岸田文雄の自民党役員人事が伝わってきた。マスコミの政界人事予想は大外れすることもざらなのだが、この頃は裏を取るというか、複数の関係者から情報を仕入れてから報道するようにしているようだ。
人事は自民党役員人事だけではなく閣僚人事も含めて評価しなくてはならないが、特別国会の召集が10月4日なので組閣はさらに遅れる。
マスコミからじわりじわりと閣僚人事の情報も報道されるだろうが、決定していない閣僚人事情報を評価・分析しても仕方ない。私はマスコミ人ではないのだ。今の段階では自民党役員人事から岸田文雄政権を評価するしかない。それも難しいのだが。
党の要の幹事長と内閣の要の官房長官、そして減税か歳出拡大をするかの権限を持つ財務大臣の人事で岸田文雄が期待できるかわかる。
幹事長に甘利明とは正直期待外れだ。まだ結局「3A(安倍晋三、麻生太郎、甘利明)」が権力を握っていることの証左だからだ。だがこれだけで見限るのは早いだろう。仮に岸田文雄が傀儡の内閣総理大臣だとしても積極財政さえ実行してくれれば良いからだ。
中曽根康弘も田中曽根内閣などと呼ばれ田中角栄が背後にいたが、人事で田中角栄の子分を重用することで自分のやりたい政策、金持ち・大企業優遇の新自由主義政策を存分にできた。
政界人事はある程度は派閥均衡ないし実力者へ配慮する必要があるのだ。そうでなくば政権が持たない。第一次安倍晋三内閣で安倍晋三は「お友達」人事をやったが、自民党にそっぽを向かれてにっちもさっちもいかなくなった。
政権末期は「お友達」を閣僚にしたはずなのに、首相が閣議室に入室しても閣僚が起立しない「学級崩壊」という有り様だった。案の定参議院通常選挙で敗北して総辞職に追い込まれた。
政調会長に高市早苗を当てたことは評価できる。官房長官か財務大臣の方が良かったが。政調会長として基礎的財政収支の黒字化目標の「凍結」ないし「先延ばし」(本当は「破棄」が望ましい)をして、積極財政に舵を切れる人事だからだ。だが岸田文雄の心意はわからないのでまだ評価は下せない。
総務会長に福田達夫を抜擢したのは面白い人事だ。中堅・若手の抜擢を明言していたから若手(54歳だが)のホープである福田達夫を総務会長に抜擢した。総務会長はどちらかというと長老議員のポストであり、党四役でありながら権限はあまりない。
総務会は自民党の最高意思決定機関だが、総務会長が自身の意向をあまり反映させることはできない。「議長」でしかないのだ。米国の「議長」はそれなりに権限があるが、日本の「議長」はほぼ名誉職だからだ。
結局は中堅・若手の抜擢をしているというポーズに過ぎないかもしれない。
他に広報本部長に河野太郎。この人事は「座敷牢」人事だろう。河野太郎を全くの無役にして野に放つのは怖いが、権限も与えない。
人事の理由を聞かれれば河野太郎はツイッターなどで「発信力」があるとの評価なので「広報本部長」に就けたと説明するのだろう。総裁選中に争った他の3人を重用すると明言したのでそれも無役にできない理由だ。
あまり重要ではない閣僚、法相辺りにしても良かったのではないかと思うが河野太郎のことは好きではないのでこの人事に異は唱えない。
私は法務大臣の職を「重量級」にしたいと考えているのだが。
法務大臣かくあるべし - 面白く、そして下らない
河野太郎自身も政務ばかりだったので、党務に従事して「雑巾掛け」をするのも次に繋がるかもしれない。緊縮財政、構造改革派の河野太郎に内閣総理大臣になられては困るのだが。
岸田文雄への評価は麻生太郎を財務大臣から外すことができるか、だ。麻生太郎は財務官僚の言いなりで、ゴリゴリの緊縮派だ。首相時代は積極財政的なことも言っていたのだが。それで9年も財務大臣をやっている。これで経済が良くなるはずがない。
