ムルマンスク便り

-夏の完全白夜、冬のオーロラ- ロシア連邦北西部にあり北極圏最大都市ムルマンスク市(ムールマンスク)の現地情報をお届け。

10周年追悼行事「渡辺大剛・あれから10年」開催報告④

2023-07-21 00:00:00 | 様々な話題
当記事が未完のまま(前記事をコピペして放置)アップロードされてしまいました。
スミマセン
只今6月中旬から浴衣7着製作しており、関連品含め8月中旬まで製作がかかりそうです
なぜ浴衣7着も製作しているのかは、後日ブログで報告します
まあ、このような状態で更新が滞っております。

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この記事は2月中旬に予告しました追悼行事「渡辺大剛・あれから10年」の詳細報告です。
これまでの記事は弊ブログの以下の記事をご一読ください。
Харухиса Ватанабэ - 10 лет (渡辺大剛・あれから10年)
故・渡辺大剛さんの慰霊碑の所在地とアクセス
10周年追悼行事「渡辺大剛・あれから10年」開催報告①
10周年追悼行事「渡辺大剛・あれから10年」開催報告②
10周年追悼行事「渡辺大剛・あれから10年」開催報告③

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10周年追悼企画「渡辺大剛・あれから10年」プロジェクトは、ムルマンスク州を縦断リレー式で開催されました。
中国・ウルムチ~ロシア・ムルマンスクの自転車の旅で、故・渡辺大剛さんが果たせなかった残り区間を走破するように。

最後に開催した場所はムルマンスク市です。ムルマンは北方の人々の意味を持つ「ノルマン」の音便、スクは町という意味。つまり「北方の人々の町」。


最後の地は筆者の居住地域なため、出張時のハプニングやアクシデントなどもなく、比較的楽に身軽に取り組めました。

開催場所は、いつもお世話になっている州立学術図書館です。図書館のイベントで演者として参加したり、こちらのイベント開催時も場所を提供してくださっています。5年前にあった、2ヶ国語(日・露)で製作された渡辺大剛さんの追悼サイト「Haruhisa Watanabe Expedition(http://www.haruhisawatanabe.com/)」のプレゼンテーションもここで開催しました。

より多くの方々に来てもらうために、「渡辺大剛・あれから10年」単体だけでなく、手工芸教室、ゲーム、着付け教室を盛り込んだ祭典「Сакура на Севере(北の桜)」の中の1イベントとして共催という形をとらせて頂きました。

広告もしっかりと。公共交通機関の中に掲示したポスターです。弊協会側が作成しました。


図書館側も作成しました。


催場入口には渡辺さんの等身大バナー広告を置き、ご来場の皆様をお迎え。
叶わなかった故人との写真撮影にと用意しました。


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13時になったので、写真展開催です。
ネットなどに出回っている写真だけでなく、生い立ちや旅の写真など未公開のものを展示。

初日に「Мечтатель за той горой(あの山の向こうの夢想家)」を公開しました。
渡辺さんの生い立ちと軌跡などを30分弱に編集した、ドキュメンタリービデオです。
多くの方に観て頂きました。

その後は、日本文化を体験してもらうため、手芸教室、書道教室、着物着付け教室を開催。

着付け教室はいつも人気です。協会メンバーが先ず着物の歴史や着方をレクチャーして、
その後は手分けして参加者に着付けました。
  


書道教室では、先ず歴史や毛筆運びのテクニックを軽くレクチャーしてから、書きました。
カンダラクシャ市とオレネゴルスク市では「旅」「山」など渡辺大剛さんをテーマに書きましたが、
ムルマンスク市では新年明けの開催ということもあり、
テーマは今年の干支である「卯」「うさぎ」を書きました。
 


手芸教室でも内容を少し変えました。
カンダラクシャ市とオレネゴルスク市では栞タイプの姉様人形を作りましたが、
ムルマンスク市では手毬作りにチャレンジ


さらに他市ではしなかったゲームもしました。
テーブルゲームでは、坊主めくりと囲碁将棋。
アクティブゲームでは、けん玉と「達磨さんが転んだ」をしました。
   


b-port他以下のサイトとSNS「フコンタクテ」で告知されました。
https://b-port.com/news/275838
https://www.murmansk.kp.ru/online/news/5078682/
https://ru24.net/murmansk/339424738/
https://nashsever51.ru/afisha/4131

結果報告も以下のサイトでされています。
https://b-port.com/news/276148
https://www.hibiny.ru/murmansk/news/item-v-murmanske-proshli-meropriyatiya-posvyashchnnye-pamyati-yaponskogo-puteshestvennika-haruhisa-vatanabe-281185/
http://www.mgounb.ru/news/4138-zavershilas-bolshaya-poznavatelnaya-programma-sakura-na-severe/
https://news.myseldon.com/ru/news/index/277786208
https://obshestvo51.ru/news/2122
https://mvpmk.gov-murman.ru/news/nat_pol/477892/

