以下が6月6日に衆議院が採択した丸山穂高衆議院議員「糾弾決議」全文だ。もちろん読み飛ばして構わない。
~~引用ここから~~
議員丸山穂高君糾弾決議案(第一九八回国会、決議第四号)
議員丸山穂高君は、「令和元年度第一回北方四島交流訪問事業」に参加した際、憲法の平和主義に反する発言をはじめ、議員としてあるまじき数々の暴言を繰り返し、事前の注意にも拘わらず、過剰に飲酒し泥酔の上、禁じられた外出を試みて、本件北方四島交流事業の円滑な実施を妨げる威力業務妨害とも言うべき行為を行い、我が国の国益を大きく損ない、本院の権威と品位を著しく失墜させたと言わざるを得ず、院として国会議員としての資格はないと断ぜざるを得ない。
よって本院は、ここに丸山君を糾弾し、ただちに、自ら進退について判断するよう促すものである。
右決議する。
理 由
去る五月三十日の議院運営委員会理事会における政府関係者の説明によれば、議員丸山穂高君は、四島在住ロシア人と日本国民との相互理解の増進を図り、もって領土問題の解決を含む平和条約締結問題の解決に寄与することを目的とする「令和元年度第一回北方四島交流訪問事業」、いわゆるビザなし交流事業に参加し、国後島を訪問した際、事前に事業の趣旨や注意事項について十分に知らされていたにも拘わらず、五月十一日に、ホームビジット先のロシア人島民宅で過剰に飲酒し、宿舎である「友好の家」に戻った際、禁じられている外出を強く希望し、そのために、政府同行者に議員が外出しないよう監視させる業務を強いる結果になったほか、食堂内で、コップで机をたたき、大声を張り上げ、団長に対する報道関係者の取材を妨害し、団長に対して、「戦争でこの島を取り返すことに賛成か」、「戦争しないとどうしようもなくないか」などと信じ難い暴言を吐いた。その後も、他の団員ともみ合いになり、自室に戻った後、再び出て騒いで、職員が戻るように促す、ということを翌日午前一時まで続け、その際、「私は会期中は不逮捕特権で逮捕されない」と述べたり、およそ品位のかけらもない卑猥な言葉を発したりするなどの多大な迷惑行為を行い、翌日には団員たちから、最も重要なロシア人島民の方々との交流会への参加の自粛を求められ、参加しなかったとのことである。丸山君の行動は、一歩間違えば日本とロシアの重大な外交問題に発展しかねない問題行動であり、これまで関係者が営々と築き上げてきた北方領土問題の解決に向けた努力を一瞬にして無に帰せしめかねないものであり、国民の悲願である北方領土返還に向けた交渉に多大な影響を及ぼし、我が国の国益を大きく損なうものと言わざるを得ない。また、かかる常軌を逸した言動は、本件北方四島交流事業の円滑な実施を妨げる威力業務妨害とも言うべきものであり、その卑猥な言動に至っては、議員としてというよりも人間としての品位を疑わせるものである。
本件事業は、内閣府交付金に基づく補助金を受けた北方四島交流北海道推進委員会の費用負担により実施されているものであり、本院から公式に派遣したものではないにせよ、丸山君は、沖縄及び北方問題特別委員会の委員であるが故に、優先的に参加することができたものであり、他の団員からは、本院を代表して参加したものと受け止められており、また、その後の報道により、我が国憲法の基本的原則である平和主義の認識を欠き、およそ品位のかけらもない議員の存在を国内外に知らしめ、衝撃を与えた事実は否めず、本院の権威と品位を著しく貶める結果となったと言わざるを得ず、院として国会議員としての資格はないと断ぜざるを得ない。
よって本院は、ここに丸山君を糾弾し、ただちに、自ら進退について判断するよう促すものである。
