米国は北朝鮮への戦術核攻撃を辞さない構えだ。驚きであった。
私はできうるなら日本も核武装すべきだと考えている。現実には様々な問題があり無理だろうと諦めているが。
だから自分のことを日本人に根深い核アレルギー体質の人間ではないと評価していた。原発も再稼働すべきだと考えているからだ。
しかしそれでも米国が北朝鮮相手であっても核兵器を使用することは躊躇してしまう。
被爆國である日本の国民の限界であろうか。
戦術核とはいえ核兵器の使用のハードルが下がることも怖いのだ。
米国が北朝鮮を片付けてくれることは願ったりかなったりなのだが。面倒がひとつ減る。北朝鮮は核兵器で日本を脅迫している。
「北朝鮮は地上の楽園」と言っていた左翼には聞こえないらしいが。久々に強烈な電波を浴びた
それにトランプは米兵の命を秤に掛けて馬鹿馬鹿しいから北朝鮮攻撃はしないと考えていた。核兵器を使用すれば犠牲は最小限に抑えられるだろうが。
~~引用ここから~~
米国が北朝鮮を先制攻撃するなら核を使うか? その時、韓国は? 読者の疑問に答える 韓国・北朝鮮 2019年6月12日掲載(デイリー新潮)
再び緊張が高まる朝鮮半島。前回記事「在韓米軍撤収、先制攻撃はいつ? 読者の質問に答える」に続き、韓国観察者の鈴置高史氏が「米国は先制攻撃の際、核は使うのか」といった読者の疑問に答える。
北が何か撃てば先制攻撃してよい
――米国の先制攻撃の可能性あり、とのことですが、それは許されるのですか?
鈴置: 許されることになっています。国際社会では、敵からの差し迫った脅威を除去するための「先制」(preemption)攻撃と、敵の潜在的な脅威を除去するための「予防」(prevention)攻撃を区別しています。
前者は認められやすい。個人に例えれば正当防衛です。弾を込めたピストルを向けてくる悪漢を攻撃する権利は誰にもあるからです。一方、後者は過剰防衛と見なされかねません。ピストルを自分に向けていない悪漢を攻撃することに相当するわけです。
北朝鮮との緊張が高まった2016年、米国では先制攻撃が熱心に検討されました。9月16日、米外交問題評議会(CFR)が主催した討論会でマレン(Michael Mullen)元・米統合参謀本部議長は以下のように語りました。
「Report Launch of CFR-Sponsored Independent Task Force on U.S. Policy Toward North Korea」(2016年9月16日)から引用します。
・北朝鮮が米国を攻撃する能力をほぼ保持し、それが米国を脅かすものなら、自衛的な次元で北朝鮮を先制打撃し得る。理論的にはミサイルが発射された瞬間に発射台を除去することができる。
要は、北朝鮮が「弾道ミサイルのようなもの」を撃った瞬間に攻撃してもいいのだ、ということです。それがどこに飛ぶかも、核弾頭が積んであるかも瞬間的には判断できないからです。
韓国に知らせる必要なし
――結局、米国はいつでも……。
鈴置:ええ、拡大解釈すれば、米国は任意の時に北朝鮮を先制攻撃できるわけです。「弾道ミサイルのようなもの」が発射されたかどうかの解釈権は事実上、米国が握っているからです。
ことに今、制裁緩和を求めて北朝鮮が挑発に出始めた(「在韓米軍撤収、先制攻撃はいつ? 読者の質問に答える」参照)。米国にとって先制攻撃の名分には事欠きません。
2016~2017年当時、「先制攻撃が米国自衛の目的である以上、在韓米軍の戦略資産を使おうと韓国に知らせる必要はない」との意見も広く語られました。
米韓連合司令部のトップが韓国人になろうとなるまいと、先制攻撃を韓国軍に知らせる義務はないことになります。
「在韓国連軍の司令官は依然、米国人だから韓国を含む関係国と事前に協議する義務があるのではないか」と聞いてくる人もいますが、あまり意味のない議論です。米国は国連軍として先制攻撃するわけではないからです。
ただ現実問題として、在韓米軍基地は先制攻撃には使いにくい。ここから攻撃機を出撃させた場合、直ちに韓国軍が察知します。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「攻撃を知ったら北朝鮮に知らせる」と公言しています(「米韓同盟消滅」第1章第1節「米韓同盟を壊した米朝首脳会談」参照)。
韓国が「敵側」に寝返った以上は、北朝鮮ににらみを利かせるには、日本の基地と米・日の海軍力が重要になるのです。
「核攻撃も辞さない」と宣言
――北朝鮮は核で反撃しませんか?
鈴置:それを念頭に米政府は「先制攻撃には核兵器の使用も辞さない」と公言しています。第一撃で北朝鮮の核ミサイル基地を完全に破壊するには、広範囲を叩ける核兵器が有効だからです。
――「先制攻撃に核も使う」というのですか!