クレカ・デビカ・ご当地カード

2023-07-08 12:00:00 | 様々な話題
ロシアにもDC、JBC、AMERICAN EXPRESSなどの各種信販会社はあります。
侵攻開始後SWIFTが停止し、海外の買い物の際カード決済ができなくなって久しいですが、
国内での買い物の際は依然として機能しています。

右側の2つのカードはズベルバンク銀行のもので、シルバーの方は2022年12月が有効期限。
侵攻開始してから、別機関からの給与受取ができなくなったので別口座を開設し、
2027年11月が有効期限のグリーンのカードを貰いました。
(別口座開設までのトラブルについては、後日書きます。)
左側の2つのカードはVTB銀行のもので、上の方は2023年3月が有効期限、下のドル建ての方は2024年3月が有効期限。

左下以外のカードは、現在でも国内決済時に機能してます。
さらに有効期限を過ぎた上2つのカードも、現在でも国内決済時に機能してます。

何だか奇妙な感じです


カードといえば・・・・今年ぐらいからこんなカードが登場しました。
「Единая карта жителя Мурманской области(訳:ムルマンスク州民統一カード)」。
つまり、州民のみ(申請すれば)貰える、ご当地カードです

緑白色に輝くオーロラの下、山とトナカイのシルエットが何とも美しい・・・
ムルマンスク州のスローガン「На Севере - жить(北に生きる)」という戦略計画の一環として開発されたカード。

ロシアの決済システム「МИР(ミール)」を使い、以下のサービスが受けられます。
メリディアンホテルへの宿泊全室30%OFF
州内スキーリゾート利用の割引&迅速手配
図書館の有料サービスが割引or無料
公共交通機関運賃割引
キーロフ名称文化宮殿イベント5%OFF
などなど・・・

VTB銀行、ソブコムバンク銀行、郵便局で手続きすれば、15分で無料で貰えます。
ただ、対象者は14歳以上のロシア国籍を有するムルマンスク州民だけ。
日本国籍の私は、ムルマンスク市に16年住んでる州民ですが貰えません、残念


すでに1万人を越える州民に発行され、大活用されているらしい。
侵攻開始後、商機ダダ落ちしていただけに、ビジネスチャンスと捉え、参加する企業が今後も増えそうです。

==地元紙SeverPost.ruが報じたニュース==
ムルマンスク地域では、ご当地カードを利用したミール決済システムの効果により、2 か月間で旅行代金が 350 万ルーブル以上節約されました。
(中略)ムルマンスク地域の居住者が 1 枚のカードで支払う場合、乗客の特典は 11 ルーブルです。 結局のところ、ミールシステムによる割引はカードの料金に追加されます。
=====================

全露で都市経済「スマートシティ」のデジタル化の発展への貢献に対する、第1回全国コンペもあったとか。
全露51箇所200を超える応募機関があり、約100件の応募が最終審査に進み、
ムルマンスクのご当地カードが「デジタル住民カード」部門にノミネートし、銅賞を受賞したそうな。

まあ、おめでとう。

10周年追悼行事「渡辺大剛・あれから10年」開催報告③

2023-07-02 00:00:00 | 様々な話題
この記事は2月中旬に予告しました追悼行事「渡辺大剛・あれから10年」の詳細報告です。
これまでの記事は弊ブログの以下の記事をご一読ください。
Харухиса Ватанабэ - 10 лет (渡辺大剛・あれから10年)
故・渡辺大剛さんの慰霊碑の所在地とアクセス
10周年追悼行事「渡辺大剛・あれから10年」開催報告①
10周年追悼行事「渡辺大剛・あれから10年」開催報告②

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10周年追悼企画「渡辺大剛・あれから10年」プロジェクトは、ムルマンスク州を縦断リレー式で開催されました。
中国・ウルムチ~ロシア・ムルマンスクの自転車の旅で、故・渡辺大剛さんが果たせなかった残り区間を走破するように。

次に開催した場所はオレネゴルスク市という町です。オレネはロシア語でトナカイ、ゴルスクは町という意味。つまり「トナカイの町」。

11月25日。朝10時にムルマンスク駅を出発して、昼12時頃オレネゴルスク駅に到着。
カンダラクシャよりも近いので、少し楽です。

駅には、今回会場となる市立中央図書館職員のスヴェータさんが迎えに来てくださいました。
早速車に乗り込もうと移動したところ、突然のハプニング。
私達のところにが男性が1人来て、身分証提示を求めてきたのです。
最初少々パニクりましたが、これはオレネゴルスク市がガルニゾン(гарнизон。軍隊が駐屯している地)と呼ばれる地域であるためです。
市郊外にあるオレネゴルスクー3というところには戦闘機が待機していて、衛星写真でその様子がわかります。
男性曰く、軍事作戦開始後様々な国籍の人が北方へ来るため、警戒しているとのこと。