以上が、本決議案を提出する理由である。
~~引用ここまで~~
愚かなことだ。言論を封殺する決議を衆議院が行うとは。戦前の斎藤隆夫衆議院議員を軍部に阿った衆議院が除名した愚挙に匹敵する。
丸山穂高の「戦争」発言は議員辞職しなければならないほどかで議員辞職勧告決議案が可決されることを非難していたが、結局「糾弾決議」という形で決議がされてしまった。衆議院の自殺である。
酒乱の末の言動については確かに弁護の余地がないのだが、衆議院は「道徳屋」ではないのだ。道徳に反する行為をしたからと衆議院議員の身分を奪ってはならない。
次の総選挙で当選するのは至難の技だろうがそれこそ丸山穂高衆議院議員の責任であり介入するつもりはない。あまり好きな言葉ではないが「自己責任」だ。
決議は全会一致で可決されたが、自民党の小泉進次郎衆議院議員と大岡敏孝衆院議員が採決を棄権した。骨のある衆議院議員だ。覚えておこう。
それに許されない「発言」で議員辞職勧告決議案が可決されるならば、「拉致問題はない。」「あっても日本の統治が残虐だったから文句は言えない。」「北朝鮮に米を送りたい(実際送っている)。」
などと国会議員でも許されない発言ではないのか。冗長になるのでひとつひとつ誰の発言であるかは引用しない。ほとんどが引退や死去しているが辻元清美は現役だ。丸山穂高衆議院議員の戦争発言が許されないなら、それらの発言も議員辞職勧告決議案に相当するのではないか。
また気になるのは河野克俊前統合幕僚長が強く非難していることだ。自衛隊も憲法9条絶対の「空気」には逆らえないのか。暗澹たる気持ちになった。
~~引用ここから~~
丸山議員発言は「不適切で論外」 前統合幕僚長が憤り 藤田直央 2019年5月14日16時31分(朝日新聞)
日本維新の会の丸山穂高衆院議員(大阪19区)が北方領土を取りもどすには「戦争しないとどうしようもなくないですか」と語ったことについて、自衛隊制服組トップの統合幕僚長を4月まで務めた河野克俊氏は14日、朝日新聞の取材に「非常に不適切で論外、むちゃくちゃです。自衛以外の戦争は国際法違反だと知らないのでしょうか。国会議員の発言で日ロ関係にもマイナスでしょう」と語った。
ただ、丸山氏の発言に国民から批判が出たことや同党の松井一郎代表が辞職を促したことから、「政治全体がそうだそうだとならずに丸山さんに厳しい対応をしている。システムとしても自衛隊の出動までには何段階ものプロセスを踏むわけで、そこは政治を信頼しています」と述べた。(藤田直央)
■河野外相「プラスになら…(以下有料)
~~引用ここまで~~
ヒステリックな左翼マスコミに自衛隊の前統合幕僚長までが阿り丸山穂高衆議院議員を非難するとは。自衛隊も戦後の憲法9条絶対主義が骨に染みているのだろうか。
河野克俊前統合幕僚長は米国の北朝鮮への攻撃に自衛隊が何をできるか備えていたとも語っている。米国が絡めば戦争絶対反対というわけでもないのだ。だから出世できたのだとすると、ここまで日本は米国の植民地状態なのかと哀しい。
~~引用ここから~~
「米が北朝鮮攻撃したら」2年前に検討 前統幕長が証言 編集委員・藤田直央 2019年5月16日20時30分(朝日新聞)
北朝鮮の核・ミサイル問題が緊迫した2017年、当時の自衛隊制服組のトップ・河野克俊統合幕僚長の下で、安全保障法制に基づく朝鮮半島有事の自衛隊の対応を、防衛省の統合幕僚監部が検討していたことがわかった。先月退任した河野氏が朝日新聞のインタビューで語った。