鈴置: その通りです。国務省のアダムス(Katina Adams)報道官(東アジア太平洋担当)が2017年12月5日、米政府が運営する放送局、VOAの質問に答え、以下のように語りました。
•トランプ(Donald Trump)大統領が優先順位の最上位に置くのは米国の本土と準州、そして同盟国を北朝鮮の攻撃から守ることだ。
•米国は通常兵器と核兵器のありとあらゆる能力を動員し、同盟国である韓国と日本を防衛するとの約束を完全に履行する。
「国務省、北朝鮮の脅威に『核兵器を含む全ての能力を総動員…対話の時ではない』」(2017年12月6日、韓国語版・一部は英語)で読めます。
この記事は日本や米国ではさほど注目されませんでした。でも、北朝鮮が米朝首脳会談(2018年6月)に応じた理由の1つであるのは間違いないと思います。米国から先制核攻撃されたら、金正恩委員長も生き残るのは難しいからです。
2019年5月23日には国防総省のファンタ(Peter Fanta)副次官補が「(北朝鮮の核に対する域内の抑止手段として)核弾頭を搭載可能な海上発射型の巡航ミサイルの配備を積極的に検討中である」と語りました。
北朝鮮に対し「いつでも核を撃ちこめる体制をとるからな」と威嚇したわけです。VOAの質問に答えたもので、「米国防総省副次官補『海上巡航ミサイル、朝鮮半島の戦術核の対案として論議中…核搭載も可能で移動も容易』」(5月24月6日、韓国語版・一部は英語)が伝えました。
陰謀を逆手に取った米国
なお、米国から先制攻撃された北朝鮮が、軍事境界線沿いに配備したロケット砲で反撃し、韓国に被害を与えることは可能です。米軍の第一撃は主にレーダーとミサイル基地が対象ですから。
しかし米国は「在韓米軍撤収」――ロケット砲の射程圏内から米軍を下げることにより、自分たちへの被害は懸念せずに先制攻撃を実行できるようになるわけです。
まだ在韓米軍は撤収していませんが、「いつでも撤収できる体制」になるだけでも朝鮮を脅すカードにできます。米国は経済制裁に加えて、2枚のカードで非核化を迫れるようになったのです。
考えてみれば皮肉な話です。文在寅大統領の盟友で、親北反米の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が「米軍追い出し」を図った。作戦統制権の返還も、ソウルからの米軍撤収も盧武鉉時代(2003~2008年)に決まったことです。
統制権返還はその後の保守政権で棚上げされましたが、文在寅政権で復活。ソウルからの米軍撤収と、米軍基地集約のために作った平沢のキャンプ・ハンフリー(Camp Humphreys)も、文在寅政権になって機能を発揮し始めた。
しかし、そのいずれもが「米軍撤収→先制攻撃」という北朝鮮を脅す米国の武器になったのです。北朝鮮や親北政権よりも、その陰謀を逆手に取った米国の方が一枚上手、ということです。
(略)
~~引用ここまで~~
~~引用ここから~~
米国にとって北朝鮮は狂信的なカルト集団、“先制核攻撃”があり得るこれだけの根拠 韓国・北朝鮮 2019年6月18日掲載(デイリー新潮)
米国の「先制核攻撃」の脅迫に北朝鮮がうろたえる。米国の脅しは思い付きではないからだ。米朝の隠れた「核のつばぜり合い」を韓国観察者の鈴置高史氏が対話形式で解き明かす。
手も足も出ない北朝鮮
――北朝鮮は米国の「核も辞さない」姿勢に反応しましたか?
鈴置: 「米国が北朝鮮を先制攻撃するなら核を使うか? その時、韓国は? 読者の疑問に答える」を読んだ多くの人から、そう聞かれました。
答は「イエス」です。5月29日、北朝鮮は米国の核戦力拡充を非難しました。朝鮮中央通信の「朝鮮外務省米国研究所の政策研究室長 力の使用は決して米国の独占物ではない」(5月29日、日本語版)です。
この記事は「最近は(中略)核弾頭搭載が可能な海上発射巡航ミサイルを朝鮮半島の周辺に配備しようとする動きまで見せている」と米国を批判しました。
5月23日、「核弾頭搭載の巡航ミサイル」で威嚇した米国防総省のファンタ(Peter Fanta)副次官補の発言に対し、6日後に反発したわけです。北朝鮮の狼狽ぶりが分かります。
米国が先制核攻撃の体制を整えれば、北は手も足も出なくなる。米国の第1撃により、発射前の核ミサイルを破壊されてしまうからです。北は「核攻撃してきたら、核で反撃するぞ」と凄めなくなります。
韓国の自業自得
――北朝鮮が韓国との軍事境界線沿いに配備したロケット砲は?