どこかへ連れて行かれることはなく、私達は市立中央図書館へ向かいました。
中央図書館がある市中心は、駅からちょっと遠くにあるので、車やバスなどの利用が必要です。

中央図書館では、館長のナージャさんらが満面の笑顔で出迎えてくれました。
オレネゴルスク滞在時は、エレーナさんが私の生活面をサポート。
そういえばオレネゴルスクでのイベント手配は、カンダラクシャのときと比べて格段に迅速&スムーズでした。
「ガルニゾンなのに不思議だな」と思い、エレーナさんに質問したところ、
館長は市議会議員もされていて、それで迅速&スムーズにできるんだ、と聞きました。
なるほど、どおりで

既に届いていた展示物を皆で手分けして配置。
図書館には専属の技師もいて、掲示もスムーズ、マイク調節もスムーズ、何もかも滞りありませんでした。

その後はエレーナさんと共に宿泊先へ。
市内唯一の宿泊施設「ゴルニャク(Горняк)」を予約してました。
この施設は2013年秋に追悼サイクリングを開催した際に、ご遺族が利用したところです。

ホテル外観はソ連時代を髣髴させるというか、10年前に利用したので懐かしかったです。
でも内装がガラリと変わってモダンになっていました。

コロナ以前は中国人観光客が押し寄せていたため、外国人客に対してはパニックなく手続き終了。
中国ではオーロラを見ると子宝に恵まれるという言い伝えがあり、特に女性客が多いと聞きました。
でもロビーの人曰く「有害電磁波で逆に子宝に良くないのにねぇ・・・

その晩は近くで夕飯を済ませ、就寝。
翌朝。パンなどで軽く朝食を済ませ、エレーナさんとロビーで待ち合わせ。
イベント開始まで時間が有ったので、図書館まで軽く市内観光をしました。

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さて14時になったので、写真展開催です。
初日と2日目にプレゼンテーションとして、「Мечтатель за той горой(あの山の向こうの夢想家)」を公開しました。
渡辺さんの生い立ちと軌跡などを30分弱に編集した、ドキュメンタリービデオです。
土日だったので、多くの方に来て頂きました。

その後は、日本文化を体験してもらうため、手芸教室、書道教室、着物着付け教室を開催。

手芸教室では、栞タイプの姉様人形を作りました。
30人以上子供達が会場に押しかけ(!)、その多さに戸惑いながらも一緒に作りました。
最後のクリスタルシールで髪飾り、やっぱりウキウキしてましたね

書道教室には、美術学校の生徒さんが挑みました。
絵は各自うちに帰ってから書くとして、毛筆運びのテクニックを一生懸命聞き、一生懸命書いていました。
途中、BGMにLisAの音楽を聞かせたら、リラックスして書けたようです。
こちらもで「鬼滅の刃」、人気のようでした。

着付け教室も多くの人が体験されました。
ナージャさんも着物体験を楽しみにしてくれていて、早速緑の浴衣を着てご満悦。

各種メディアはコムソモーリスカヤプラウダ
https://www.murmansk.kp.ru/online/news/5031112/
をはじめ、Подслушано в Оленегорске、Оленегорский центр социального обслуживания、Комсомольская правда - Мурманск. Новости региона、hibiny.com、Новости Мурманск | Мурманская область、Оленегорск - новости、Редакция газеты "Заполярная руда"が一斉に報道。
中央図書館もサイトで報告。
https://www.ol-cbs.ru/index.php/5152-yaponiya-stala-blizhe
他にオレネゴルスク市庁舎「Администрация города Оленегорска」も、その様子を取り上げてくれました。

10周年追悼行事「渡辺大剛・あれから10年」開催報告②

2023-06-24 12:00:00 | 様々な話題
この記事は2月中旬に予告しました追悼行事「渡辺大剛・あれから10年」の詳細報告です。
これまでの記事は弊ブログの以下の記事をご一読ください。
Харухиса Ватанабэ - 10 лет (渡辺大剛・あれから10年)
故・渡辺大剛さんの慰霊碑の所在地とアクセス
10周年追悼行事「渡辺大剛・あれから10年」開催報告①

