ムルマンスク便り

-夏の完全白夜、冬のオーロラ- ロシア連邦北西部にあり北極圏最大都市ムルマンスク市(ムールマンスク)の現地情報をお届け。

尊敬語・謙譲語・丁寧語

2008-04-28 22:39:18 | 日本語教室・日本文化
日本には敬語というめんどくさーい表現があります。

某養成学校で習ったのが、シーソー関係で押さえる方法。自分と相手をシーソーに座らせ、どうしたら相手の位置を上げる(=敬う)ことができるか、考えさせます。
【方法①】相手を持ち上げる
【方法②】自分を押し下げる→相手は自動的にUP
【方法③】シーソー全体を持ち上げる→自分もUPするが、相手をUPできる
の3方法が考えられます。
ちなみに①は尊敬語、②謙譲語、③丁寧語となります。
この方法を教えた上で、その使用範囲(目上、友人、家族)を教えます。

ロシア語ではпожалуйсталимогли быなどをつけたり、動詞を変化させтеなどつけるなどすればよく、そう複雑ではありません。難しいのはむしろ格変化、完了&不完了体、形動詞&副動詞などです。
エスペラント語はBonvoluつけるだけとか、もっと簡単ですが。
まあ、どちらの言語も中途半端な筆者が語学を語るのは、自分で滑稽なんですが。

いま個人で受け持っている中級の生徒さんに対して、敬語を教えています。この生徒さんのみならず外国人にとって最も難しいと言われる文法が、この敬語です。日本には敬語表現があって、しかもバリエーション豊富なので、彼らは尚更頭を抱えてしまうわけですね。

イマドキの人(筆者も含め)がきちんと使い分けているかときかれると、思わずニヤニヤ~ッしてしまいます。でも、イマドキの人がちゃんと使い分けてないからといって、それをアドバイスして生徒さんの気を弛ませるわけにもいかないので、先生も入念な予習&気の引き締めが必要です。

パスハ祭です。

2008-04-27 23:59:59 | 様々な話題
引き続き、パスハです。

27日0時に近づくと、教会から司祭が登場し、キリストの復活を唱えます。
モスクワでは大司教アレクセイ2世が救世主ハリストス大聖堂(Храм Христа Спасителя)でキリストの復活を荘厳に唱えていました(写真左下)。この大聖堂にはプーチン大統領とメドヴェージェフ次期大統領二人も同席。式典は厳かに執り行われました。テレビではこの様子と大司教アレクセイ2世の詞を何度も放送しました。

パスハで必要なのはまず、クリーチ
クリーチとは、円筒形のパンの上に砂糖コートをかけ、アラザンやチョコスプレーなどあしらった、パスハには欠かせないアイテム。(写真)

これと、前出のパスハたまご(Пасхальное яйцо)を準備する家庭が一般的。(写真)

余裕があればカテージチーズを四角すい状に固めレーズンやチョコスプレーなどでデコレするパスハチーズケーキ(Пасха)を用意して復活祭に備えます。

そして当日朝に、次のような順で執り行います。
①各人の頬に右左右とキスをする。
②パスハたまごを持ちお互いのたまごとぶつけ合う。
③「フリストス ヴァスクレーセ!(Христос Воскресе!;キリスト復活!)」と唱え、たまごとクリーチを食す。

我が家では各人大量のクリーチを購入してきました。気がつけばテーブルに14個のクリーチ、14個のパスハたまご・・・。なんでこんなに買ってくるんだー!一人5個担当しなければならない量ぢゃないかー!たまごは近所にもあげましたが、数が倍になって返ってきました・・・。

<<今後の献立>>

4月27日 朝&晩 クリーチ&たまご
4月28日 朝&晩 クリーチ&たまご
4月29日 朝&晩 クリーチ&たまご
4月30日 朝&晩 クリーチ&たまご
5月01日 朝&晩 クリーチ&たまご

まるでお正月のおせち料理のようです。パスハもいいけど、カレーもねッ・・・。

Христос Воскресе!

パスハの準備OK?