鈴置: それらは第1撃ではすべては破壊できないと見られています。砲門の数が極めて多いからです。北朝鮮はこれらで反撃するかもしれません。
しかし、米軍とその家族は射程外の韓国南方に、あるいは韓国から引き上げる方向です(「ついに『在韓米軍』撤収の号砲が鳴る 米国が北朝鮮を先行攻撃できる体制は整った」参照)。
在韓米軍の南方移転、あるいは撤収を実施すれば、米国は北朝鮮に捕られていた「人質」がなくなり、反撃を恐れずに攻撃できるようになります。対北先制攻撃のハードルが一気に下がるのです。
在韓米陸軍の撤収は早ければ、今秋にも始まると見られます(「米軍は韓国からいつ撤収? 北朝鮮を先制攻撃する可能性は? 読者の疑問に答える」参照)。
――でも、ロケット砲はソウルをはじめ韓国に被害を及ぼします。
鈴置: 北朝鮮のロケット砲は韓国軍が叩くことになるでしょう。米空軍も手助けはするかもしれませんが。米韓同盟――米韓相互防衛条約に自動介入条項はありません。米国に北朝鮮から攻撃された韓国を助ける義務は厳密にはないのです。
朝鮮戦争の休戦協定を締結した直後の1953年10月、米韓相互防衛条約が結ばれました。米国は韓国が勝手に北朝鮮を攻撃し、戦争が再発することを強く恐れて自動介入条項は設けなかったのです。韓国の自業自得です。
「米国・日本」VS「北朝鮮」
――そうは言っても、米韓は同盟関係にあります……。
鈴置: 次の戦争――第2次朝鮮戦争は本質的には「米国・日本」VS「北朝鮮」の戦いです。先制攻撃を知らされない韓国は、少なくとも最初は傍観者に過ぎないのです。
米国が先制攻撃を仕掛ける場合、グアムと在日米軍基地、それに海から爆撃機とミサイルを飛ばします。在韓米軍基地は使わない可能性が大きい。
先制攻撃の意図を察知した韓国が北朝鮮に通報する懸念からです。米国は今も韓国を信用していないのです(『米韓同盟消滅』第1章「離婚する米韓」参照)。
そもそも韓国は米国を裏切っています。裏切り者を守るほど米国人はお人よしではありません。北朝鮮のミサイルを迎撃するための米国のTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)基地だって、中国に気兼ねして韓国政府はソウルを守る場所には作らせませんでした。
現在、運用中の南方の基地も「市民」が嫌がらせして道路を封鎖。米軍はヘリコプターを使って補給しています。韓国の側から同盟国であることをやめてしまっているのです(「ついに『在韓米軍』撤収の号砲が鳴る 米国が北朝鮮を先行攻撃できる体制は整った」参照)。
世界的な核戦略の一環
――日本やグアムに向け撃って来るミサイルはどう防ぐのですか?
鈴置: それらが発射されるのを防ぐために米国は核を使うわけです。核兵器なら広範囲を確実に破壊できるからです。それでも発射されたものがあれば、日米の「ミサイルを落とすミサイル」でもって防ぎます。
――核弾頭搭載可能の巡航ミサイルの配備は本気なのですね?
鈴置: 思い付きではありません。米国の世界的な核戦略の一環です。2018年2月、国防総省は「Nuclear Posture Review」(NPR=核戦略見直し)を発表しました。
NPRの2018年版にはちゃんと「米国は短期的には小威力の核弾頭をも搭載できるよう、少数のSLBM(潜水艦発射型弾道ミサイル)を改造する。長期的には核弾頭を搭載した新たなSLCM(海上発射型巡航ミサイル)を配備する」(ページXII)と書かれています。
この報告書の「要約・日本語版」が「海上発射」型と訳しているのでそれに倣いましたが、水上艦だけでなく潜水艦から発射する巡航ミサイルも含むと思われます。原文には「sea-launched cruise missile」とありますから。
「核による脅し」を防ぐ
配備の目的は「ロシア、中国、北朝鮮など核保有国から脅されかねない同盟国に安心感を与えること」です。仮想敵が核を背景に政治的な要求を突きつけたり、侵略してくる可能性が高まっている。
同盟国は脅しや侵略に屈するかもしれない。あるいは自ら核武装に走るかしれない。米国が核兵器で報復してくれる、との確信が持てないためです。
米国の核兵器は戦略核が中心で、下手に使うと大国が核ミサイルを撃ち合う最終戦争を引き起こしてしまう。同盟国はそれを念頭に「ワシントンやNYを攻撃されるリスクを冒してまで、米国が核を使って報復してくれるのか」と疑います。
そこで米国は威力の小さい「戦術核」――米国は「戦域核」と呼び始めましたが――を配備し、仮想敵が「核を使うぞ」と脅してきたら「それならこっちも使うぞ」と言い返せる体制を整えているわけです。
日本人は「核兵器」と「通常兵器」とで区分します。でも、米国の専門家の間では「戦略兵器」と「戦術兵器」で分ける考え方が一般的だそうです。つまり「威力の小さい核」は「戦術兵器」であり、「核」とはいえ使用のハードルが低い。
「極限状況」なら核で先制
――なぜ、海から発射する「戦域核」なのでしょう。
鈴置: 地上から発射する核ミサイルや、爆撃機に載せる核爆弾は使い勝手が悪い。日本は核兵器の持ち込みを拒否しています。
韓国の保守の一部は戦術核の再配備を求めていますが、文在寅(ムン・ジェイン)政権が反対するのは確実です。北朝鮮の顔色を見て、在韓米軍さえ、追い出そうとしているぐらいですから。
それに海から撃つミサイルなら、艦船に載せて容易に動かせます。例えば、南シナ海から朝鮮半島周辺海域にすぐに持って行けるのです。
――核による先制攻撃は許されるのですか?