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10周年追悼企画「渡辺大剛・あれから10年」プロジェクトは、ムルマンスク州を縦断リレー式で開催されました。
中国・ウルムチ~ロシア・ムルマンスクの自転車の旅で、故・渡辺大剛さんが果たせなかった残り区間を走破するように。
事故地点はカンダラクシャ地域郊外でしたので、そこから最も近い町カンダラクシャ市からスタートしました。
地名の由来は諸説あるようで、「カンダ川畔の町」とか、サーミ語の「«кант(荷袋)»と«лухт(湾)»」の合成語とかから来ているらしい。


11月2日。朝ムルマンスク駅を出発して、昼3時頃カンダラクシャ駅に到着。
250kmも離れているので、移動が大変です。
 


駅には、今回会場となる市立図書館第3分室の室長のカーチャさんが迎えに来てくださいました。
早速大荷物と共に第3分室へ。
数時間かけて全展示物を配置。
  

もうすぐ極夜ということもあり、完成した6時頃には辺りはすっかり暗くなってました。
その後はカーチャさんが宿泊手続きと中心地の案内をしてくださいました。
先ずはお宿。市内最安値の「ベロモリエ(Беломорье)」を予約してありましたので、入館。
ソ連時代を髣髴とさせる、ホテル外観とロビー
 

滅多に来ない外国人客にロビーは少々パニックになってました。
無事手続き終了し、自室へ。
   

  

中もやっぱりソ連感・・・・。ソビエト懐古趣味がおありの方々にとっては、ジワリくる内装でしょう。
その晩は近くで夕飯を済ませ、就寝。

翌朝。ホテルの朝食を摂りにレストランへ。
  

ソビエト懐古趣味の方々の期待を裏切らない「ソ食」でした・・・・(写真左から店内の様子、1日目、2日目の朝食)。

時間が有ったので、周辺を少し散歩しました。
ホテル前は大広場になっていて官公庁施設も有ります。
カンダラクシャ市は市創設から500年も経過しています。
ムルマンスク市より先輩です。
そして国家の肝いり現代化プロジェクト「Национальные проекты」が少しずつ入り、所々デザインアップされてますが、
室長のカーチャさん曰く「昔と全然変わってない」そうです。
   


中心地から少し離れると、このような感じです。
やはり「全然変わってない」?
たまに、プロジェクトの1つである壁画アートが見受けられます。
市近くにある白海はベルーガ(シロイルカ)の故郷とされているので、こんなかわいい壁画も登場。
   


市立図書館第3分室に移動し、まだ時間があったので、近くの海辺にも行ってみました。
  

水が透明です。この辺も、観光地にすべく海浜開発が進んでいます。

開始前の腹ごしらえ。分室近くのカフェで昼食。
  

シンプルでしたが、美味しかったです・・・・(写真左から店の外観、1日目、2日目の昼食)。

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さて14時になったので、写真展開催です。
初日と2日目にプレゼンテーションとして、「Мечтатель за той горой(あの山の向こうの夢想家)」を公開しました。
渡辺さんの生い立ちと軌跡などを30分弱に編集した、ドキュメンタリービデオです。
初日は平日なのにも拘らず、多くの方に来て頂きました。
 


その後は、日本文化を体験してもらうため、手芸教室、書道教室、着物着付け教室を開催。

手芸教室では、栞タイプの姉様人形を作りました。
特に子供達に受けて、最後のクリスタルシールで髪飾りするときが一番テンションが上がってました。

書道教室は、渡辺さんを表す漢字をいくつかピックアップし、毛筆を使って書きました。
ちょっと私の気合が入りすぎたようで、見本となる絵の背景画が凝ってしまいましたxxx。
でも皆さんも気合を入れて書いてくれました。

着付け教室も多くの人が体験されました。
いつも思いますが、ロシアの方は全てのサイズが大きく、特に手足が5~10cm長いです。
このため、日本の規格の着物を着せると、ツンツルテンの七分袖ぐらいになってしまいます
通常の和服だとそれじゃアウトですが、その点浴衣は多少短くても構わないのでいいですね。
ロシア人のための浴衣を今度協会メンバーと作りますので、その点をしっかり反映させなくては。
   


カンダラクシャ市は、前回は渡辺さんの追悼サイクリングで訪れ、今回で2回目となります。
いろいろな市民の方と交流できてとてもよかったです。
でも仕事で慌しかったので、今度訪れるときは私用で十分な時間を割いて、いろいろな所を見て廻りたいです。

10周年追悼行事「渡辺大剛・あれから10年」開催報告①

2023-06-17 12:00:00 | 様々な話題
この記事は2月中旬に予告しました追悼行事「渡辺大剛・あれから10年」の詳細報告です。
これまでの記事は弊ブログの以下の記事をご一読ください。
Харухиса Ватанабэ - 10 лет (渡辺大剛・あれから10年)
故・渡辺大剛さんの慰霊碑の所在地とアクセス

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10周年追悼企画「渡辺大剛・あれから10年」プロジェクトは、6月から開始しました。