北朝鮮は17年、日本海や太平洋へ弾道ミサイルの発射を重ね、9月には6度目の核実験があり米朝首脳間で非難の応酬が起きた。河野氏は、米軍のダンフォード統合参謀本部議長らとのやり取りで緊張の高まりを感じ、「違った段階に来たと考え、もし米軍が軍事行動に踏み切れば自衛隊がどう動くか、私の責任で頭の体操をした」と話した。
米軍が北朝鮮を攻撃した場合の朝鮮半島有事に備え、統合幕僚監部で検討。16年施行の安保法制に基づき、日本の平和と安全に重要な影響を与える状況下で自衛隊が米軍を後方支援できる「重要影響事態」や、集団的自衛権を行使して米軍への攻撃に自衛隊が反撃できる「存立危機事態」を想定したという。
河野氏は「やる、やらないを決めるのはトランプ大統領と安倍総理。幸い米軍から軍事行動をするとの連絡は結局なかったが、総理には米軍の態勢を報告していた」と振り返った。(編集委員・藤田直央)
~~引用ここまで~~
日本は国民を拉致されているから北朝鮮に戦争を仕掛けてもそれは「自衛戦争」といえる。「専守防衛」に縛られた自衛隊の現有装備では北朝鮮に戦争を仕掛けるのは厳しいのではないかと考えているが。
米国が北朝鮮を攻撃することはあり得た(現在も可能性はないではない)から自衛隊がそれに備えることは本来当然のことだ。しかしそれならば野党の一議員が「戦争発言」をすることも許容しなくてはなるまい。
「戦争発言」は許されないから、黙って戦争をすれば良いのか。ロシアに奪われた領土を取り戻すことは「自衛戦争」ではないのか。
もっとも戦後の平和ボケ日本ではプーチンの軍国主義ロシアには勝てない。NBCR兵器を度外視しても勝ち目はあるまい。ゼロとは言わないが。
そして米国が北朝鮮を攻撃して日本が自衛隊を派兵しないことはあり得ない。そうなれば日米同盟はお仕舞いだ。自衛隊は備えなければならないし国会で議論が行われても良い。
それならば丸山穂高衆議院議員の「戦争発言」も許容されよう。米国の北朝鮮攻撃への支援検討は良くて、北方領土を取り戻すための「戦争発言」が許されないことは道理に合わない。
自衛隊の制服組の前トップまでがこの認識なのか。戦前戦中とベクトルが逆になっただけで言論の自由がないのは変わらないではないか。
意地が悪い質問だが、米国の「イラク侵略戦争」は「自衛戦争」と呼べるのか、河野克俊前統合幕僚長に問い質したい。
安倍晋三は集団的自衛権の限定容認に舵を切ったが、イラクに出兵することは「自衛戦争」と呼べるのか、と。国際法違反ではないかと。
自衛隊制服組トップがこの認識なのは残念でならない。
~~引用ここから~~
議員丸山穂高君糾弾決議案(第一九八回国会、決議第四号)
議員丸山穂高君は、「令和元年度第一回北方四島交流訪問事業」に参加した際、憲法の平和主義に反する発言をはじめ、議員としてあるまじき数々の暴言を繰り返し、事前の注意にも拘わらず、過剰に飲酒し泥酔の上、禁じられた外出を試みて、本件北方四島交流事業の円滑な実施を妨げる威力業務妨害とも言うべき行為を行い、我が国の国益を大きく損ない、本院の権威と品位を著しく失墜させたと言わざるを得ず、院として国会議員としての資格はないと断ぜざるを得ない。
よって本院は、ここに丸山君を糾弾し、ただちに、自ら進退について判断するよう促すものである。
右決議する。
理 由