鈴置: この報告書――NPRの2018年版は以下のように書いています。
・米国は、米国と同盟国、パートナー国の利益を守るにあたって極限的な状況にある際にのみ、核兵器の使用を考慮する(ページVIII)。
要は、北朝鮮が核を使おうと使うまいと、米国が「極限的な状況」と判断すれば核を使う、ということです。
日本を核で脅す北朝鮮
一方、北朝鮮は米国や日本に対し、すでに核の先制使用を宣言しています。2016年3月6日、北朝鮮は翌7日からの米韓合同軍事演習を非難し「やめないと正義の先制核攻撃を実施する」と宣言しました。
日本に対しても2017年9月17日、朝鮮中央通信が「朝鮮アジア太平洋平和委員会 敵対勢力の新たな制裁圧迫を非難」で以下のように威嚇しました。
・日本は自らの立場をはっきりと悟り、これ以上米国の手足として醜悪に振る舞うことは止めねばならない。
・日本反動層に対する骨髄に徹する恨みを抱いているわが軍隊と人民は、米国にへつらって反共和国制裁騒動に先頭で加担してきた現日本当局の罪科まで徹底的に清算する時だけを待っている。
・我々の水素爆弾の実験成功以来、驚き慌てる日本の醜態にはやはり、むかつかざるを得ない。
・人々はそれが軍事大国化実現に拍車をかけるための浅薄な計略と見抜いている。
・日本は、恐ろしい打撃力と命中効果を持った多種多様な原爆と水爆、弾道ミサイルを保有した世界的な軍事強国である朝鮮民主主義人民共和国が、最も近くにあることを心に刻まなければならない。
「核攻撃されたくないなら米国に追従するな」とはっきりと脅したのです。2017年5月に親北反米の文在寅政権がスタートして以降、北朝鮮は核による脅迫の照準を日本に絞りました。
NPRの2018年版が懸念した「核を背景に政治的な要求を突きつける」行為がすでに始まっているわけです。
狂信的カルト集団には武力
――話し合っている最中の国に対し、米国が先制攻撃を仕掛けるものでしょうか。
鈴置: 北朝鮮は米国にとって「国」ではありません。金正恩(キム・ジョンウン)委員長が率いる「狂信的なカルト集団」です。
2017年11月8日、トランプ(Donald Trump)大統領が韓国国会での演説でそう規定しました。「トランプ大統領の韓国国会演説のポイント(1)」をご覧下さい。
米国人の青年を拷問し死に至らしめた。外国人を誘拐してスパイの教師にする。10万人を強制収容所に収容し、劣悪な環境下で働かせる――。こんな具体例を豊富にあげて「狂信的カルト集団」と断じたのです。
そんな北朝鮮は武力で制圧すべき存在であり、宣戦布告の必要もないのです。犯罪者が立てこもる建物に突入する際、事前通告する警察はありません。
だから「朝鮮半島周辺海域にF35とF18を搭載した3隻の巨大な空母が、適切な海域には原潜が展開中だ。私は力を通じた平和を求める」と戦争を辞さない姿勢を明確にしたのです。(「トランプ大統領の韓国国会演説のポイント(2)」参照)
再び脅し始めたトランプ
――でも今や、トランプ大統領は金正恩委員長を恋人扱いしています。
鈴置: 金正恩委員長への罵倒をやめ、「恋人扱い」するのは委員長を懐柔するために過ぎません。米国内の世論対策からでもあります。「核を持つ狂信的な集団のリーダーを大統領が口汚くののしれば、核戦争を誘発しかねない」との批判が米国にはあります。
トランプ政権の中枢部の1人は「そうした批判に配慮し、大統領の発言をマイルドな表現に変えた」と福井県立大学の島田洋一教授に説明したそうです。島田教授は「日本でボルトン(John Bolton)大統領補佐官に最も近い」と言われる人です。
その「金正恩委員長に優しい」トランプ大統領が最近、微妙に発言を変えています。6月12日の会見です。
多くのメディアはトランプ大統領が米朝首脳会談の開催に関し「急がない」と語った部分に注目し、見出しをとりました。確かにそう述べています。ただ、こうも述べたのです。
・私が大統領に就任した時「北朝鮮との戦争になりかけている」と言ったものだ。それは恐ろしく無慈悲なものになっただろう。我々は世界で一番強い力なのだ。
あからさまに武力で威嚇したのです。「恋人」に対する態度ではありません。2018年6月の米朝首脳会談以降、初めての威嚇です。
時間を稼ぎ終わった米国
――何があったのでしょうか?
鈴置: 2つ考えられます。まず、北朝鮮がイランに核弾頭の素材となるプルトニウムや濃縮ウランを売った、とされる事件です(「米軍は韓国からいつ撤収? 北朝鮮を先制攻撃する可能性は? 読者の疑問に答える」参照)。
この事件は大っぴらには語られませんが、専門家の間では常識となっています。まず、これへの警告でしょう。
2つ目が、NPRの2018年版が提唱した「海から発射する戦域核」体制の完成と思われます。米国はいつでも先制核攻撃できるようになったんだぞ――と肩をそびやかしたわけです。
金正恩委員長にすれば、米国に時間を稼がれてしまった。米朝首脳会談に応じて核・ミサイル実験を中止しているうちに、先制核攻撃の体制を作られてしまったのです。
トランプ大統領の「(次の米朝首脳会談は)急がない」との発言は「もう、米国には首脳会談を開いて話し合う必要はない。後はお前が譲歩して完全に核を放棄するだけだ。いやなら核で攻撃するぞ」と聞こえたでしょう。
翌6月13日の労働新聞は「自主の旗印を高く掲げて勝利だけを収めていく」と訴えた署名入り論説を載せました。「核で脅されても譲歩はしない」と言い返したのです。