プロジェクト内容は、以下の3つでした。
写真展(生い立ち、世界七大陸最高峰挑戦などの未公開写真を含む30点)
ドキュメンタリービデオ公開(写真、旅日記、追悼サイクリング、目撃者情報などを盛り込んだ30分ビデオ)
日本文化紹介(書道、手工芸などの普及)

開催地・日程については、以下の3都市でリレー開催
2022年11月3日~11月18日 カンダラクシャ市(ムルマンスク州の中で事故地点から最も近い都市)
2022年11月25日~12月9日 オレネゴルスク市(2013年に開催した追悼サイクリングイベントで宿泊した都市)
2023年1月14日~1月31日 ムルマンスク市(最期の旅の終着点だった都市)
彼の命日である12月26日の開催は、避けました。
こちらでは12月中旬から1月初旬まで新年&クリスマス期間のため、関心が薄くなる理由です。

露のSNS「フコンタクテ」にも特設ページを作り、同SNS上にあるサイクリング、山岳、旅行、日本関連コミュニティにrepostしてもらえるように依頼しました。地元紙の「コムソモリスカヤ・プラウダ」「b-port」や地元サイト「Hibiny.com」などでも告知をしてもらえました。
▼特設ページのTOP画像

▼各メディアの関連記事
道の走破者の最期の旅(ロシア語) https://dzen.ru/a/X6PUWkejSBLO1GGi
悲劇から10年 ムルマンスク州で事故死した「日本のフョードル・コニュホフ」とは(ロシア語)
https://www.murmansk.kp.ru/online/news/5078682/

またムルマンスク市内だけではありますが、イベントに顔出して告知させてもらったりもしました。
写真は、9月27日の「世界ツーリズムの日」に青少年図書館で開催されたイベント「旅行者の日記」での告知の様子です。
通常だったら掴みはいいのですが、昨今の世界情勢のせいで日本は「アウェイ」なので、
告知を聞いてくれた参加者の中には「坊主憎けりゃ袈裟まで」よろしく、筆者の方を明らかに睨んでいる方もいらっしゃいました。
おーこわ
政治と文化は分けましょうね。しかも追悼行事じゃないですか。静かに平和に迎えましょう。


次回はカンダラクシャ開催のときの様子を報告します

ロシアの教育システム

2023-06-10 16:48:43 | 様々な話題
幼稚園生になる
生後2ヶ月から受け付けていますが、園によって通常3歳からが多いようです。
発育状況に応じ、8歳まで通えます。
幼稚園にいきなり押しかけても、引き受けてもらえません。
居住地区の役所に行き、申請してから入園となります。

幼稚園生→1年生に
日本のように「6歳児が必ず小学校入学へ」というわけではありません。
ロシアでは6歳半から8歳までの子供が学校入学し、1年生になります。
ロシアの学校は日本のように、小学校・中学校・高等学校と分かれていません。
でも能力別にこのように分かれています。
①11年一貫の進学校であるギムナジア(1~11年生)
②4年一貫の中堅学校であるプロギムナジア(1~4年生)
③5年生から入学できる7年制の中堅学校リセ(5~11年生)
④普通学校と呼ばれるシコーラ(11年制もあれば9年制もあり)
の3種類があります。
ロシアの学校は、12年制ではなく11年制です。
なので、昔は日本留学の際に募集資格でちょっと引っかかることも以前はあったようです。

それから、ギムナジア・プロギムナジア進学の際に、日本でいうところの内部推薦・進学、一般推薦、一般受験があります。
学校の極周辺に住んでいる又は学校の極近くの幼稚園に通っている子供は、「内部推薦・進学」のような扱いで、優先的に入学できます。
それから障碍を持つ子供も。
学校近くにない幼稚園からの推薦は、一般推薦(否案外コネかも)。
そうでなければ一般受験で合格しければなりません。

一般受験受付は8月頃に学校のHPで告知されます。
申請後はいよいよ受験ですが、日本のように一発試験・一発面接で合否を決めるのではありません。
9月から翌年1月までの5ヶ月間、週2回夕方に学校に通い1時間ぐらい授業に参加します。
月末には確認テストがあります。5ヶ月の期間中、素行問題がなく、成績優秀だった子供が合格できます。


1年生~4年生
この期間は、初等学年と言われています。
体育と英語以外は1人の先生がロシア語、算数、理科社会、音楽、図工などを教えます。


4年生→5年生に
ギムナジア・プロギムナジアの初等学年中に成績・素行の芳しくなかった生徒は、シコーラに移動となります。
プロギムナジアは4年生で修了なので、ギムナジアかリセ、シコーラに移動します。
ギムナジアかリセに転校の際は、勿論試験があります。


