面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

『ドラゴン桜外伝エンゼルバンク4』の紹介

2019-02-17 23:40:17 | 漫画


マンガ図書館Z ドラゴン桜外伝エンゼルバンク4

何の変哲もない定食屋の繁盛の理由はお茶の注ぎ方にあった。そんな些細なことだが、普段利用する店は感じるストレスが少ない店を選ぶからだ。バイトにサービスを指導する際障害になるものは「常識」だ。常識は人それぞれ違うから常識で考えろなどと言っても伝わらない。なるべく細かく具体的な指示をしなければならない。常識が通じないのが社会だから。

高島にマナーを徹底させるが、彼はどこか真剣身が薄い。井野はどうすれば通じるか考える。『ドラゴン桜』において桜木が二人の教え子水野と矢島に何を徹底させたか思い出す。桜木は自分で考えることを徹底させたのだ。それを高島にさせるにはどうすれば良いか。高島に面接前に逆に井野を面接させることにする。

高島は乗り気ではないが面接をする。しかしうまくいかない。早々に降参してしまうが井野は答えを教える。転職面接の担当者は面接のプロではなく現場に立つ素人だということ。そのなかで何を基準に採用するかはずばり印象。第一印象で採用を決めてしまう。それを教えると高島は井野が何を伝えたかったに気づく。ネクタイを締め直しキリッとする。そして無事採用されるのだが、海老沢は懐疑的な意見を述べる。

高島は上司に退職届を出すのだが引き留められてしまう。井野に途中経過のメールもしない。次は資格をたくさん持つ尾形が転職相談にやってくる。完全に夢見る少女で職探しがうまくいかない。そんな折高島が井野に連絡も入れず転職を半年延ばしたいと言ってきていた。しかし人材というというのは欲しい時期に価値があり外れたら価値がなくなってしまう。これも相場なのだ。

海老沢に人は決めてから悩むものだと教えられる。考えることを後回しにして進学、就職、結婚も決めてしまう。しかし決めたあとは基準ができるから悩んでしまう。しかし人間はそれで良いと言う。悩んで何も行動を起こさなかったら幸せになれない。人間やっていられないと。高島は変わったと井野は思っていたがそれは表面だけでいい加減なままだと言う。海老沢はこの失敗を胸に刻んで教訓にするよう諭す。

井野は気になっていた水野の実家を訪ねてみる。水野は実家のスナックでバイトをしていた。水野は東大に入ってまで場末のスナックで働く自分を心配するのはわかるという。でも教科書代やパソコンなど自分で稼いで揃えたいという。家が貧しくお金に困った水野はお金を稼ぐために外資系の証券会社を目指すという。東大は金銭的に恵まれた家庭の子が多いが、自分のようにシングルマザーの家庭に育ったような子も意外といるという。金銭的に恵まれた家庭の子は志高く研究者や官僚になるが、貧乏な家の子は迷いなく外資系。お金を稼ぐために。井野はあまり良く思わないが、尾形の転職相談であまりにも地に足がついていないことをやんわり嗜める。水野に言ったことと矛盾していないかと自答する。そして本屋で桜木に会う。

桜木は自己啓発本の読み方で成功するかどうかわかるという。啓発本で新しい知識を得る人間は成功しない。内容に感心して書いてあることを真似て実践するが、新しい知識を得るタイプは普段自分で何も考えていないのだと。本に書かれていることと自分の考えが似ていると思うタイプは自分の普段の考えと似ているから成功した人と同じ思考法であると自信がついて成功の確率が高まると。

目標は高い方が良いが戦略が立てられる目標でないといけない。戦略がないと努力の仕方もわからない。水野は金のない惨めさを克服するにはどうすれば良いか必死で考えわからないことは桜木と本田に助言を求めさらに考えた。そして外資に行くと自分で決断した。戦略が正しければ努力は必ず報われる。目標を立てて戦略を真剣に自分で考えない限り努力は続かない。夢だやりがいだの言ってるうちは本当の努力はしない。さらに井野は桜木に「それでよく水野には仕事を金で選ぶななんて言えたものだ。あいつがどういう思いで酔っぱらいの相手をしているか知った上で」と糾弾され、黙り込む。

井野は尾形に資格をいくら持っていても転職には何の役にも立たないとガツンといってしまう。尾形は怒って帰ってしまう。海老沢に桜木の真似をしても駄目だと言われる。桜木には説得力があるからという。ひとつは喩え話。喩えを使うとイメージがわいて理解しやすくなる。海老沢はRPGを喩えに使って井野に話す。そしてもうひとつは責任を負う覚悟。覚悟があると人の心に響く。それで行動する気になる。だが説得力を持つ人と詐欺師はどう違うのだろう。詐欺師に覚悟があるとは思えないのだが、人は騙される。あるいは政治家やマスコミにも。受け手に問題があるのだろうか。

井野は悩むが何も思い浮かばない。そんな折ベンチャー企業社長秘書に転職した北川が訪ねてくる。北川に相談としてみると北川は会社に対する不満を抱えていて苛々してるところにベンチャー企業というありえない選択肢を突きつけられたことが衝撃で心が揺さぶられたという。井野はそれで気づき北川に抱きつく。「怒り」などの感情に注目すると見つかる。感情がエネルギーになる。世間の人間は日常で感情を押し殺しているから自分がどう感じているかさえも気づけない。

そして尾形に転職先の企業も提示すると、尾形は喜び感激してやってくる。

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