めようと手のひらで岩を叩いたので手のひらが痛い。
しかし、指だけ出てる皮の手袋をしてたので、手のひらも痛いだけで怪我はなかった。
落ちた所は、剣の三の窓に下る所のガレ場のようなところかな。
その後、足が震えて上手く降りれなくなってしまった。
さらに、ルートも間違ったままの状態が続いた。
3600m付近でとうとう、20m程度の崖に出てしまい行き詰る。
左の方を探すと岩に6本程スリングが岩に掛けて支点が作られてあった。
他にも間違った人がいるらしい。
取りあえず、懸垂降下して、正規ルートを探しているとまた懸垂支点があった。
懸垂の準備をしていると5m程左上から「Here!」と声が、
声の方向を見るとフランス人のガイドが指をさし、「Here!」「Here!」と正しいルートを教えてくれた。
教えたくれたルートに戻ると、上からどんどんパーティがおりてくる。
どうやら、今日は天気が悪くなるので途中まで行って全てのパーティが下山してきているらしい。
■無事戻った正規ルート(3500m付近)。 岩の向こうにヘルンリ小屋が見える。
正規ルートから、先ほど懸垂しようとした場所を見ると鳥肌がたった。
なぜなら、懸垂で降りたところから先にルートがない・・・・・。
3600m付近より下で懸垂する必要はないので、もし懸垂するようなことになったらそれはルートを外しています。
North Face側にトラバースして正規ルートを探しましょう。
その後は、ガイドパーティに混ざり難なく下山。
7:30ヘルンリ小屋到着。
■無事ヘルンリ小屋に到着。しかしやばかった・・・・。
ぷちゃんに下山報告をして、早々にSchwarzseeのロープ乗り場に下山。
◇◇◇ マッターホルン(Matterhorn) ヘルンリ稜単独登頂 ◇◇◇
10:12ヘルンリ小屋到着。
天気は快晴。暑いくらいだ。
多分19時過ぎまでは良い天気が続くだろう。
アルペンセンターの天気情報では、明日から一気に下り坂。
一番厄介なのは、風だ。
今日一杯は頂上付近もほぼ無風なのだが、明日からはかなり強くなるらしい。
本当なら、今日はマッターホルンの下見クライミングだけで、明日、未明から頂上アタックかけたかったのだが、無理してでも今日行くしかない。
マッターホルンの天気の傾向は、夕方から雲が1~2時間悪くなり雷雲が発生する。
その後は、すぐに晴れるようです。
雲は、WEST FACE側からきてEAST FACE側に広がってくる。
ヘルンリ稜は、EAST FACEとNORTH FACEの間だから、雲が広がりだしてからでも対応は間に合う。
単独行動なので、ソルベイまで2.5H。
ソルベイから頂上までも2.5H。
下山4.5Hで行けるだろう。
下山予定目標は、19:30。
よし行ける。GOだ!
■マッターホルン取付。右の方の尖った三角の岩の上の辺り。
10:20 ヘルンリ小屋から上に抜けると取付なのだが、早速間違えてしまいキャンプ場の方に来てしまった。
早速ロスタイム発生。
取付左側に、大きな銅版プレートが張ってあり、ロープもあるのでわかりやすい。
3級程度の岩を4m程ロープを使い左上して、さらに左方向にトラバースする。
トラバースしてからも、踏み後もしっかりしていて北アルプスの一般登山道と変わらない。
その先も所々小さなケルンがあり、ルートはわかりやすい。
しかし、これが朝早くでヘッテンだけだとチョット不安かも?