また麻生太郎は重要ポストに囲い込むことで、言うことを聞かせられる政治家でもない。首相経験者の長老議員だからだ。無役にするのが最善だ。そうしなければ新自由主義からの転換_積極財政はできない。
安倍晋三も無役で良い。安倍晋三は内閣総理大臣を憲政史上最長の期間やったのでもうポストには興味がないだろう。キングメーカーとして君臨したいだけだ。もういい加減引退しろと思うが。
財務大臣。経済財政担当相の人事も重要かもしれない。わざと緊縮財政派を就けて岸田文雄自身が説得することで党内の緊縮財政派を抑える手法もあるにはある。
しかし緊縮財政派を財務大臣や経済財政担当相に就けたなら岸田文雄には新自由主義からの転換_積極財政はできないと判断を下したい。もうすぐ総選挙だからだ。見極める時間はない。
自民党人事ではここまでしか評価できない。財務大臣人事を待ちたい。人事から岸田文雄が評価出きるか判断する記事にするのも組閣を待っても良かったが、待ちきれないところがあった。
だがまあ自民党は総裁選でメディアジャックに完全に成功している。総選挙では自民党が勝つだろう。岸田文雄が積極財政をできなくとも。
総選挙は自民党の勝ちだ - 面白く、そして下らない
人事は自民党役員人事だけではなく閣僚人事も含めて評価しなくてはならないが、特別国会の召集が10月4日なので組閣はさらに遅れる。
マスコミからじわりじわりと閣僚人事の情報も報道されるだろうが、決定していない閣僚人事情報を評価・分析しても仕方ない。私はマスコミ人ではないのだ。今の段階では自民党役員人事から岸田文雄政権を評価するしかない。それも難しいのだが。
~~引用ここから~~
岸田新総裁 自民党四役に甘利氏や高市氏など起用の意向固める | NHKニュース
【NHK】自民党役員人事で、岸田新総裁は、党四役を固めました。▼幹事長に甘利・税制調査会長、▼総務会長に当選3回の福田達夫・衆議院…
NHKニュース
自民党役員人事で、岸田新総裁は、党四役を固めました。
▼幹事長に甘利・税制調査会長、
▼総務会長に当選3回の福田達夫・衆議院議員、
▼政務調査会長に高市・前総務大臣、
▼選挙対策委員長に遠藤・元オリンピック・パラリンピック担当大臣を
起用することにしています。
自民党の岸田新総裁は、10月1日に党役員人事を決定することにしていて、これまでに党四役を固めました。
▼幹事長には総裁選挙で陣営の幹部を務めた麻生派の甘利・税制調査会長、
▼総務会長には細田派で当選3回の福田達夫・衆議院議員、
▼政務調査会長には総裁選挙で争った無派閥の高市・前総務大臣、
▼選挙対策委員長には谷垣グループの遠藤・元オリンピック・パラリンピック担当大臣を起用する意向を固めました。
また、
▼国会対策委員長に総裁選挙で岸田氏の推薦人となった細田派の高木・衆議院議院運営委員長、
▼組織運動本部長に竹下派の小渕・元経済産業大臣、
▼広報本部長に総裁選挙で争った麻生派の河野・規制改革担当大臣を起用する意向を固めました。
岸田氏は、引き続き、10月4日に召集される臨時国会での総理大臣指名選挙に向けて、官房長官など、閣僚人事を急ぐことにしています。
~~引用ここまで~~
党の要の幹事長と内閣の要の官房長官、そして減税か歳出拡大をするかの権限を持つ財務大臣の人事で岸田文雄が期待できるかわかる。
幹事長に甘利明とは正直期待外れだ。まだ結局「3A(安倍晋三、麻生太郎、甘利明)」が権力を握っていることの証左だからだ。だがこれだけで見限るのは早いだろう。仮に岸田文雄が傀儡の内閣総理大臣だとしても積極財政さえ実行してくれれば良いからだ。
中曽根康弘も田中曽根内閣などと呼ばれ田中角栄が背後にいたが、人事で田中角栄の子分を重用することで自分のやりたい政策、金持ち・大企業優遇の新自由主義政策を存分にできた。
