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広島県教委は21日に公表した内部調査結果で、県立学校の図書館リニューアル事業の指導を依頼している児童文学評論家の赤木かん子氏(東京)との取引に「違法性はない」と結論付けた。ただ、赤木氏が関わった15校で、改装に伴い11万冊余りの蔵書を廃棄。学校現場からは、代わりに小学生向けの赤木氏の著書を購入させられたなどといった不満の声が出ている。
高校に小学生向けの本や紙芝居
県教委は2018~22年度、県立高22校などで図書館をリニューアルした。改装後、来館者数が増えた▽本を活用して調べる生徒が増えた▽授業での利用が増えた―と評価する学校もある。平川理恵教育長は「学校を変える一つの方法として有効だ」と成果を強調している。
県教委は、赤木氏が関わった15校で11万1490冊を廃棄したと説明する。代わりに購入したのは1万3千冊。各校とも赤木氏が作成したリストから本を買った。その中には自身の著書で小学生向けの本や紙芝居もあったという。
県教委は「どの本を買うかは最終的に校長が決める」とする。しかし県西部の男性教員は「小学生向けの本は高校生には合わない。県教委に相談したが、買うように言われた」と証言する。別の県西部の男性教員は「赤木氏の指示に従って廃棄した本の中には、古くても良書があった。本当に捨てていいのか最後まで迷った」と残念がる。
1体1万円のぬいぐるみも
各校の図書館を装飾するパネルや1体1万円のぬいぐるみも、赤木氏が指定する埼玉県の業者から購入している。赤木氏は、中国新聞の取材に対し「約20年の図書館改装の経験を基に、知的好奇心の刺激や居心地の良い空間に必要なものを選んでいる」と答えた。
県教委はリニューアル事業を始める際に「赤木氏を含む4者を比較検討した」と説明している。ただ、赤木氏は平川氏と10年来の知人で、比較した業者は明らかにされていない。
県東部の女性教員は、赤木氏が学校を訪れた際に平川氏のことを「りえさん」と呼び、親密さをアピールしている印象を受けたという。「現場では赤木氏の機嫌を損ねないようにする心理が働き、疑問や意見があっても物が言えなかった」と振り返った。(久保友美恵)
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広島県教委によるNPO法人との契約が法令違反と指摘された問題で、同法人と同じく平川理恵教育長との親しい関係が指摘されていた別の業者と個人の取引に関する県教委の調査報告書がまとまったことが20日、分かった。指導・助言への謝金や旅費を計1068万円支払うなどしていたが、法令違反はなかったと結論付けた。平川氏は問題を受け、給料の一部を自主返納する方向だ。
県教委は昨年12月、平川氏に絡む不適切な契約などの有無を内部調査する方針を表明。社長を自宅に泊めていた教育コンサルタントのキャリアリンク(大阪市)と、平川氏が横浜市の公立中校長だった時代から関係がある児童文学評論家の赤木かん子氏(東京)が対象になっていた。
複数の関係者によると、キャリアリンクとは2019~22年度、教員研修など12件計3974万円分を委託契約。うち8件が随意契約で、その半数の4件は県規則で入札が必要な100万円を超す事業だったが「極めて個性の強い業務」であり随契でも問題はないなどとした。残る一般競争入札4件にも法令違反はないとした。
同社社長と社員には、県教委の事業に対する助言などで19~22年度に謝金と旅費の計422万円を支出。赤木氏には県立学校の図書館リニューアルの助言などに18~22年度に謝金と旅費の計646万円を支出。謝金は県の規定に基づき1時間5500~5750円を支払い、旅費は一般職員の支給額に準じた。
県教委の委託契約を巡っては、NPO法人との契約2件が地方自治法違反や官製談合防止法違反と外部専門家に指摘された。
平川氏は問題を受け、給料の一部を自主返納する意向だ。不適切な契約に関わった職員1人は懲戒処分する方針。県教委は21日にも調査結果や処分内容を公表する。(河野揚)
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広島県教育委員会の平川理恵教育長のあからさまな腐敗も問題だが、貴重な蔵書11万冊を廃棄したことが何より問題だ。赤木かん子は児童文学評論家とのことだが、貴重な蔵書を廃棄することに躊躇いはなかったのだろうか。