その先は、東フェイスをジグザグに登る。
北穂高をキレット側から登っているような雰囲気。
何となく踏み後もあり、「何だ、こんな感じなら楽勝だ!」と余裕をだしてみる。
小一時間程度登ると、クーロワールになり、クーロワールを左から右へ乗り越えると稜線にロープが張ってある。
ここで、早くも下山してきているパーティとすれ違う。
クーロワールを過ぎると、広いフェイス(多分3400~3500m付近)になりルートがいよいよ分からなくなってきた。
この辺から、ルートを探すのに時間がかかりだしてきた。
【クーロアール】couloir{F}
峡谷、回廊。傾斜が急で、深い岩溝。リンネ(ガリー)の急峻なものをいう。ルンゼにちかい中間のもの。
適当に直登していたら、もっとこっちだと上から下山してきたガイドが声をかけてくれた。
声の方向を見たらかなり左の方が正規ルートらしい。
しかし、ルートの難易度は2級程度なのバリエーションをやっている人や谷川に行っている人なら、アプローチ程度。
下手すれば、谷川岳一の倉沢のアプローチの方が大変かも。
剣の北方稜線のようにたまに高度感のあるところが出てくる程度かな。
■核心部には、ロープ(全部で4箇所くらいかな?)が有り、ピンも打ってある。
ソルベイ非難小屋までに、5パティー位すれ違った。
数人から「今から登るのか?」とか「一人か?」みたいな事を声かけられた。
3800m付近のツルムに昔の小屋の残骸があった。
【ツルム】岩稜上に突き出た岩塔の事。
ツルムを過ぎるとソルベイ小屋が見えてくる。
ソルベイ小屋直下の「モズレイスラブ」にはワイヤーが張ってあり支点もある。
ソルベイ小屋直下は、懸垂で込んでいたので、小屋の左の方の岩を登ってしまった。3級程度の6m位の壁かな。
■3600mまでこんな感じの所が数箇所出てくる。(左) ■3600mの広いガレ場のようなフェイスのような所を登る。この辺が一番間違えやすい。
■ソルベイ小屋直下の支点とワイヤー。 ■小屋の内部。毛布が2枚あった。
13:05ソルベイ小屋(4003m)到着。
予定より時間がかかってしまった。
昼に登ってもルートを何回か間違ってしまった。
小屋のNORTH FACE側は、トイレなってしまっていてかなり汚い。
小屋の中には、2段ベットと毛布が2枚、非常用の無線機、誰かが忘れたオーバーパンツ、ジャケットがあった。
中にはトイレがあったが、のぞくとNORTH FACEが下の方まで見えた。
シュヴァルツゼーから休憩無し登ってきたので、少し休む事に。
天候もまだまだ安定していて崩れる気配ないし。
目だった高度障害も出てこない。
でも、少し胃がムカック。
一応小屋のベッドに横になり、毛布もかけて寝てみた。
なかなか良い感じです。
眠れたら30分位寝てしまおうかな・・・・。
ベッドに横になり携帯食を食べていたら、突然フランス人ガイドが小屋を覗き込んできて驚いてしまった。
もう誰もいないと思ってたから。
その後、誰もいない小屋で何か横になってるのも気まずくなり、出発準備をする事に。
13:30食料や余計な荷物を小屋にデポして出発。
少し登ると日本人2人のパーティが降りてきた。
2人ともツエルマットで働いているらしい。
俺が一人で登っている事に、かなり驚いていて下山したら立ち寄ってくれと名前と場所を聞いたが下山する頃には、すっかり忘れてしまった。
■Oberer Mosely Platte ロープが張ってある。(Ⅲ級) ■The Shoulder(肩)今年は暖かいので雪がない。支点が沢山ある。
ソルベイ小屋の左奥のOberer Mosely Platte を登ると、The Shoulderに出る。
この辺からアイゼンを覚悟していたのだが、写真の通り全然雪が無い。
支点が、20m間隔で100m位打ってある。
ここで、本当に最後のパーティとすれ違った。
ガイドと女性のパーティで見るからに手こずっている。
ガイドが後一時間位だと教えてくれた。
The Shoulderを過ぎると、3~4級程度の急な岩になった。
ロープが張ってあるが、思ったより大変だった。
高度感も凄くなってきた。
これを越えると、いよいよ氷と雪がでてきた。
■North Face側に出る。4300m付近 ■支点にぶら下りアイゼン装着。氷は意外に固い。
4300mいよいよ頂上も近い。
急な斜面だが、ジグザグに踏み後があり、ここは思ってたより危険ではなかった。
上を見上げると、誰かが頂上から俺を見下ろしている。
先ほどすれ違ったガイドは、俺たちが最後だと言ってたのに・・・・。
イタリア側から登ってきた人かな?
