面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

種苗法改正はやはり危険ではないか

2020-05-22 23:48:39 | 政治
政府は柴咲コウなどのツイートで否定的な声が高まったことを受けて種苗法改正を見送ることを決めた。いちごやマスカットを品種改良したものを韓国に盗まれたことを防ぐという趣旨は分かるのだが、安倍晋三が本当に農家のことを考えているかは疑問である。それならば「種子法」を廃止するはずがないからだ。

奥原正明農林水産省前事務次官は日本の農業を破壊した。彼を事務次官に引き立てたのは菅義偉官房長官だ。

~~引用ここから~~
日本の農業を亡ぼした男(三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」)

(略)

そして、農協改革、TPPといった、明らかに日本国民の食料安全保障を破壊する政策を推進したことで、「傍流」であり、もはや農水省のトップに就くことはあり得ないといわれていた人物が、官邸の覚えめでたく、具体的には菅官房長官に引っ張り上げられる形で、農林水産省の事務次官の座を射止めました。

 その人物こそが、奥原正明なのです。

 昨年11月の、唐突な「全農解体構想」や、種子法廃止。この手の日本の農業をぶち壊す政策は、奥原が糸を引いていると考えて構いません。

 そもそも、農林水産省がTPP、農協改革、全農解体、種子法廃止、さらには酪農の指定生乳生産者団体制度の破壊等を推進するのは奇妙な話なのですが、ほぼ全て奥原の意図によるものです。ちなみに、良心ある農水官僚が、日本の農業や酪農を守るべく動こうとすると、普通に左遷されます。そのように、奥原から警告されるそうです。

 ついでに、規制改革推進会議で日本の農業を「ビジネス」に変えるべく動いているのが、農業のド素人である金丸恭文(フューチャー会長)です。

 菅官房長官、奥原事務次官、そして金丸恭文。この三名が、アメリカの商工会議所やパソナの竹中平蔵、オリックスの宮内義彦、元ローソン社長の新浪剛史らと組み、日本の農業を破壊する「構造改革」を実施しているのでございます。

 農協改革や種子法廃止以外にも、農業特区における「派遣社員」としての外国人労働者導入、養父市の農業とっくにおける企業の農地取得(オリックスが買いました)、新潟の農業とっくにおけるローソンのコメ生産など、彼らの利益にしかならない政策が推進されているのが、現在の安倍政権の現実です。

 日本の農業は、奥原を中心とした構造改革はにより滅びることでしょう。

 我が国の食料安全保障を守りたいならば、奥原を中心とする構造改革派を「政治家」が駆逐しなければなりません。

(略)
~~引用ここまで~~


奥原正明は事務次官を退いたが、後任の末松広行も奥原路線の継承者だ。種苗法改正が農家のためになるとはとても思えないのである。

~~引用ここから~~

種苗法改正 農業崩壊にならないか

 国の登録品種から農家が種取りや株分けをすることを禁ずる改正種苗法案が、大型連休明けにも国会の審議に入る。国民の命を育む食料の問題だ。

中日新聞 CHUNICHI Web

 


 国の登録品種から農家が種取りや株分けをすることを禁ずる改正種苗法案が、大型連休明けにも国会の審議に入る。国民の命を育む食料の問題だ。コロナ禍のどさくさ紛れの通過は、許されない。

 現行の種苗法により、農産物の新しい品種を生み出した人や企業は、国に品種登録をすれば、「育成者権」が認められ、著作権同様、保護される。

 ただし、農家が種取りや株分け

をしながら繰り返し作物を育てる自家増殖は、「農民の権利」として例外的に容認されてきた。

 それを一律禁止にするのが「改正」の趣旨である。原則容認から百八十度の大転換だ。優良なブドウやイチゴの登録品種が、海外に持ち出されにくくするためだ、と農林水産省は主張する。果たして有効な手段だろうか。

 もとより現政権は、農業に市場原理を持ち込むことに熱心だ。

 米や麦などの優良品種の作出を都道府県に義務付けた主要農作物種子法は一昨年、「民間の開発意欲を阻害する」という理由で廃止。軌を一にして農業競争力強化支援法が施行され、国や都道府県の試験研究機関が保有する種苗に関する知見を、海外企業も含む民間企業へ提供するよう求めている。そこへ追い打ちをかけるのが、種苗法の改正だ。

 対象となる登録品種は、今のところ国内で売られている種子の5%にすぎず、農家への影響は限定的だと農水省は言う。だが、そんなことはない。

 すでに種子法廃止などにより、公共種子の開発が後退し、民間種子の台頭が進んでいる。その上、自家増殖が禁止になれば、農家は許諾料を支払うか、ゲノム編集品種を含む民間の高価な種を毎年、購入せざるを得なくなる。死活問題だ。小農の離農は進み、田畑は荒れる。自給率のさらなる低下に拍車をかけることになるだろう。

 在来種だと思って育てていたものが実は登録品種だったというのも、よくあることだ。在来種を育てる農家は絶えて、農産物の多様性は失われ、消費者は選択肢を奪われる。そもそも、優良品種の流出防止なら、海外でも品種登録をした方が有効なのではないか。何のための「改正」なのか。

 種子法は、衆参合わせてわずか十二時間の審議で廃止になった。種苗法改正も国民の命をつなぐ食料供給の根幹にかかわる問題だ。

 今度こそ、十二分に議論を尽くしてもらいたい。
~~引用ここまで~~


種苗法改正で「農家が種取りや株分けをしながら繰り返し作物を育てる自家増殖」が一律禁止されるのではないか。それを危惧している。「モンサント」から毎年種子を買わねばならなくなるとしたら農家の利益になるはずがない。

種苗法改正は種子法を復活させてからではないか。それが日本の農家のため、農業のためだ。

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