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(略)
自然科学5、社会科学3、文学2の割合でいい
――「主体的・対話的で深い学び」を実現するために探究学習が重視される中、学校図書館の役割が大きくなっています。
それなのに学校図書館の基本的な考えは「1980年代からほとんど変わっていない」のです。30年前の服が並んでいる洋服屋に買いたい服はありますか? 本というのは刷られた瞬間に世界が止まります。データ本はデータが変わったら、法律やスポーツならルールが変わったら使えません。ミステリーなんて、DNAが解析されたので、今は血が1滴落ちていたら犯人がわかってしまいます。時代が緩やかで変化がなければ、本はそのまま使えますが、変化があれば図書館に並べる本も変えなくてはなりません。
(略)
――「図書館自体も変わる必要がある」と言っても、どこから手をつければいいのでしょうか。
図書館の改装で、最初にやる仕事は廃棄。でも、使えなくなった本を捨てるのが、実はいちばん難しい仕事なんです。どんな仕事でもプロになるには10年かかる、といわれますが司書も本を抜けるようになるには10年かかるのです。
――「要らない本」として廃棄するポイントはありますか。
まず郷土資料は保存に回します。学校が昔作った文集みたいなものは、その学校にしかありませんから捨てることはできません。戦争と核に関する本も、まとめて取っておきます。昔流行して、今は読まれなくなった物語は抜くか書庫に入れます。
社会科学と自然科学も、割と判断がしやすいです。まずデータの古い社会科学の本は捨てます。20年前の日本風土記、平成の大合併以前の日本地図、ベルリンの壁崩壊以前の世界史の本などは読むと間違って覚えてしまうからです。でも、ある分野における「最初の本」は、人間が考えるようになったきっかけとして使えたりします。世界最初のコンピューターの本、みたいなものは。
自然科学は、羽毛恐竜が載っていない恐竜の本、冥王星が惑星の仲間に入っている宇宙の本は廃棄です。そうなると06年以前の宇宙の本はほぼ全滅でしょう。でも同じように、ブラックホールという言葉をつくった人、ブラックホールの概念をつくった人の話などは残ります。途中がいらなくなるのです。
(略)
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赤木かん子は古い本の価値というものをまるで分かっていないではないか。こんな人を図書館に関わらせては貴重な蔵書がなくなってしまう。もう11万冊の蔵書が廃棄させられてしまったのだ。取り返しがつかない。
平川理恵は市民団体に広島検察庁に刑事告発されているようだが、広島地検は動くのだろうか。広島県議会でも明らかな腐敗と貴重な蔵書が廃棄させられたことについて調査して欲しいが、望み薄だろう。
しかしこんな小さなことにも利権が発生し、親しい業者、個人に随意契約し、不正が発生するのか。驚くしかない。日本はそれなりに腐敗が少ない国だと思っていたが、思い込みだったかもしれない。
ただ報道されていないだけで小さな不正はあちこちに存在しているのかもしれない。それでも世界的には腐敗が少ないのかもしれないが。
しかしまあ典型的な腐敗ではないか。ウィキペディアによれば平川理恵は横浜市で日本で初めて民間出身の校長になった人物だそうだが、結局不正に走るのか。権力を持つと勘違いしてしまう典型的な人物なのではないか。
この問題は広島県教育委員会の「身内」の調査で終わらせてはならない。広島県議会、広島県警察、広島地検が徹底的に捜査しなければならない。
最高裁が少年事件の記録を破棄してしまったように、日本は貴重な蔵書や記録を弊履のごとく捨ててしまえることに驚くしかない。古い記録や蔵書は歴史そのものではないか。なぜ捨てられるのだ。理解できない。都合が悪いことでも書かれているのか。
この問題は広島県の小さな不正ではない。全国的な問題にしなければならない問題だ。
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