少し登ってが、誰かがまだ頂上から俺を見下ろしている。
何か怖くなってきた・・・・・。
マッターホルンの亡霊かも・・・・・。
怖いけど登っていったら、のぞいていたのは・・・・
スイス側頂上にある「聖者の像」でした。
本当に怖かったよ。
■頂上直下の最後の登り。 ■頂上から登ってきたヘルンリ稜を見下ろす。
■マッターホルン頂上。イタリア側頂上の十字架が見える。
16:18 Matterhorn単独登頂!
頂上には、当然誰もいない。
セルフタイマーで記念写真を撮るが、なかなか上手く撮れない。
頂上は無風。日差しも暖かく気持ち良い。
モンテ・ローザやモンブランも見える。
ここが、夢のマッターホルンの頂上だ。
山岳会の個人紹介欄にも「何時かマッターホルンを登るのが夢です。」と書いていた。
社内報にも「何時かマッターホルンを登るのが夢です。」紹介されていた。
この山の頂上に立つために、アルパインクライミングを本格的に始めたのが、遠い昔に思える。
今夢がかなった!
しかも、単独登頂だなんて本当に幸せだ。
今まで、俺とザイルを組んでくれた仲間に感謝したい。
なんちゃって登山隊のぷっちゃんや仲間、club8.5φ、ZCC、クラハイの多くの仲間の応援が本当に励みになりました。
皆ありがとう。
そして、俺をはじめて、アルパインに連れて行ってくれた、どんぐりの永井氏に、また山であえたらこの報告をしたい。
■検索用キーワード
マッターホルン登山
マッターホルン登頂
マッターホルン ヘルンリ小屋
10:12ヘルンリ小屋到着。
天気は快晴。暑いくらいだ。
多分19時過ぎまでは良い天気が続くだろう。
アルペンセンターの天気情報では、明日から一気に下り坂。
一番厄介なのは、風だ。
今日一杯は頂上付近もほぼ無風なのだが、明日からはかなり強くなるらしい。
本当なら、今日はマッターホルンの下見クライミングだけで、明日、未明から頂上アタックかけたかったのだが、無理してでも今日行くしかない。
マッターホルンの天気の傾向は、夕方から雲が1~2時間悪くなり雷雲が発生する。
その後は、すぐに晴れるようです。
雲は、WEST FACE側からきてEAST FACE側に広がってくる。
ヘルンリ稜は、EAST FACEとNORTH FACEの間だから、雲が広がりだしてからでも対応は間に合う。
単独行動なので、ソルベイまで2.5H。
ソルベイから頂上までも2.5H。
下山4.5Hで行けるだろう。
下山予定目標は、19:30。
よし行ける。GOだ!
■マッターホルン取付。右の方の尖った三角の岩の上の辺り。
10:20 ヘルンリ小屋から上に抜けると取付なのだが、早速間違えてしまいキャンプ場の方に来てしまった。
早速ロスタイム発生。
取付左側に、大きな銅版プレートが張ってあり、ロープもあるのでわかりやすい。
3級程度の岩を4m程ロープを使い左上して、さらに左方向にトラバースする。
トラバースしてからも、踏み後もしっかりしていて北アルプスの一般登山道と変わらない。
その先も所々小さなケルンがあり、ルートはわかりやすい。
しかし、これが朝早くでヘッテンだけだとチョット不安かも?