~~引用ここまで~~
日本は既に北朝鮮に核兵器の使用をちらつかせて脅されている。その脅威を片付けてくれることはありがたいことだ。
しかし核兵器で脅されているにも関わらず、米国の戦術核使用には躊躇してしまうところが日本人的な考えだろうか。
安倍晋三と自民党はトランプの戦術核使用には実際に使用されれば支持するだろう。安倍晋三と自民党には米国追随しかないから。
しかし先制核攻撃で北朝鮮の脅威を除去してくれた米国に対して日本人はどのような反応を示すだろうか。悪漢を射殺した警察官と思えるだろうか。わからない。
カテゴリー変更。
カテゴリー再変更。
私はできうるなら日本も核武装すべきだと考えている。現実には様々な問題があり無理だろうと諦めているが。
だから自分のことを日本人に根深い核アレルギー体質の人間ではないと評価していた。原発も再稼働すべきだと考えているからだ。
しかしそれでも米国が北朝鮮相手であっても核兵器を使用することは躊躇してしまう。
被爆國である日本の国民の限界であろうか。
戦術核とはいえ核兵器の使用のハードルが下がることも怖いのだ。
米国が北朝鮮を片付けてくれることは願ったりかなったりなのだが。面倒がひとつ減る。北朝鮮は核兵器で日本を脅迫している。
「北朝鮮は地上の楽園」と言っていた左翼には聞こえないらしいが。久々に強烈な電波を浴びた
それにトランプは米兵の命を秤に掛けて馬鹿馬鹿しいから北朝鮮攻撃はしないと考えていた。核兵器を使用すれば犠牲は最小限に抑えられるだろうが。
~~引用ここから~~
米国が北朝鮮を先制攻撃するなら核を使うか? その時、韓国は? 読者の疑問に答える 韓国・北朝鮮 2019年6月12日掲載(デイリー新潮)
再び緊張が高まる朝鮮半島。前回記事「在韓米軍撤収、先制攻撃はいつ? 読者の質問に答える」に続き、韓国観察者の鈴置高史氏が「米国は先制攻撃の際、核は使うのか」といった読者の疑問に答える。
北が何か撃てば先制攻撃してよい
――米国の先制攻撃の可能性あり、とのことですが、それは許されるのですか?
鈴置: 許されることになっています。国際社会では、敵からの差し迫った脅威を除去するための「先制」(preemption)攻撃と、敵の潜在的な脅威を除去するための「予防」(prevention)攻撃を区別しています。
前者は認められやすい。個人に例えれば正当防衛です。弾を込めたピストルを向けてくる悪漢を攻撃する権利は誰にもあるからです。一方、後者は過剰防衛と見なされかねません。ピストルを自分に向けていない悪漢を攻撃することに相当するわけです。
北朝鮮との緊張が高まった2016年、米国では先制攻撃が熱心に検討されました。9月16日、米外交問題評議会(CFR)が主催した討論会でマレン(Michael Mullen)元・米統合参謀本部議長は以下のように語りました。
「Report Launch of CFR-Sponsored Independent Task Force on U.S. Policy Toward North Korea」(2016年9月16日)から引用します。
・北朝鮮が米国を攻撃する能力をほぼ保持し、それが米国を脅かすものなら、自衛的な次元で北朝鮮を先制打撃し得る。理論的にはミサイルが発射された瞬間に発射台を除去することができる。
要は、北朝鮮が「弾道ミサイルのようなもの」を撃った瞬間に攻撃してもいいのだ、ということです。それがどこに飛ぶかも、核弾頭が積んであるかも瞬間的には判断できないからです。
韓国に知らせる必要なし
――結局、米国はいつでも……。
鈴置:ええ、拡大解釈すれば、米国は任意の時に北朝鮮を先制攻撃できるわけです。「弾道ミサイルのようなもの」が発射されたかどうかの解釈権は事実上、米国が握っているからです。
ことに今、制裁緩和を求めて北朝鮮が挑発に出始めた(「在韓米軍撤収、先制攻撃はいつ? 読者の質問に答える」参照)。米国にとって先制攻撃の名分には事欠きません。
2016~2017年当時、「先制攻撃が米国自衛の目的である以上、在韓米軍の戦略資産を使おうと韓国に知らせる必要はない」との意見も広く語られました。
米韓連合司令部のトップが韓国人になろうとなるまいと、先制攻撃を韓国軍に知らせる義務はないことになります。
「在韓国連軍の司令官は依然、米国人だから韓国を含む関係国と事前に協議する義務があるのではないか」と聞いてくる人もいますが、あまり意味のない議論です。米国は国連軍として先制攻撃するわけではないからです。
ただ現実問題として、在韓米軍基地は先制攻撃には使いにくい。ここから攻撃機を出撃させた場合、直ちに韓国軍が察知します。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「攻撃を知ったら北朝鮮に知らせる」と公言しています(「米韓同盟消滅」第1章第1節「米韓同盟を壊した米朝首脳会談」参照)。
韓国が「敵側」に寝返った以上は、北朝鮮ににらみを利かせるには、日本の基地と米・日の海軍力が重要になるのです。
「核攻撃も辞さない」と宣言
――北朝鮮は核で反撃しませんか?
鈴置:それを念頭に米政府は「先制攻撃には核兵器の使用も辞さない」と公言しています。第一撃で北朝鮮の核ミサイル基地を完全に破壊するには、広範囲を叩ける核兵器が有効だからです。
――「先制攻撃に核も使う」というのですか!