2008-04-26 23:59:50 | 様々な話題
4月27日(日)はロシア正教のパスハ祭(英:イースター祭)です。
日にちはロシア正教カレンダーにより毎年違いますが、大体4月最終週日曜に実施するようになっています。

日曜日を迎えるまでの一週間を「受難の一週間」と呼び、特に木曜日は「洗足の木曜日」、金曜日は「受難の金曜日」、土曜日は「聖大土曜日」、そして日曜日は「キリスト復活の日曜日」と呼ばれるそうです。

敬虔な信者はこの一週間、肉類や酒類を摂取しません。豆製のモドキ肉や野菜果物などを摂取し、キリストに忠誠を示し、日曜日の復活まで我慢します。

パスハに合わせて、色とりどりの卵を作りました(写真)。作り方はいたってカンタン。

燻製卵のように暗褐色の卵は、茶色い卵と玉ねぎの外皮を一緒に茹でることで出来ます。
カラフルな卵は、白い卵を予め茹でておいて、酢入り顔料の中にしばらく漬けると出来ます。
青装飾が美しい卵は、プリントされたパスハ用フィルムを白ゆで卵に着せて、お玉に載せ、熱湯の中にさっと潜らせます。

×作られた卵とクリーチは日曜まで食べてはいけません×

筆者はノンポリ&ノンレリーギヤな大飯食らいなので、キリスト復活よりも、色とりどりの卵や購入したクリーチの方が気になり、思わずガン見。

信仰より団子

ムルマンスクのカフェレストラン紹介(6)

2008-04-25 07:00:30 | カフェ・レストラン・グルメ
 このコーナーでは日本料理レストラン以外のカフェレストランを紹介していきます。不定期更新。

 第6回目は、アイスクリームショップ「31(サーティーワン)」をご紹介します。

 「サーティーワン・・・?日本にもあるあのアイスクリームショップ・・・?」とビックリされる方が大半でしょう。そうです。その通りです。日本にもあるあの有名なアイスクリームショップと同じです。それが市中心街にできました。場所はレーニン大通りを挟んでアルクチカホテルの向かいにあります。以前、グリーン色の家電デパート「エルドラド」があったところで、現在はピンク色に塗り替えられてインポート雑貨デパート「Торговый(トルゴーヴィ)」に変わっています。そのピンク色デパートを入り1階奥にこのアイスクリームショップができました。

 メニューは勿論アイスクリーム&シャーベット。専用スプーン1カップで80p(=320円)ぐらい。大変高価なアイスクリームです。でも美味しいですよ。懐かしい。

 ムルマンスクへお越しの際は立ち寄ってみてください。

<アクセス>
 所在地  проспект Ленина д.71
 電話   -


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【連絡】今週よりマルシュルートカの運賃が12→13pに変更になりました。

ひらがな終了

2008-04-23 21:58:16 | 日本語教室・日本文化
今週いっぱいでひらがな終了です。

「あ」から「ん」まではじっくりやりましたが、濁点「が」や半濁点「ぱ」などは点や丸をつけるだけなので、スピードUPしてやりました。生徒さんちょっと疲れ気味?

この時点は拗音「ゃゅょ」がまだだったので、次回予告で拗音つきのひらがな表をチラリチラリみせたら
ま、まだあるの?まだあるの?!
という表情で少々ビビッっていました。かわいいなあ。頑張れ!

次週は確認テストを少ししてから、カタカナ突入です。ついてこれるかなー?(ニヤリニヤリ) 

快晴、緑の岬から。(5)

2008-04-22 04:35:41 | ムルマンスク市・街の表情
アリョーシャの周りをぐるっと回ってくると、黒光りした記念碑があります(写真)。これは大祖国防衛戦争(1941-1945)で果敢に抗った都市に対し、「英雄都市」の称号を授けたというモニュメントです。全部で13基あります。[ ]内は英雄都市としてレーニン勲章と金星記章を授与した日付です。

01.モスクワ[1965.05.08]
02.レニングラード(現サンクトペテルブルク)[1965.05.08]
03.スターリングラード(現ヴォルゴグラード)[1965.05.08]
04.キエフ[1965.05.08]
05.オデッサ[1965.05.08]
06.セバストーポリ[1965.05.08]
07.ブレースツカヤクレーポスチ[1965.05.08]
08.ノボロシースク[1973.09.14]
09.ケルチ[1973.09.14]
10.ミンスク[1974.06.24]
11.トゥーラ[1976.12.07]
12.ムルマンスク[1985.05.06]
13.スモレンスク[1985.05.06]
※以上、ウィキペディア・ロシア版より。

スターリングラードは、最も激しい攻防戦が繰り広げられたとされる地域で、英独露合作映画にもなり、有名ですね。
ムルの授与は意外と遅かったんですね。何ででしょう?

快晴、緑の岬から。(4)

2008-04-21 05:14:32 | ムルマンスク市・街の表情
前出のアリョーシャ像の前には『永遠の火』と呼ばれる、無名戦士の偉業を讃えた消えることのないトーチ台があります。

上から見ると、黒い大きな星のオブジェの中心に穴が開いていて、そこから火が噴出すといった仕組みになっています。恐らくモスクワのクレムリン前にもあると思います。

その『永遠の火』を囲み、雪かきのおぢチャン達が集って暖をとっています。タバコ吸っちゃったりウォッカ煽っちゃったりしてます。イケナイですねー。アブナイですねー。

無名戦士の偉業を讃える火のはずなのに、おっちゃんたち何やってんだぃ。

4月20日は何の日?