5年生~9年生
この期間は、中等学年と言われています。
いろいろな先生が各教科を教えます。
4~5年生→ロシア語、算数、生物、地理、歴史、音楽、美術、技術家庭、文学、英語、体育
7年生から→物理が追加。
8年生から→数学が「代数学」「幾何学」に変更。情報数理、化学、生活安全などが追加。
学校によっては、生徒の負担軽減のため、音楽や美術に転向も可。


9年生→10年生
9年生は在席時にОГЭ(Основной государственный экзамен)というテストを受験します。
日本で言うアテストだと思います。
その結果次第で希望する学校へ転校できます。
進学校にカテゴライズされているギムナジア、リセ、一部のシコーラは、10年次11年次にはПрофильные классы(プロフィリヌィエクラス)と呼ばれ、大学進学コースのようになります。
カレッジと呼ばれる専門学校へ行くコースもあります。
学生達はそれまでに、自分は文系か理系かなど、進路を決めなくてはなりません。
例えば、ムルマンスク市の学校では
ギムナジア第1学校(人文系、工学系)
ギムナジア第2学校(人文系、自然科学系)
ギムナジア第3学校(人文系、自然科学系)
ギムナジア第5学校(自然科学系*ロスネフチ特別コース、工学系、医学系)
ギムナジア第6学校(自然科学系、工学系、社会経済系)
ギムナジア第7学校(自然科学系、工学系、社会経済系、人文系)
ギムナジア第8学校(自然科学系、工学系*交通運輸特別コース、人文系)
ギムナジア第9学校(人文系)
ギムナジア第10学校(工学系、自然科学系、工学系*石油ガス特別コース)、社会経済系)
ムルマンスク国際リセ(自然科学系、工学系、人文系)
ムルマンスクアカデミーリセ(航空系、社会経済系)
ムルマンスク理工学リセ(工学系、医学系、社会経済系)
リセ第2学校(人文系*州調査機関士官候補生特別コース、社会経済系*税関特別クラス、社会経済系*州内務省士官候補生特別コース
カデツカヤ普通学校(防衛スポーツ系)
第5普通学校(医学系、防衛スポーツ系、人文系)
第36普通学校(医学系、工学系、社会経済系)
第57普通学校(工学系、自然科学系、人文系)

10~11年生
大学進学に向けての準備期間です。

11年生→大学生
11年生は5月下旬に卒業式を迎えます。
そして5月末から6月末までЕГЭ(Единый государственный экзамен)というテストを受験します。
日本で言う共通テストだと思います。
その結果次第で希望する学校へ転校できます。

イエス・キリスト復活祭 Иисус Христос Воскресе!

2023-04-16 17:36:33 | 様々な話題
皆様お久しぶりです。

さて4月16日は、ロシア正教におけるイエス・キリスト復活祭です。
イースター、といえば分かるでしょう。
この祭りは正教会の暦により定められているため、毎年開催日が違います。

この日何をするかというと、ざっと粗く説明すれば、
クリーチと呼ばれるデコレーションケーキをパン生地で作る。
ゆで卵を作り、カラフルに着色したり装飾を施したりする。
カッテージチーズとドライフルーツでパスハと呼ばれるチーズケーキを作る。
赤ワインを用意し乾杯する。
クリーチとパスハを切り分けて食べる。
ゆで卵を持ち「Иисус Христос Воскресе!(イスス・フリストス・ヴァスクレーセ:イエス・キリスト復活)」と言いながら、互いの卵をぶつけあって(どっちの卵にヒビが入るか競いながら?)から殻を剥いて食べる。塩でもマヨネーズでもよろし。
中庭ではチューチェロと呼ばれる案山子を用意し、「聖ヨハネ万歳!」と言いながら燃やす。

我が家では以前はパスハも作ってましたが、近年多忙のため、
クリーチは専ら購入。そしてゆで卵を作るだけになりました。
ええ、いいんです。ウチ敬虔なロシア正教信者ではないし、
イベントと文化を楽しむだけなんで。

長い冬からの疲労に加え学校行事と日本文化行事準備などで多忙で、
すっかりグダグダなんですが
何とかゆで卵だけは・・・。
卵は殻が強い褐色のものと、いつもの白色のものを購入します。

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褐色の卵を茹でる
①予め鍋に玉ねぎの外皮、酢大さじ1~2杯、水を入れ沸騰させる。そうすることで玉ねぎの外皮から濃褐色の色素が抽出される。
②その中に卵を置き普通に茹でた後、着色を安定させるために火から外し、そのまま放置。
③冷めたら取り出して水分を拭き取り、コットンに染ませた植物油を殻全体に丁寧に塗る(ツヤッツヤになります)。