去る五月三十日の議院運営委員会理事会における政府関係者の説明によれば、議員丸山穂高君は、四島在住ロシア人と日本国民との相互理解の増進を図り、もって領土問題の解決を含む平和条約締結問題の解決に寄与することを目的とする「令和元年度第一回北方四島交流訪問事業」、いわゆるビザなし交流事業に参加し、国後島を訪問した際、事前に事業の趣旨や注意事項について十分に知らされていたにも拘わらず、五月十一日に、ホームビジット先のロシア人島民宅で過剰に飲酒し、宿舎である「友好の家」に戻った際、禁じられている外出を強く希望し、そのために、政府同行者に議員が外出しないよう監視させる業務を強いる結果になったほか、食堂内で、コップで机をたたき、大声を張り上げ、団長に対する報道関係者の取材を妨害し、団長に対して、「戦争でこの島を取り返すことに賛成か」、「戦争しないとどうしようもなくないか」などと信じ難い暴言を吐いた。その後も、他の団員ともみ合いになり、自室に戻った後、再び出て騒いで、職員が戻るように促す、ということを翌日午前一時まで続け、その際、「私は会期中は不逮捕特権で逮捕されない」と述べたり、およそ品位のかけらもない卑猥な言葉を発したりするなどの多大な迷惑行為を行い、翌日には団員たちから、最も重要なロシア人島民の方々との交流会への参加の自粛を求められ、参加しなかったとのことである。丸山君の行動は、一歩間違えば日本とロシアの重大な外交問題に発展しかねない問題行動であり、これまで関係者が営々と築き上げてきた北方領土問題の解決に向けた努力を一瞬にして無に帰せしめかねないものであり、国民の悲願である北方領土返還に向けた交渉に多大な影響を及ぼし、我が国の国益を大きく損なうものと言わざるを得ない。また、かかる常軌を逸した言動は、本件北方四島交流事業の円滑な実施を妨げる威力業務妨害とも言うべきものであり、その卑猥な言動に至っては、議員としてというよりも人間としての品位を疑わせるものである。
本件事業は、内閣府交付金に基づく補助金を受けた北方四島交流北海道推進委員会の費用負担により実施されているものであり、本院から公式に派遣したものではないにせよ、丸山君は、沖縄及び北方問題特別委員会の委員であるが故に、優先的に参加することができたものであり、他の団員からは、本院を代表して参加したものと受け止められており、また、その後の報道により、我が国憲法の基本的原則である平和主義の認識を欠き、およそ品位のかけらもない議員の存在を国内外に知らしめ、衝撃を与えた事実は否めず、本院の権威と品位を著しく貶める結果となったと言わざるを得ず、院として国会議員としての資格はないと断ぜざるを得ない。
よって本院は、ここに丸山君を糾弾し、ただちに、自ら進退について判断するよう促すものである。
以上が、本決議案を提出する理由である。
~~引用ここまで~~
愚かなことだ。言論を封殺する決議を衆議院が行うとは。戦前の斎藤隆夫衆議院議員を軍部に阿った衆議院が除名した愚挙に匹敵する。
丸山穂高の「戦争」発言は議員辞職しなければならないほどかで議員辞職勧告決議案が可決されることを非難していたが、結局「糾弾決議」という形で決議がされてしまった。衆議院の自殺である。
酒乱の末の言動については確かに弁護の余地がないのだが、衆議院は「道徳屋」ではないのだ。道徳に反する行為をしたからと衆議院議員の身分を奪ってはならない。
次の総選挙で当選するのは至難の技だろうがそれこそ丸山穂高衆議院議員の責任であり介入するつもりはない。あまり好きな言葉ではないが「自己責任」だ。
決議は全会一致で可決されたが、自民党の小泉進次郎衆議院議員と大岡敏孝衆院議員が採決を棄権した。骨のある衆議院議員だ。覚えておこう。
それに許されない「発言」で議員辞職勧告決議案が可決されるならば、「拉致問題はない。」「あっても日本の統治が残虐だったから文句は言えない。」「北朝鮮に米を送りたい(実際送っている)。」
などと国会議員でも許されない発言ではないのか。冗長になるのでひとつひとつ誰の発言であるかは引用しない。ほとんどが引退や死去しているが辻元清美は現役だ。丸山穂高衆議院議員の戦争発言が許されないなら、それらの発言も議員辞職勧告決議案に相当するのではないか。