2008-04-20 03:30:05 | 様々な話題
今日は何の日?フッフゥ~♪(おもいっきりTV風)

4月20日は、民族主義と反ユダヤ主義を掲げ、ユダヤ人迫害やスターリングラード攻防戦などを起こしたドイツの独裁者、故アドルフ・ヒトラーの誕生日であります。

日本ではあまり取りざたされたりしませんが、ロシアではネオナチというファシズムの復活を願ってやまない人々(主に若者)が、この日前後に活動を活性化させます。ヒトラーの弾圧ターゲットはユダヤ民族でしたが、ネオナチの弾圧ターゲットは外国人、同性愛者や共産党主義者です。とりわけ外国人はターゲットにされます。

ロシアでは主にサンクトペテルブルクやモスクワなど首都圏で活動が良く知られ、時々被害者が出ます。日本人もターゲットにされます。

それで大使館から注意喚起の通達が来ますが、どういうわけか筆者のところにはこれまでに大使館ニュースが来たことが一度もありません。ですので、大使館情報は日本にいるムルパソ仲間から情報を仕入れます(嗚呼回りくどい)。でも一体どうしたことでしょう。大使館には何度もコンタクトしてるのに。ロシアの果てに住む日本人なんざ、別にどうでもよいのでしょうか??(泣)

***

ムルマンスクがヒトラーと関係したことといえば、大祖国戦争(1941年)でしょう。このときヒトラー政権は、北方の不凍港ムルマンスクを占領したいがために、18万5,000個もの爆弾を町に投下し続け、ムルを焦土にしました。
ちなみに東京大空襲時に投下された爆弾数は38万1,300個。数は半分ですが、ムルの町は小さいので、密度で計算してみたら、案外引けをとらないのではないでしょうか。
詳しくはwikiのムルマンスク情報をご覧下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ムルマンスク

ムルマンスクにネオナチ活動があるとか、団体があるとかいう情報は、これまでに一度も聞いたことがありません。ですが、外国なんで行動には注意が必要と思います。

きのう&きょうは、そんなわけで、外出しません。

快晴、緑の岬から。(3)

2008-04-19 19:49:31 | ムルマンスク市・街の表情
緑の岬から見た、コラ湾です。
コラ湾上空を、太陽が眼を突き刺すように強く輝いています。

対岸がアブラム・ムィース(Абрам мыс)。ムィースは岬という意味。以前までムルマンスク⇔アブラム・ムィースを定期船が頻繁に往復していましたが、去年あたりからバス便が誕生&増便したことが影響して、定期船の往復は半分以下になってしまいました。
またそこは、私達が上陸して散策することが禁止されている場所ですが、定期船で対岸の桟橋まで往復するぐらいはできます。運賃はここ数年で急激に高くなり、片道17p(≒68円)。

写真右手がバレンツ海へ繋がる入り江へ。
写真左手がムルマンスク港。クレーン装置が沢山並んでいます。数年前はこの港に原子力砕氷船がドック入りしている姿が確認できましたが、このときは既に退院したようで姿がありませんでした。

快晴、緑の岬から。(2)

2008-04-17 19:00:09 | ムルマンスク市・街の表情
岬の先まで歩くと、巨大な兵士像が建っています。

これは極北祖国防衛隊慰霊碑(ПАМЯТНИК ЗАЩИТНИКАМ СОВЕТСКОГО ЗАПОЛЯРЬЯ:パーミャトゥニク ザシートゥニカム ソヴェーツカヴァ ザパリャーリヤ)と呼ばれるもので、地元の人たちは愛情を込めてこの像のことをアリョーシャ(Алёша)と呼んでいます。

タクシーでこの像までいらっしゃったり、道を尋ねる際は「アリョーシャ」って言わないと、地元民はわからないかもしれません。

高身長のため、岬でなくても街中でも彼の姿をみることができます。
何を隠そう、ムルマンスク情報サイト「アリョーシャ」のヘッダ左部分に写っている像がそのお姿。

1974年10月19日生まれの天秤座。34歳のイケメン独身(素敵な彼女大募集中)。
身長 42.5m(台座:7m、本体:35.5m)
体重 5,000トン
職業 兵士(岬に立ち、英米独軍から内政干渉・猛攻撃されないように監視&守護する仕事)
詳しい情報は、こちらのリンクをどうぞ。

ピーカン青空の下で、今日も愛するムルマンチャーネのために岬に立ち、仕事に従事している姿がとてもカッコよくいい顔していたので、写真に撮りました。Low angleです。