その先は、東フェイスをジグザグに登る。
北穂高をキレット側から登っているような雰囲気。
何となく踏み後もあり、「何だ、こんな感じなら楽勝だ!」と余裕をだしてみる。
小一時間程度登ると、クーロワールになり、クーロワールを左から右へ乗り越えると稜線にロープが張ってある。
ここで、早くも下山してきているパーティとすれ違う。
クーロワールを過ぎると、広いフェイス(多分3400~3500m付近)になりルートがいよいよ分からなくなってきた。
この辺から、ルートを探すのに時間がかかりだしてきた。
【クーロアール】couloir{F}
峡谷、回廊。傾斜が急で、深い岩溝。リンネ(ガリー)の急峻なものをいう。ルンゼにちかい中間のもの。
適当に直登していたら、もっとこっちだと上から下山してきたガイドが声をかけてくれた。
声の方向を見たらかなり左の方が正規ルートらしい。
しかし、ルートの難易度は2級程度なのバリエーションをやっている人や谷川に行っている人なら、アプローチ程度。
下手すれば、谷川岳一の倉沢のアプローチの方が大変かも。
剣の北方稜線のようにたまに高度感のあるところが出てくる程度かな。
■核心部には、ロープ(全部で4箇所くらいかな?)が有り、ピンも打ってある。
ソルベイ非難小屋までに、5パティー位すれ違った。
数人から「今から登るのか?」とか「一人か?」みたいな事を声かけられた。
3800m付近のツルムに昔の小屋の残骸があった。
【ツルム】岩稜上に突き出た岩塔の事。
ツルムを過ぎるとソルベイ小屋が見えてくる。
ソルベイ小屋直下の「モズレイスラブ」にはワイヤーが張ってあり支点もある。
ソルベイ小屋直下は、懸垂で込んでいたので、小屋の左の方の岩を登ってしまった。3級程度の6m位の壁かな。
■3600mまでこんな感じの所が数箇所出てくる。(左) ■3600mの広いガレ場のようなフェイスのような所を登る。この辺が一番間違えやすい。
■ソルベイ小屋直下の支点とワイヤー。 ■小屋の内部。毛布が2枚あった。
13:05ソルベイ小屋(4003m)到着。
予定より時間がかかってしまった。
昼に登ってもルートを何回か間違ってしまった。
小屋のNORTH FACE側は、トイレなってしまっていてかなり汚い。
小屋の中には、2段ベットと毛布が2枚、非常用の無線機、誰かが忘れたオーバーパンツ、ジャケットがあった。
中にはトイレがあったが、のぞくとNORTH FACEが下の方まで見えた。
シュヴァルツゼーから休憩無し登ってきたので、少し休む事に。
天候もまだまだ安定していて崩れる気配ないし。
目だった高度障害も出てこない。
でも、少し胃がムカック。
一応小屋のベッドに横になり、毛布もかけて寝てみた。
なかなか良い感じです。
眠れたら30分位寝てしまおうかな・・・・。
ベッドに横になり携帯食を食べていたら、突然フランス人ガイドが小屋を覗き込んできて驚いてしまった。
もう誰もいないと思ってたから。
その後、誰もいない小屋で何か横になってるのも気まずくなり、出発準備をする事に。
13:30食料や余計な荷物を小屋にデポして出発。
少し登ると日本人2人のパーティが降りてきた。
2人ともツエルマットで働いているらしい。
俺が一人で登っている事に、かなり驚いていて下山したら立ち寄ってくれと名前と場所を聞いたが下山する頃には、すっかり忘れてしまった。
■Oberer Mosely Platte ロープが張ってある。(Ⅲ級) ■The Shoulder(肩)今年は暖かいので雪がない。支点が沢山ある。
ソルベイ小屋の左奥のOberer Mosely Platte を登ると、The Shoulderに出る。
この辺からアイゼンを覚悟していたのだが、写真の通り全然雪が無い。
支点が、20m間隔で100m位打ってある。
ここで、本当に最後のパーティとすれ違った。
ガイドと女性のパーティで見るからに手こずっている。
ガイドが後一時間位だと教えてくれた。
The Shoulderを過ぎると、3~4級程度の急な岩になった。
ロープが張ってあるが、思ったより大変だった。
高度感も凄くなってきた。
これを越えると、いよいよ氷と雪がでてきた。
■North Face側に出る。4300m付近 ■支点にぶら下りアイゼン装着。氷は意外に固い。
4300mいよいよ頂上も近い。
急な斜面だが、ジグザグに踏み後があり、ここは思ってたより危険ではなかった。
上を見上げると、誰かが頂上から俺を見下ろしている。
先ほどすれ違ったガイドは、俺たちが最後だと言ってたのに・・・・。
イタリア側から登ってきた人かな?
