~~引用ここから~~
なぜ日本政府は、これほど野放図に借金できるのか? アベノミクスと異次元金融緩和を継続し、日本銀行が事実上の財政ファイナンス(財政赤字を穴埋めするために中央銀行が国債などを直接引き受けること)を行なっているからだ。しかし、これまた「出口」はない。
(略)
一部のリフレ派やMMT論者は、国債を買っているのは海外マネーではなく主に国内の銀行や生命保険会社で、国の借金の半分は銀行や生保から国債を買い入れている日銀の資産なので問題ないと主張している。だが、銀行や生保は預金者や契約者から預かったカネで国債を引き受けているのだから国民が国債を買っているのと同じであり、結局、この借金を返していくのは国民──今の若者たちであり、これから生まれてくる子供たちなのである。
(略)
日本が経済を立て直して財政を健全化する方策は2つしかない。1つは、ガソリン補助金や詐欺の餌食になった新型コロナウイルス対応休業支援金・給付金のような無駄遣いをしないこと。もう1つは、国債の償還を借り換え・繰り延べでごまかして負担を子や孫に先送りしないことだ。
(略)
~~引用ここまで~~
今更大前研一など相手にしている人はいないだろうが、三橋貴明が批判していたので私も取り上げてみることにする。週刊ポストも大前研一のコラムを打ち切って欲しいものだが、何かしがらみがあるのだろうか?
財政破綻論者は生まれては消え、また新しいのが出てくるのだが、大学教授でもないくせに大前研一はしぶとく生き残っている。誰かしらファンがいるのだろうか?週刊ポストに連載を持ってはいるが、久々に名前を聞いたくらいなのだが。まあひとつずつ論破していこう。
>日本銀行が事実上の財政ファイナンス(財政赤字を穴埋めするために中央銀行が国債などを直接引き受けること)を行なっているからだ。
財政破綻論者は日銀の国債引き受けを「財政ファイナンス」などと批判するが、「財政ファイナンス」などという呼称がそもそもナンセンスなのだ。財政は英語にするとファイナンスだからだ。つまり「ファイナンスファイナンス」になる(財政財政でも良いが)。
繰り返しに意味などあるまい。中央銀行が国債を引き受けることは別に禁じ手でもなんでもない。国債を国民が買おうが、銀行・生保が買おうが、外国人が買おうが、自国通貨建ての国債は同じである。インフレにさえならなければ良いのだ。それがMMTである。
>一部のリフレ派やMMT論者は、国債を買っているのは海外マネーではなく主に国内の銀行や生命保険会社で、国の借金の半分は銀行や生保から国債を買い入れている日銀の資産なので問題ないと主張している。だが、銀行や生保は預金者や契約者から預かったカネで国債を引き受けているのだから国民が国債を買っているのと同じであり、結局、この借金を返していくのは国民──今の若者たちであり、これから生まれてくる子供たちなのである。
また藁人形論法だ。リフレ派もMMT論者もそのようなことは主張していない。勝手に相手の主張を決めつけそれを否定して論破したつもりになる詭弁である。
国債は借金ではない。財政破綻論者は子供に借金を押しつけるなと繰り返しいうが借金ではないのだ。自国通貨建ての国債は通貨の発行量を増やすことと変わらない。つまり供給力が十分であれば何の問題にもならないのだ。むしろデフレであれば国債発行を増やして歳出を増やし、需要不足を補わねばならない。積極財政派はそれを100万回繰り返して主張してきたが、財政破綻論者には届かない。財務省には届いているだろうが、財務省はそれを理解しながら無視している。
>日本が経済を立て直して財政を健全化する方策は2つしかない。1つは、ガソリン補助金や詐欺の餌食になった新型コロナウイルス対応休業支援金・給付金のような無駄遣いをしないこと。もう1つは、国債の償還を借り換え・繰り延べでごまかして負担を子や孫に先送りしないことだ。
大前研一の主張を実行すれば日本経済は破綻する。それは確実だ。つまりこれは基礎的財政収支の黒字化に他ならないからだ。「無駄遣い」と財政破綻論者は主張するが、歳出を減らせば需要不足はさらに深刻化し、経済はさらに縮小してしまう。それがこの失われた30年ではなかったか。国民の所得は深刻に減少している。
国債の借り換えは誤魔化しではない。当たり前のことだ。日本だけがしていることではない。資源国ではない先進国は全て国債は借り換えで先送りしている。国債を返す必要はないし、返してはならないからだ。国債を返済すると市中に出回る通貨の量が減ってしまうし、税収から国債を返済すればさらに歳出が減り経済が縮小してしまうからだ。
正直この手の話は積極財政派が100万回繰り返し主張してきた話のはずだが、大前研一のような時代遅れの財政破綻論者には届いていないようだ。週刊ポストもコラムを打ち切ってくれれば良いのだが。
(参考サイト)
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