鈴置: その通りです。国務省のアダムス(Katina Adams)報道官(東アジア太平洋担当)が2017年12月5日、米政府が運営する放送局、VOAの質問に答え、以下のように語りました。
•トランプ(Donald Trump)大統領が優先順位の最上位に置くのは米国の本土と準州、そして同盟国を北朝鮮の攻撃から守ることだ。
•米国は通常兵器と核兵器のありとあらゆる能力を動員し、同盟国である韓国と日本を防衛するとの約束を完全に履行する。
「国務省、北朝鮮の脅威に『核兵器を含む全ての能力を総動員…対話の時ではない』」(2017年12月6日、韓国語版・一部は英語)で読めます。
この記事は日本や米国ではさほど注目されませんでした。でも、北朝鮮が米朝首脳会談(2018年6月)に応じた理由の1つであるのは間違いないと思います。米国から先制核攻撃されたら、金正恩委員長も生き残るのは難しいからです。
2019年5月23日には国防総省のファンタ(Peter Fanta)副次官補が「(北朝鮮の核に対する域内の抑止手段として)核弾頭を搭載可能な海上発射型の巡航ミサイルの配備を積極的に検討中である」と語りました。
北朝鮮に対し「いつでも核を撃ちこめる体制をとるからな」と威嚇したわけです。VOAの質問に答えたもので、「米国防総省副次官補『海上巡航ミサイル、朝鮮半島の戦術核の対案として論議中…核搭載も可能で移動も容易』」(5月24月6日、韓国語版・一部は英語)が伝えました。
陰謀を逆手に取った米国
なお、米国から先制攻撃された北朝鮮が、軍事境界線沿いに配備したロケット砲で反撃し、韓国に被害を与えることは可能です。米軍の第一撃は主にレーダーとミサイル基地が対象ですから。
しかし米国は「在韓米軍撤収」――ロケット砲の射程圏内から米軍を下げることにより、自分たちへの被害は懸念せずに先制攻撃を実行できるようになるわけです。
まだ在韓米軍は撤収していませんが、「いつでも撤収できる体制」になるだけでも朝鮮を脅すカードにできます。米国は経済制裁に加えて、2枚のカードで非核化を迫れるようになったのです。
考えてみれば皮肉な話です。文在寅大統領の盟友で、親北反米の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が「米軍追い出し」を図った。作戦統制権の返還も、ソウルからの米軍撤収も盧武鉉時代(2003~2008年)に決まったことです。
統制権返還はその後の保守政権で棚上げされましたが、文在寅政権で復活。ソウルからの米軍撤収と、米軍基地集約のために作った平沢のキャンプ・ハンフリー(Camp Humphreys)も、文在寅政権になって機能を発揮し始めた。
しかし、そのいずれもが「米軍撤収→先制攻撃」という北朝鮮を脅す米国の武器になったのです。北朝鮮や親北政権よりも、その陰謀を逆手に取った米国の方が一枚上手、ということです。
(略)
~~引用ここまで~~
~~引用ここから~~
米国にとって北朝鮮は狂信的なカルト集団、“先制核攻撃”があり得るこれだけの根拠 韓国・北朝鮮 2019年6月18日掲載(デイリー新潮)
米国の「先制核攻撃」の脅迫に北朝鮮がうろたえる。米国の脅しは思い付きではないからだ。米朝の隠れた「核のつばぜり合い」を韓国観察者の鈴置高史氏が対話形式で解き明かす。
手も足も出ない北朝鮮
――北朝鮮は米国の「核も辞さない」姿勢に反応しましたか?
鈴置: 「米国が北朝鮮を先制攻撃するなら核を使うか? その時、韓国は? 読者の疑問に答える」を読んだ多くの人から、そう聞かれました。
答は「イエス」です。5月29日、北朝鮮は米国の核戦力拡充を非難しました。朝鮮中央通信の「朝鮮外務省米国研究所の政策研究室長 力の使用は決して米国の独占物ではない」(5月29日、日本語版)です。
この記事は「最近は(中略)核弾頭搭載が可能な海上発射巡航ミサイルを朝鮮半島の周辺に配備しようとする動きまで見せている」と米国を批判しました。
5月23日、「核弾頭搭載の巡航ミサイル」で威嚇した米国防総省のファンタ(Peter Fanta)副次官補の発言に対し、6日後に反発したわけです。北朝鮮の狼狽ぶりが分かります。
米国が先制核攻撃の体制を整えれば、北は手も足も出なくなる。米国の第1撃により、発射前の核ミサイルを破壊されてしまうからです。北は「核攻撃してきたら、核で反撃するぞ」と凄めなくなります。
韓国の自業自得
――北朝鮮が韓国との軍事境界線沿いに配備したロケット砲は?