政界人事はある程度は派閥均衡ないし実力者へ配慮する必要があるのだ。そうでなくば政権が持たない。第一次安倍晋三内閣で安倍晋三は「お友達」人事をやったが、自民党にそっぽを向かれてにっちもさっちもいかなくなった。
政権末期は「お友達」を閣僚にしたはずなのに、首相が閣議室に入室しても閣僚が起立しない「学級崩壊」という有り様だった。案の定参議院通常選挙で敗北して総辞職に追い込まれた。
政調会長に高市早苗を当てたことは評価できる。官房長官か財務大臣の方が良かったが。政調会長として基礎的財政収支の黒字化目標の「凍結」ないし「先延ばし」(本当は「破棄」が望ましい)をして、積極財政に舵を切れる人事だからだ。だが岸田文雄の心意はわからないのでまだ評価は下せない。
総務会長に福田達夫を抜擢したのは面白い人事だ。中堅・若手の抜擢を明言していたから若手(54歳だが)のホープである福田達夫を総務会長に抜擢した。総務会長はどちらかというと長老議員のポストであり、党四役でありながら権限はあまりない。
総務会は自民党の最高意思決定機関だが、総務会長が自身の意向をあまり反映させることはできない。「議長」でしかないのだ。米国の「議長」はそれなりに権限があるが、日本の「議長」はほぼ名誉職だからだ。
結局は中堅・若手の抜擢をしているというポーズに過ぎないかもしれない。
他に広報本部長に河野太郎。この人事は「座敷牢」人事だろう。河野太郎を全くの無役にして野に放つのは怖いが、権限も与えない。
人事の理由を聞かれれば河野太郎はツイッターなどで「発信力」があるとの評価なので「広報本部長」に就けたと説明するのだろう。総裁選中に争った他の3人を重用すると明言したのでそれも無役にできない理由だ。
あまり重要ではない閣僚、法相辺りにしても良かったのではないかと思うが河野太郎のことは好きではないのでこの人事に異は唱えない。
私は法務大臣の職を「重量級」にしたいと考えているのだが。
法務大臣かくあるべし - 面白く、そして下らない
河野太郎自身も政務ばかりだったので、党務に従事して「雑巾掛け」をするのも次に繋がるかもしれない。緊縮財政、構造改革派の河野太郎に内閣総理大臣になられては困るのだが。
岸田文雄への評価は麻生太郎を財務大臣から外すことができるか、だ。麻生太郎は財務官僚の言いなりで、ゴリゴリの緊縮派だ。首相時代は積極財政的なことも言っていたのだが。それで9年も財務大臣をやっている。これで経済が良くなるはずがない。
また麻生太郎は重要ポストに囲い込むことで、言うことを聞かせられる政治家でもない。首相経験者の長老議員だからだ。無役にするのが最善だ。そうしなければ新自由主義からの転換_積極財政はできない。
安倍晋三も無役で良い。安倍晋三は内閣総理大臣を憲政史上最長の期間やったのでもうポストには興味がないだろう。キングメーカーとして君臨したいだけだ。もういい加減引退しろと思うが。
財務大臣。経済財政担当相の人事も重要かもしれない。わざと緊縮財政派を就けて岸田文雄自身が説得することで党内の緊縮財政派を抑える手法もあるにはある。
しかし緊縮財政派を財務大臣や経済財政担当相に就けたなら岸田文雄には新自由主義からの転換_積極財政はできないと判断を下したい。もうすぐ総選挙だからだ。見極める時間はない。
自民党人事ではここまでしか評価できない。財務大臣人事を待ちたい。人事から岸田文雄が評価出きるか判断する記事にするのも組閣を待っても良かったが、待ちきれないところがあった。
だがまあ自民党は総裁選でメディアジャックに完全に成功している。総選挙では自民党が勝つだろう。岸田文雄が積極財政をできなくとも。
総選挙は自民党の勝ちだ - 面白く、そして下らない
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