また気になるのは河野克俊前統合幕僚長が強く非難していることだ。自衛隊も憲法9条絶対の「空気」には逆らえないのか。暗澹たる気持ちになった。
~~引用ここから~~
丸山議員発言は「不適切で論外」 前統合幕僚長が憤り 藤田直央 2019年5月14日16時31分(朝日新聞)
日本維新の会の丸山穂高衆院議員(大阪19区)が北方領土を取りもどすには「戦争しないとどうしようもなくないですか」と語ったことについて、自衛隊制服組トップの統合幕僚長を4月まで務めた河野克俊氏は14日、朝日新聞の取材に「非常に不適切で論外、むちゃくちゃです。自衛以外の戦争は国際法違反だと知らないのでしょうか。国会議員の発言で日ロ関係にもマイナスでしょう」と語った。
ただ、丸山氏の発言に国民から批判が出たことや同党の松井一郎代表が辞職を促したことから、「政治全体がそうだそうだとならずに丸山さんに厳しい対応をしている。システムとしても自衛隊の出動までには何段階ものプロセスを踏むわけで、そこは政治を信頼しています」と述べた。(藤田直央)
■河野外相「プラスになら…(以下有料)
~~引用ここまで~~
ヒステリックな左翼マスコミに自衛隊の前統合幕僚長までが阿り丸山穂高衆議院議員を非難するとは。自衛隊も戦後の憲法9条絶対主義が骨に染みているのだろうか。
河野克俊前統合幕僚長は米国の北朝鮮への攻撃に自衛隊が何をできるか備えていたとも語っている。米国が絡めば戦争絶対反対というわけでもないのだ。だから出世できたのだとすると、ここまで日本は米国の植民地状態なのかと哀しい。
~~引用ここから~~
「米が北朝鮮攻撃したら」2年前に検討 前統幕長が証言 編集委員・藤田直央 2019年5月16日20時30分(朝日新聞)
北朝鮮の核・ミサイル問題が緊迫した2017年、当時の自衛隊制服組のトップ・河野克俊統合幕僚長の下で、安全保障法制に基づく朝鮮半島有事の自衛隊の対応を、防衛省の統合幕僚監部が検討していたことがわかった。先月退任した河野氏が朝日新聞のインタビューで語った。
北朝鮮は17年、日本海や太平洋へ弾道ミサイルの発射を重ね、9月には6度目の核実験があり米朝首脳間で非難の応酬が起きた。河野氏は、米軍のダンフォード統合参謀本部議長らとのやり取りで緊張の高まりを感じ、「違った段階に来たと考え、もし米軍が軍事行動に踏み切れば自衛隊がどう動くか、私の責任で頭の体操をした」と話した。
米軍が北朝鮮を攻撃した場合の朝鮮半島有事に備え、統合幕僚監部で検討。16年施行の安保法制に基づき、日本の平和と安全に重要な影響を与える状況下で自衛隊が米軍を後方支援できる「重要影響事態」や、集団的自衛権を行使して米軍への攻撃に自衛隊が反撃できる「存立危機事態」を想定したという。
河野氏は「やる、やらないを決めるのはトランプ大統領と安倍総理。幸い米軍から軍事行動をするとの連絡は結局なかったが、総理には米軍の態勢を報告していた」と振り返った。(編集委員・藤田直央)
~~引用ここまで~~
日本は国民を拉致されているから北朝鮮に戦争を仕掛けてもそれは「自衛戦争」といえる。「専守防衛」に縛られた自衛隊の現有装備では北朝鮮に戦争を仕掛けるのは厳しいのではないかと考えているが。
米国が北朝鮮を攻撃することはあり得た(現在も可能性はないではない)から自衛隊がそれに備えることは本来当然のことだ。しかしそれならば野党の一議員が「戦争発言」をすることも許容しなくてはなるまい。
「戦争発言」は許されないから、黙って戦争をすれば良いのか。ロシアに奪われた領土を取り戻すことは「自衛戦争」ではないのか。