少し登ってが、誰かがまだ頂上から俺を見下ろしている。
何か怖くなってきた・・・・・。
マッターホルンの亡霊かも・・・・・。
怖いけど登っていったら、のぞいていたのは・・・・
スイス側頂上にある「聖者の像」でした。
本当に怖かったよ。
■頂上直下の最後の登り。 ■頂上から登ってきたヘルンリ稜を見下ろす。
■マッターホルン頂上。イタリア側頂上の十字架が見える。
16:18 Matterhorn単独登頂!
頂上には、当然誰もいない。
セルフタイマーで記念写真を撮るが、なかなか上手く撮れない。
頂上は無風。日差しも暖かく気持ち良い。
モンテ・ローザやモンブランも見える。
ここが、夢のマッターホルンの頂上だ。
山岳会の個人紹介欄にも「何時かマッターホルンを登るのが夢です。」と書いていた。
社内報にも「何時かマッターホルンを登るのが夢です。」紹介されていた。
この山の頂上に立つために、アルパインクライミングを本格的に始めたのが、遠い昔に思える。
今夢がかなった!
しかも、単独登頂だなんて本当に幸せだ。
今まで、俺とザイルを組んでくれた仲間に感謝したい。
なんちゃって登山隊のぷっちゃんや仲間、club8.5φ、ZCC、クラハイの多くの仲間の応援が本当に励みになりました。
皆ありがとう。
そして、俺をはじめて、アルパインに連れて行ってくれた、どんぐりの永井氏に、また山であえたらこの報告をしたい。
■検索用キーワード
マッターホルン登山
マッターホルン登頂
マッターホルン ヘルンリ小屋
◇◇◇ マッターホルン(Matterhorn) ヘルンリ小屋へのアプローチ ◇◇◇
■Schwarzsee(2589m)から見たMatterhorn。
7時から始まる予定の朝食が始まったのが、7:30過ぎ。
これでは、8時始発のFuri(1886m)~Schwarzsee(2589m)のロープウェイをには間に合わない。
結局、Schwarzsee(2589m)に着いたのは8:30過ぎ。
通常マッターホルンを登る場合、前日にはヘルンリ小屋(Hornlihiitte 3260m)に宿泊して、4時には登攀を開始する。
俺も予定では、今日はヘルンリ小屋まで行き、時間の許すかぎりMatterhornのルート下見をする予定だった。
しかし、昨日のアルペンセンターの情報では、明日から天候が悪くなるとの事。
明後日の頂上での風速は、30m/sになるらしい。
今日を逃がしたら、Matterhornを登る事は出来ない。
Zermattは、21時過ぎ迄明るいので、今から登っても12時間は明るいはずだ。
天気もかなりいいので今日Matterhornの頂上まで行くことにした!