この着色方法はバリエーションがあって、
細かく刻んだ外皮と卵を不要のストッキングの中に詰め、緑の着色料と一緒に煮る。→まるでエメラルド原石のような仕上がりに。


浸透しない小さな型(葉っぱなど)と卵を不要のストッキングの中に詰め、一緒に煮る。→小さな型の跡が付いた仕上がりに。



白色の卵を茹でる
①鍋の中に水と卵を入れ、普通に茹でる。
②コップに熱湯と食用色素と小さじ1の酢を入れ混ぜる。
③茹で上がった卵を②のコップに入れ数分放置する。(卵は一旦冷ましてから着色作業に入ってもOK)
④冷めたら取り出して水分を拭き取り、コットンに染ませた植物油を殻全体に丁寧に塗る(ツヤッツヤになります)。


色を染めるのがめんどくさい場合は、市販のデコレーションシートを使う方法があります。
ゆで卵に被せてお玉に載せ、熱湯に潜らせると・・・数秒でシートが変形し、卵にフィットします。


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さてその復活祭の材料を買いに奔走しましたが、問題が起こりました。
どこの店に行ってもそのデコレーションシートと着色剤が売ってないんです
正確に言うと、アニメの「スメシャリキ」のシートは余ってましたが、
私が欲しかった本来の「ホフロマ、グジェリ、フレスコ画のように美し~いプリント」が施されているシートは、
どこにもありませんでした。
こんな年は初めてです。いつもならシーズン後も大量に余るのに。
考えられる原因は、
①インク代の高騰
②モウトニカクホントニ ネ申 束頁 み な方々が乱世を案じ大人買い。
ムルマンスクだけ?皆さんはどう思いますか?


その代わり、
・小麦粉と卵と砂糖が安値で販売。
・市販クリーチが手頃な価格で山のように積まれている。

物価高で喘いでいる日本の方々にとっては、この光景は非常に恨めしいであろうと思います

こんなハプニングに見舞われたため、うちの中を掘って掘って探して探してようやくシートを見つけ、液体着色料はあったので、難を切り抜けました。それでできた卵達が、本記事TOPの写真です。

市中心を散歩

2023-04-02 05:35:41 | 様々な話題
ちょっと前の話しになりますが、正月七日に子供を連れて市中心を散歩しました。

先ずはフクースナ・イ・トーチカで腹ごしらえ
近くにライト広告が表示されていたので、よく見ると(黄色の矢印注目)・・・・

世界最北のレストラン
フクースナ・トーチカ
北緯68度58分東経33度04分
ムルマンスク市
2013年6月28日開店
・・・・・・・・・・・・・。
その日付は、世界最北のマックが誕生した日じゃ
少なくとも2022年って書いてあったら、まだ許せたゎ。
余計に虚しくなるではないか、嘘つき

* * * * * * * * * *


ピャーチウグロフ広場はもう見飽きたので、海港の方に出かけました。
波止場の彼方此方に船や魚やヨールカや・・・お正月とムルマンスクに因んだイルミネーションが新鮮で愛らしかったです。
海港入口にこんなオブジェクトが登場しました。

ムルマンスク-港町
北緯68度58分22.3秒
東経33度05分07.4秒
・・・と海港の緯度経度が記されています。

同様のオブジェクトとして、ムルマンスク市最南端に「北緯68度58分の塔」もあります。
地球の歩き方に掲載されていて、地元民からは「ステラ」の愛称で呼ばれています。
旅行の記念に観光客が寄って撮影していくことが多いですが、ちょっと遠いのが難点。
でも海港入口のオブジェクトはそう遠くありませんので、旅行の想い出に一枚どうぞ。
その前に世界平和を拝みながら・・・日本の皆様がまたいらしてくれるといいんですがね

* * * * * * * * * *


海港に行くには鉄道駅傍の跨線橋を渡るのですが・・・いやはや、それにしても寒いなあ・・・。
最寄のバス停に寄って電光掲示板を見たら・・・、

マイナス19度・・・どおりで
この掲示板はあのなかなか暖房がつかない・扉がなくて寒い・高級マンション一室相当かかったなどで不興を買っているバス待合室の中にあります。
見ててとてもきれいな掲示板ですが、最近は多くの掲示板が故障か何かで表示されていません。
暖房も利いているんだか利いてないんだかビミョーな温度設定で、
まあ地面が融けているんで運転してるんでしょうけど、全然暖かくないんだよなぁ・・・・
まあ、敢えてイイ面見つけてポジティブに言えば、「吹雪除けには役に立っています」。