もっとも戦後の平和ボケ日本ではプーチンの軍国主義ロシアには勝てない。NBCR兵器を度外視しても勝ち目はあるまい。ゼロとは言わないが。
そして米国が北朝鮮を攻撃して日本が自衛隊を派兵しないことはあり得ない。そうなれば日米同盟はお仕舞いだ。自衛隊は備えなければならないし国会で議論が行われても良い。
それならば丸山穂高衆議院議員の「戦争発言」も許容されよう。米国の北朝鮮攻撃への支援検討は良くて、北方領土を取り戻すための「戦争発言」が許されないことは道理に合わない。
自衛隊の制服組の前トップまでがこの認識なのか。戦前戦中とベクトルが逆になっただけで言論の自由がないのは変わらないではないか。
意地が悪い質問だが、米国の「イラク侵略戦争」は「自衛戦争」と呼べるのか、河野克俊前統合幕僚長に問い質したい。
安倍晋三は集団的自衛権の限定容認に舵を切ったが、イラクに出兵することは「自衛戦争」と呼べるのか、と。国際法違反ではないかと。
自衛隊制服組トップがこの認識なのは残念でならない。
しかしながらそれは、売国だとか本邦の風変り左翼的思考ではないのです。
私達が提供するのは手段です。
それは本邦の置かれる立ち位置が変われば方針も代わるのです。
例えばマンネルハイムのように領土を取り返す手段を提供したにも関わらず最終的にはそれを放棄し苦渋の損切を行ったように。
本邦軍事組織の着眼としては、防衛白書や防衛系シンクタンクが提言しているように北方領土というのは露にとって生命線になりつつあるという事です。
これはSSBNの聖域を他国海軍から守る為の要石になりつつあるという事です。
勿論露にとっての聖域はバレンツ海もありますがそれを考慮してもオホーツク海の価値は大きいです。
カリーニングラード問題も絡めて考えるとあの要石を手放す事はかの国にとってはあり得ず徹底的な抗戦をすることが予想されます。
現に露軍は旅団編成になり近代化に成功し即応性も高めましたが唯一保有する師団は北方領土に存在することを考えれば彼らの目的は防御出来るだけの抗堪性を持たせることであり尚且つ抗戦の意志が垣間見えます。
翻って我が国が一番に憂慮しているのは中国でありその強大な国家と相対する為には二正面作戦はしてはならず尚且つ露との連携をさせない事こそに重きを置かねばならないと考えられるのです。
従って当初安倍政権は失敗はすれども露とのアクセスを持とうとしましたし圧力の緩和を試みました。
それらは全て対中という事を念頭に置いたゆえの事だと思います。
外交の一手段に過ぎない我々としてはその思惑の中、本人の心情はさて置き現政権や組織がやろうとしていることに水を差す訳にはいかない。
第一義は自衛隊法三条に書いてある通りです。
それらを履行するには最悪の場合はマンネルハイムになるざるを得ない悔しい場面も存在するのです。
任務達成の為には個人である事を辞めねばなりません。
両手で守れる者が限られるならばトリアージをせねばなりません。
東北の自衛官たちがかつて履行したように。
公務員と言う生物は目的達成の為ならば当人の思想信条は時として棄てさり為政者に手段を提供しなければならないのです。
確かに支那とロシアを同時に敵に回すことはできません。「第一仮想敵国が支那」ですからロシアとは敵対関係を緩和する必要さえあります。
しかし一国会議員の発言で国会がロシアに「土下座」しなければならないほどでしょうか。河野前統合幕僚長の発言も残念です。
三国干渉された時のように「臥薪嘗胆」する必要もあるでしょうが、ここまで屈辱的にやらねばならないのでしょうか。
ロシアに舐められるだけですし、国際社会にも日本はやはりその程度の國と侮蔑されますし、謝罪外交は国民にも悪影響でしょう。