今朝のホテルでの出遅れを少しでも取り戻そうと、ヘルンリ小屋までの快適に整備された登山道をガンガン飛ばして、ハイカーをブッチギリ、10時過ぎにはヘルンリ小屋に到着。
Schwarzsee~Hornlihiitte間を1時間30分程度で到着。
でも、疲れた・・・・。
やばい、こんな所で疲れている場合じゃないのに・・・・。
■ロープウエィ降り場直下にあるSchwarzsee(黒い湖)と礼拝堂。
■快適に整備された登山道(左) ■崖に取り付けられたスチールの階段と登山道。(右)
■崖を越えると登山道は右側に出る。(左) ■ガレ場のような風景になると、ヘルンリ小屋が見えてくる。(右)
■Schwarzsee(2589m)から見たMatterhorn。
7時から始まる予定の朝食が始まったのが、7:30過ぎ。
これでは、8時始発のFuri(1886m)~Schwarzsee(2589m)のロープウェイをには間に合わない。
結局、Schwarzsee(2589m)に着いたのは8:30過ぎ。
通常マッターホルンを登る場合、前日にはヘルンリ小屋(Hornlihiitte 3260m)に宿泊して、4時には登攀を開始する。
俺も予定では、今日はヘルンリ小屋まで行き、時間の許すかぎりMatterhornのルート下見をする予定だった。
しかし、昨日のアルペンセンターの情報では、明日から天候が悪くなるとの事。
明後日の頂上での風速は、30m/sになるらしい。
今日を逃がしたら、Matterhornを登る事は出来ない。
Zermattは、21時過ぎ迄明るいので、今から登っても12時間は明るいはずだ。
天気もかなりいいので今日Matterhornの頂上まで行くことにした!
今朝のホテルでの出遅れを少しでも取り戻そうと、ヘルンリ小屋までの快適に整備された登山道をガンガン飛ばして、ハイカーをブッチギリ、10時過ぎにはヘルンリ小屋に到着。
Schwarzsee~Hornlihiitte間を1時間30分程度で到着。
でも、疲れた・・・・。
やばい、こんな所で疲れている場合じゃないのに・・・・。
■ロープウエィ降り場直下にあるSchwarzsee(黒い湖)と礼拝堂。
■快適に整備された登山道(左) ■崖に取り付けられたスチールの階段と登山道。(右)
■崖を越えると登山道は右側に出る。(左) ■ガレ場のような風景になると、ヘルンリ小屋が見えてくる。(右)
■到着した時のMatterhorn
早速、ハードスケジュールの開始です。
高度順応の為にお手軽に一番高い所まで行ける、「クライン・マッターホルンklein Matterhorn 3883m」へ。
ホテルはまだチェックイン出来ないので荷物は持ったままの移動。
バーンホフ通りを歩く事15分でロープウェイの駅に到着。
チケット売り場でスイスパスを見せて、「klein Matterhorn」駅までの往復チケットを買った。
料金はスイスパスで50%OFFになったので42.00sfr。(1sfr=95円)
途中乗り換えを「Furi」と「Trockener Steg」で2回すると、「klein Matterhorn」駅に到着。
乗り換えは、2~3分程度の簡単なもので、頂上までの時間は、25分程度かな?
「klein Matterhorn」に向かう人は余りいなく、登りのゴンドラはガラガラでした。
しかし、下りのゴンドラはスキーヤーで超満員状態。
■尖った所が、「klein Matterhorn駅 3883m」 左の山が「Breithorn 4165m」
■ゴンドラから見たウンタラーテオドール氷河
ゴンドラを降りて、トンネルを2分程登るとそこは、広いスキー場。
アイゼンとピッケルなど必要な物を素早く用意して、余計な荷物はトンネル出口のスキースタンドに縛りつけて直ぐに出発。
正面のリフトの下を5分程歩くと「Breithorn 4165m」の登山道入り口があった。
踏み後もしっかりしていてわかり易い。
ロープウェイの最終が16:30なので行ける所まで行くことに。
しかし、急に雲が出てきて雷も鳴り出したので仕方なく途中で戻ることに。
一気に高度上げたのに意外に高度障害が出ない。
ロープウェイ乗り場の前にある「氷の洞窟」を見て下山開始。
■「Breithorn 4165m」の登山道入り口
■「Breithprn 4165m」の登山道入り口から、ロープウェイ乗り場を振り返る。
■踏み後は明確にある。
■「Breithorn 4165m」
■「Matterhorn 4478m」 左側が「氷の洞窟」入り口
■「Trockener Steg 2939m」から見たZermattの街。