鈴置: それらは第1撃ではすべては破壊できないと見られています。砲門の数が極めて多いからです。北朝鮮はこれらで反撃するかもしれません。
しかし、米軍とその家族は射程外の韓国南方に、あるいは韓国から引き上げる方向です(「ついに『在韓米軍』撤収の号砲が鳴る 米国が北朝鮮を先行攻撃できる体制は整った」参照)。
在韓米軍の南方移転、あるいは撤収を実施すれば、米国は北朝鮮に捕られていた「人質」がなくなり、反撃を恐れずに攻撃できるようになります。対北先制攻撃のハードルが一気に下がるのです。
在韓米陸軍の撤収は早ければ、今秋にも始まると見られます(「米軍は韓国からいつ撤収? 北朝鮮を先制攻撃する可能性は? 読者の疑問に答える」参照)。
――でも、ロケット砲はソウルをはじめ韓国に被害を及ぼします。
鈴置: 北朝鮮のロケット砲は韓国軍が叩くことになるでしょう。米空軍も手助けはするかもしれませんが。米韓同盟――米韓相互防衛条約に自動介入条項はありません。米国に北朝鮮から攻撃された韓国を助ける義務は厳密にはないのです。
朝鮮戦争の休戦協定を締結した直後の1953年10月、米韓相互防衛条約が結ばれました。米国は韓国が勝手に北朝鮮を攻撃し、戦争が再発することを強く恐れて自動介入条項は設けなかったのです。韓国の自業自得です。
「米国・日本」VS「北朝鮮」
――そうは言っても、米韓は同盟関係にあります……。
鈴置: 次の戦争――第2次朝鮮戦争は本質的には「米国・日本」VS「北朝鮮」の戦いです。先制攻撃を知らされない韓国は、少なくとも最初は傍観者に過ぎないのです。
米国が先制攻撃を仕掛ける場合、グアムと在日米軍基地、それに海から爆撃機とミサイルを飛ばします。在韓米軍基地は使わない可能性が大きい。
先制攻撃の意図を察知した韓国が北朝鮮に通報する懸念からです。米国は今も韓国を信用していないのです(『米韓同盟消滅』第1章「離婚する米韓」参照)。
そもそも韓国は米国を裏切っています。裏切り者を守るほど米国人はお人よしではありません。北朝鮮のミサイルを迎撃するための米国のTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)基地だって、中国に気兼ねして韓国政府はソウルを守る場所には作らせませんでした。
現在、運用中の南方の基地も「市民」が嫌がらせして道路を封鎖。米軍はヘリコプターを使って補給しています。韓国の側から同盟国であることをやめてしまっているのです(「ついに『在韓米軍』撤収の号砲が鳴る 米国が北朝鮮を先行攻撃できる体制は整った」参照)。
世界的な核戦略の一環
――日本やグアムに向け撃って来るミサイルはどう防ぐのですか?
鈴置: それらが発射されるのを防ぐために米国は核を使うわけです。核兵器なら広範囲を確実に破壊できるからです。それでも発射されたものがあれば、日米の「ミサイルを落とすミサイル」でもって防ぎます。
――核弾頭搭載可能の巡航ミサイルの配備は本気なのですね?
鈴置: 思い付きではありません。米国の世界的な核戦略の一環です。2018年2月、国防総省は「Nuclear Posture Review」(NPR=核戦略見直し)を発表しました。
NPRの2018年版にはちゃんと「米国は短期的には小威力の核弾頭をも搭載できるよう、少数のSLBM(潜水艦発射型弾道ミサイル)を改造する。長期的には核弾頭を搭載した新たなSLCM(海上発射型巡航ミサイル)を配備する」(ページXII)と書かれています。
この報告書の「要約・日本語版」が「海上発射」型と訳しているのでそれに倣いましたが、水上艦だけでなく潜水艦から発射する巡航ミサイルも含むと思われます。原文には「sea-launched cruise missile」とありますから。
「核による脅し」を防ぐ
配備の目的は「ロシア、中国、北朝鮮など核保有国から脅されかねない同盟国に安心感を与えること」です。仮想敵が核を背景に政治的な要求を突きつけたり、侵略してくる可能性が高まっている。
同盟国は脅しや侵略に屈するかもしれない。あるいは自ら核武装に走るかしれない。米国が核兵器で報復してくれる、との確信が持てないためです。
米国の核兵器は戦略核が中心で、下手に使うと大国が核ミサイルを撃ち合う最終戦争を引き起こしてしまう。同盟国はそれを念頭に「ワシントンやNYを攻撃されるリスクを冒してまで、米国が核を使って報復してくれるのか」と疑います。
そこで米国は威力の小さい「戦術核」――米国は「戦域核」と呼び始めましたが――を配備し、仮想敵が「核を使うぞ」と脅してきたら「それならこっちも使うぞ」と言い返せる体制を整えているわけです。
日本人は「核兵器」と「通常兵器」とで区分します。でも、米国の専門家の間では「戦略兵器」と「戦術兵器」で分ける考え方が一般的だそうです。つまり「威力の小さい核」は「戦術兵器」であり、「核」とはいえ使用のハードルが低い。
「極限状況」なら核で先制
――なぜ、海から発射する「戦域核」なのでしょう。
鈴置: 地上から発射する核ミサイルや、爆撃機に載せる核爆弾は使い勝手が悪い。日本は核兵器の持ち込みを拒否しています。
韓国の保守の一部は戦術核の再配備を求めていますが、文在寅(ムン・ジェイン)政権が反対するのは確実です。北朝鮮の顔色を見て、在韓米軍さえ、追い出そうとしているぐらいですから。
それに海から撃つミサイルなら、艦船に載せて容易に動かせます。例えば、南シナ海から朝鮮半島周辺海域にすぐに持って行けるのです。
――核による先制攻撃は許されるのですか?
