
私が最も好きな電気メーカーはシャープです。というよりも、物心ついたときには、家にある電化製品はほとんどシャープ製でした。テレビ、電子レンジ、冷蔵庫、電卓、ラジカセ・・(なぜかビデオはソニーのベータだった)・・・。これは我が家の知り合いの電気屋さんがシャープの専門店だったからです。最近でこそ、電化製品は分野ごとに最も良いメーカーのものを選んで買っていますが、今でも、寮にあるサイクロン掃除機と炊飯器、MDプレイヤーはシャープ製です。電気屋の店頭に立つと、ついつい「シャープなら間違いないか・・」と思ってしまうのです。
私がシャープフェチなのは、やはり実家の町にシャープの工場がある影響が強いと思います。この工場、今から36年前、大阪万博の前年にできたのですが、この時期は、前身の早川電機からシャープへの社名変更が行なわれ、電気メーカーとして、大きく飛躍しようとしていた頃でした。当時、他の電気メーカーが次々と万博へのパビリオン出展を決めていたところ、シャープはパビリオン出展の代わりに研究センターと工場を併設した総合開発センター建設を決定し、その建設地を、開通したばかりの名阪国道、西名阪自動車道の脇の丘陵地(奈良県天理市)としました。万博の開催地が大阪の千里だったため、この決定は「千里から天理へ」と呼ばれ、世間から注目されました。
同じ頃、開発が進んでいたのが、現在のシャープの主力製品である液晶でした。この液晶の開発も、ここの研究センターで行なわれ(この模様はプロジェクトXでも放送された)、世界初の実用化に成功しました。その後も、液晶のカラー化、壁掛けテレビの実用化、IC・LSI(LSIの量産もここが最初だった)の研究、生産が行われ、現在のシャープの成功の礎を築いた地が天理だったのです、。液晶テレビ「アクオス」の液晶パネルも最初は天理工場で量産が開始されました。最近では、三重県の亀山工場がクローズアップされるようになりましたが、今でも先端的な液晶やLSI、その他の分野の研究が日夜行われています。新聞を読んでいると、時折シャープの新製品の紹介記事に「・・・天理工場で完成した」と書かれていることがあります。また、シャープの展示ホールもこの総合開発センター内にあり、一週間前までに予約しておけば誰でも見学することができます。ここでは、最新型アクオスを使ったホームシアターの体験や、これまでのシャープの歴史、開発した製品(社名の由来となった、シャープペンシル(早川式繰り出し鉛筆)もある)が紹介されています。
そんなシャープですが近年は、液晶分野においては国内他社が、苦戦している中、独自技術とコスト削減で、一人勝ち、世界一の実績を誇り、太陽電池(奈良県葛城工場で生産)も家庭用では世界一のシェアで、他にも携帯電話やオーディオ(1ビットデジタルアンプ)、ビデオカメラ、パソコン、PDAなどで好調な売り上げを続け、大手電気メーカーではトップの利益率を誇ります。また、実はデジカメのCCD(受像装置)も作っています。自社ブランドでこそデジカメを販売していませんが、ケータイにいち早くカメラ機能をつけたのがシャープ製ケータイだったのはこういうわけだったのです。
そんなシャープですが、現在の私の夢は、大型の液晶アクオスを手に入れることです。もちろん学生の身ですので、そうそう簡単には買えませんが、バイトなどで、コツコツ貯金して手に入れようと思います。(`・ω・´)