3月8日は国際女性デー

2023-03-08 16:21:54 | 様々な話題
3月8日は国際女性デーです。

世界的な祝日で、ロシアでもこの日ばかりは男性の皆さんは世界トップレベルの美しさと強さを併せ持つ無敵のロシア女性のご機嫌を損ねないようにプレゼント購入に奔走していらっしゃいました。
粗野かつガチムチイメージで知られるロシア人男性にも弱点があるのは、なんとも微笑ましいです。
下図はSNSでよく出回っている絵「閉鎖されたサークル」です。
ゴキブリはネズミを恐れ、ネズミはネコを恐れ、ネコはイヌを恐れ、犬は男の人を恐れ、男の人は女の人を恐れ、女の人はゴキブリを恐れ・・・


私も家族からそして職場でプレゼントを貰いました。毎年毎年どうもありがとうございます
ミモザという黄色くてカスミ草みたいな花から、清清しい香りが立ち上り、部屋全体に充満しています
色とりどりのチューリップのブーケにも春の到来を感じますねえ。

ご無沙汰しておりました。
プロジェクトが一段落がつきほっとしてましたが、
春が近づき、皆さんの活動も活発になってきたことから、
こちらも徐々に忙しくなってきました。
新規助成金申請とか、期末考査準備とか、日本語能力試験対策準備とか、料理教室手配とか、イベント参加手配とか・・・
昨年度を反面教師にして、なるべく頻度を上げてブログを更新するように心がけます

故・渡辺大剛さんの慰霊碑の所在地とアクセス

2023-02-23 00:00:00 | 様々な話題
いやー
日本とそう変わらない気温でウホウホしてたら、
今週火曜から大寒波到来。
現地時間2月23日0時のムルマンスク市中心地の気温は、マイナス25℃
正月7日にもこんな気温になりました。
これで今期2度目の大寒波。
今週末まで続くそうです。
いまロシアの伝統行事マースレニツッア週間なのに・・・。

更に天気予報によると、
来週から1週間気温が0度近くになるけど、
風速20m前後の強風が吹き荒れるそう

来週の授業はZOOMに切り替えようかな・・・・

さて本題。

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判決文写しによると、幹線道路M-18で交通事故死された故渡辺大剛さんの慰霊碑は、
「カンダラクシャ地域のゼレノボルスキー町からカンダラクシャ市へ向かう車道1128 km+457 m 地点」
だそうです。

でも地元の人も「どこそれ?」とよく訊くし、日本の方々もローカル表現でよく分からないと思うので、位置情報とアクセスをご紹介します。


位置情報
渡辺さんが遺したサイクルコンピューター(位置情報を記録してくれる機器)によると、最後の情報は
北緯 67°00'29.8" (67.00827)
東経 32°12'40.8" (32.21133)
高度 71.81m

です。これは先日のブログでご紹介したクザクコフさんが記した位置画像情報と視覚的に一致します。

カンダラクシャ市から事故地点まで凡そ24km。幹線道路を挟んだ両側に小さい沼があります。慰霊碑は図中右側の沼のそばにあります。


アクセス情報
近郊電車とバスの2方法があります。

近郊電車で行く方法 (2022年4月7日更新)
カンダラクシャ鉄道駅から近郊電車「Кандалакша-Лоухи(カンダラクシャーロウヒ)」が運行しています。
ルチイ・カレリスキエ(Ручьи-Карельские)駅下車、徒歩15分程度(1km程度)。
でも運行数が非常に少ないのが欠点
  カンダラクシャ駅(18:00) → ルチイ・カレリスキエ駅(18:42) (月木金のみ運行、所要時間42分、75ルーブル)
  ルチイ・カレリスキエ駅(08:57) → カンダラクシャ駅(09:42) (月木金のみ運行、所要時間45分、 75ルーブル)

▲ルチイ・カレリスキエ駅から慰霊碑までのルート。

アフトバスで行く方法 (2022年4月7日更新)
カンダラクシャ鉄道駅から121番系統アフトバスが運行しています.
ルチイ・カレリスキエ(Ручьи-Карельские)停留所下車、徒歩5分程度(200-300m程度)。
  カンダラクシャ停留所 → ルチイ・カレリスキエ停留所(所要時間43分) ※カンダラクシャ停留所出発時間を表示してます。
      09:30 / 13:00 / 16:30 (水金)
      09:30 / 16:30 (月火木土日)
  ルチイ・カレリスキエ停留所 → カンダラクシャ停留所(所要時間43分) ※ルチイ・カレリスキエ停留所出発時間を表示してます。
      08:27 / 11:57 / 15:27 (水金)
      08:27 / 15:27 (月火木土日)
 
▲カンダラクシャ停留所位置。鉄道駅の近くです(左図)。
▲ルチイ・カレリスキエ停留所から慰霊碑までのルート(右図)。

バスの方が便数は多いんですが、それにしても1日3本とは・・・
車や自転車、バイクなどで行った方が便利ですね・・・