鈴置: この報告書――NPRの2018年版は以下のように書いています。
・米国は、米国と同盟国、パートナー国の利益を守るにあたって極限的な状況にある際にのみ、核兵器の使用を考慮する(ページVIII)。
要は、北朝鮮が核を使おうと使うまいと、米国が「極限的な状況」と判断すれば核を使う、ということです。
日本を核で脅す北朝鮮
一方、北朝鮮は米国や日本に対し、すでに核の先制使用を宣言しています。2016年3月6日、北朝鮮は翌7日からの米韓合同軍事演習を非難し「やめないと正義の先制核攻撃を実施する」と宣言しました。
日本に対しても2017年9月17日、朝鮮中央通信が「朝鮮アジア太平洋平和委員会 敵対勢力の新たな制裁圧迫を非難」で以下のように威嚇しました。
・日本は自らの立場をはっきりと悟り、これ以上米国の手足として醜悪に振る舞うことは止めねばならない。
・日本反動層に対する骨髄に徹する恨みを抱いているわが軍隊と人民は、米国にへつらって反共和国制裁騒動に先頭で加担してきた現日本当局の罪科まで徹底的に清算する時だけを待っている。
・我々の水素爆弾の実験成功以来、驚き慌てる日本の醜態にはやはり、むかつかざるを得ない。
・人々はそれが軍事大国化実現に拍車をかけるための浅薄な計略と見抜いている。
・日本は、恐ろしい打撃力と命中効果を持った多種多様な原爆と水爆、弾道ミサイルを保有した世界的な軍事強国である朝鮮民主主義人民共和国が、最も近くにあることを心に刻まなければならない。
「核攻撃されたくないなら米国に追従するな」とはっきりと脅したのです。2017年5月に親北反米の文在寅政権がスタートして以降、北朝鮮は核による脅迫の照準を日本に絞りました。
NPRの2018年版が懸念した「核を背景に政治的な要求を突きつける」行為がすでに始まっているわけです。
狂信的カルト集団には武力
――話し合っている最中の国に対し、米国が先制攻撃を仕掛けるものでしょうか。
鈴置: 北朝鮮は米国にとって「国」ではありません。金正恩(キム・ジョンウン)委員長が率いる「狂信的なカルト集団」です。
2017年11月8日、トランプ(Donald Trump)大統領が韓国国会での演説でそう規定しました。「トランプ大統領の韓国国会演説のポイント(1)」をご覧下さい。
米国人の青年を拷問し死に至らしめた。外国人を誘拐してスパイの教師にする。10万人を強制収容所に収容し、劣悪な環境下で働かせる――。こんな具体例を豊富にあげて「狂信的カルト集団」と断じたのです。
そんな北朝鮮は武力で制圧すべき存在であり、宣戦布告の必要もないのです。犯罪者が立てこもる建物に突入する際、事前通告する警察はありません。
だから「朝鮮半島周辺海域にF35とF18を搭載した3隻の巨大な空母が、適切な海域には原潜が展開中だ。私は力を通じた平和を求める」と戦争を辞さない姿勢を明確にしたのです。(「トランプ大統領の韓国国会演説のポイント(2)」参照)
再び脅し始めたトランプ
――でも今や、トランプ大統領は金正恩委員長を恋人扱いしています。
鈴置: 金正恩委員長への罵倒をやめ、「恋人扱い」するのは委員長を懐柔するために過ぎません。米国内の世論対策からでもあります。「核を持つ狂信的な集団のリーダーを大統領が口汚くののしれば、核戦争を誘発しかねない」との批判が米国にはあります。
トランプ政権の中枢部の1人は「そうした批判に配慮し、大統領の発言をマイルドな表現に変えた」と福井県立大学の島田洋一教授に説明したそうです。島田教授は「日本でボルトン(John Bolton)大統領補佐官に最も近い」と言われる人です。
その「金正恩委員長に優しい」トランプ大統領が最近、微妙に発言を変えています。6月12日の会見です。
多くのメディアはトランプ大統領が米朝首脳会談の開催に関し「急がない」と語った部分に注目し、見出しをとりました。確かにそう述べています。ただ、こうも述べたのです。
・私が大統領に就任した時「北朝鮮との戦争になりかけている」と言ったものだ。それは恐ろしく無慈悲なものになっただろう。我々は世界で一番強い力なのだ。
あからさまに武力で威嚇したのです。「恋人」に対する態度ではありません。2018年6月の米朝首脳会談以降、初めての威嚇です。
時間を稼ぎ終わった米国
――何があったのでしょうか?
鈴置: 2つ考えられます。まず、北朝鮮がイランに核弾頭の素材となるプルトニウムや濃縮ウランを売った、とされる事件です(「米軍は韓国からいつ撤収? 北朝鮮を先制攻撃する可能性は? 読者の疑問に答える」参照)。
この事件は大っぴらには語られませんが、専門家の間では常識となっています。まず、これへの警告でしょう。
2つ目が、NPRの2018年版が提唱した「海から発射する戦域核」体制の完成と思われます。米国はいつでも先制核攻撃できるようになったんだぞ――と肩をそびやかしたわけです。
金正恩委員長にすれば、米国に時間を稼がれてしまった。米朝首脳会談に応じて核・ミサイル実験を中止しているうちに、先制核攻撃の体制を作られてしまったのです。
トランプ大統領の「(次の米朝首脳会談は)急がない」との発言は「もう、米国には首脳会談を開いて話し合う必要はない。後はお前が譲歩して完全に核を放棄するだけだ。いやなら核で攻撃するぞ」と聞こえたでしょう。
翌6月13日の労働新聞は「自主の旗印を高く掲げて勝利だけを収めていく」と訴えた署名入り論説を載せました。「核で脅されても譲歩はしない」と言い返したのです。
~~引用ここまで~~
日本は既に北朝鮮に核兵器の使用をちらつかせて脅されている。その脅威を片付けてくれることはありがたいことだ。
しかし核兵器で脅されているにも関わらず、米国の戦術核使用には躊躇してしまうところが日本人的な考えだろうか。
安倍晋三と自民党はトランプの戦術核使用には実際に使用されれば支持するだろう。安倍晋三と自民党には米国追随しかないから。
しかし先制核攻撃で北朝鮮の脅威を除去してくれた米国に対して日本人はどのような反応を示すだろうか。悪漢を射殺した警察官と思えるだろうか。わからない。
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