ムルマンスク便り

-夏の完全白夜、冬のオーロラ- ロシア連邦北西部にあり北極圏最大都市ムルマンスク市(ムールマンスク)の現地情報をお届け。

モスクワ⇔ムルマンスク1965kmの旅(30)

2008-02-22 04:44:19 | ムルマンスク⇔モスクワ 1965kmの旅
朝7時頃に起床しました。7時といってもまだ空は夜のように真っ暗です。

同室のリューダさんは下車を控え既に支度をしていました。彼女はモンチェゴルスク(Мончегорск)の隣町、オレネゴルスク(Оленегорск)という駅で下車します。しかし彼女の様子がなんだか変でした。様子を伺ってみたところ、列車の到着が1時間遅れている、迎えに来てくれる友人に連絡したいけど、うまく連絡できない、ということでした。

時計を見ると、この頃既にヒビヌィ(Хибины)に到着しているはずなのですが、まだ到着していませんでした。確かに遅れていました。寝ている間に何かがあったのでしょう。幸い筆者の携帯電話が電波を拾えたので、彼女に携帯を貸しました。

そうして、オレネゴルスク駅に1時間遅れの9時40分頃し、リューダさんは下車していきました。

当然、終点のムルマンスク駅にも1時間遅れの12時半に到着。12日に初日の出を迎えたばかりのムルマンスクの正午は、既にすっかり明るくなっていました。出迎えに来てくれた人達にモスクワの話を少しだけして、なんとか家路に着きました。
(モスクワ⇔ムルマンスク1965kmの旅 終わり)

モスクワ⇔ムルマンスク1965kmの旅(29)

2008-02-21 03:37:07 | ムルマンスク⇔モスクワ 1965kmの旅
1月13日(日)。15時半頃にメドヴェージヤ・ガラー(Медвежья гора)に到着(写真左上)。木の彫刻によるレースみたいな装飾が施されているので、まるでおとぎの国の家みたいです。

ここでは15分ほど停車しました。駅舎がまるで童話の世界のでてくる家のような感じだったので、記念に撮影しました。

夜です。19時頃、例の箱と夕食が運ばれてきました。
夕食の献立は、豚肉の衣揚げ、マッシュポテト、トマトとキュウリのサラダ、グリンピース(写真)。味もボリュームもなかなかでした。

車窓から景色を見ても、鉄道を灯す明かり以外に無く、辺りは真っ暗。列車の走る音だけがただひたすら静かに響いていました。
(つづく)

モスクワ⇔ムルマンスク1965kmの旅(28)

2008-02-20 02:40:17 | ムルマンスク⇔モスクワ 1965kmの旅
朝です。起きてみると既に10時を回ってました。車窓から景色を見ると、一面の銀世界でした。

夕べ車掌から食事の話を聞いてたのですが、自分のことじゃないだろうと気に止めていませんでした。そうしたら、11時頃になんと朝食が出てきました。ビックリ!クペーは食事付になったらしい。

食事の前には箱が配られました(写真左上)。中にはミネラルウォーター(ガス無)、プラスチックの食器、ウェットティッシュ、パン、ジャム、ヨーグルト、クラッカー、お菓子、紅茶セットなどが入っていました。
同室のリューダさん(写真右下)は記念に箱をお持ち帰り。実にいたれりつくせり。

この日の朝食の献立は、蒸し鶏、ライス、トマトとキュウリのサラダ、コーン(写真左下)。車内で過ごすためカロリー&ボリュームは控えめに設定されているのでしょう。ちょうどいいです。

朝食後は、キジー島の木造教会で有名なペトロザボーツク駅を下車して、プラットホームを散歩しました(写真右上)。ここでは30分近く停車していますので、の~んびり。夏場に出歩いてみるともっと気持ちいいところなんですよ!

※停車時間などの詳細は、アリョーシャの時刻表をご覧下さい。
(つづく)

モスクワ⇔ムルマンスク1965kmの旅(27)

2008-02-19 03:06:22 | ムルマンスク⇔モスクワ 1965kmの旅
出発ぎりぎりまでモスクワ観光を楽しみ、I先生をまたしても心配させてしまいました・・・。
駅のプラットホームで記念撮影し、暇乞いをして、モスクワ・オクチャーブリスカヤ駅(Октябриская)20:45発の列車に乗りました。

往路ではプラツカールタплацкартаという、1車両60人タコ部屋のカテゴリーの寝台を利用しました。復路ではちょっと面白いチケットを買いました。男女別クペー(Муское/Женское купе)というカテゴリーの寝台です。

クペーとは4人部屋コンパートメントのことです。他に2人部屋コンパートメントのリュクス(Люкс)というものがあります。いずれも以前は希望如何に拘らず男女混合でした。男女混合(Смешенное купе)だと、タチの悪い人に当たったら大変。
※プラツカルタ、クペー、リュクスの説明と写真は、ムルマンスク情報アリョーシャこちらをご覧下さい。

I先生から「今年の1月ぐらいから、男女別クペーが登場したらしいわよ~。」という情報を戴いてたので、駅で早速購入。チケットには間違いなく女性専用(Женское купе)と刻印されていました(写真)。

4人部屋でしたが、当日は2人しかいなく、のびのびできました。同室になった女性はモンチェゴルスク在住のリューダさん。エンジニアだそうで、落ち着いた印象のキャリアウーマンという感じでした。男女別クペーの話、住んでいる場所の話やモスクワの異常な物価高の話題などで復路を過ごしました。

車内はサービス満点。女性専用クペー、とっても快適でした♪
(つづく)

モスクワ⇔ムルマンスク1965kmの旅(26)

2008-02-18 07:42:01 | ムルマンスク⇔モスクワ 1965kmの旅
想い出探し・技術館巡り(4)

赤の広場の最寄り駅はアホートゥヌィ・リャート(Охотный ряд)ですが、その次の駅リュビャンカ(Любянка)には科学技術博物館(Политехнитеский музей)というのがあります。読み方はパリテフニーチェスキー・ムゼーイですが、「パリ」を取っても地元民にはわかります。

隣駅といってもそれ程距離は無いので、歩いていけます。近くにはソ連時代からあるジェーツキーミールДетсккий мирという子供のおもちゃデパートがあります。

やはりここも★年前に訪れたことがあり、先刻から自分の頭の中で「特集・あのときの展示物は今」と題し勝手に番組編成しているため、この博物館にも訪れなくては、と心に決めていたのでした。

ここの博物館では、鉱物学、化学、物理、情報科学、通信工学、音響映像工学、精密機械工学、動力・生産機械工学、宇宙工学といった多岐にわたる、ソ連時代の科学技術の神髄・偉業・足跡を辿ることができます。自分の身長くらいある蛇腹式のカメラスタンド、昔の映画でよく登場したアンティーク電話機、成人が3人程入れそうな位の大きなラジオ、純ソ連産ターボジェットエンジン、5mは余裕である気象用ロケット、大型蓄音機・・・。新しい展示物も結構入ってるようで、かなりボリュームがありました。

最上階には宇宙工学の展示物があります。ここでも★年前、前出のラスカルさんとツーショットを撮りました。あのときはなんとなく置かれている感じで展示物っぽくなかった記憶があります。部屋も綺麗でなかったし。

今回見たら・・・感動してしまいました。

★年前に出逢った展示物はちゃんとありました。スプートニク1・2号、ボストーク1号、ルナ1・9号・・・・・・。しかも名称プレートまで付いていて、展示物らしくなっていました。

★年前、部屋の隅っこに隠すようにして置かれていた「ロケット工学の父・ツィオルコフスキーの推進原理」を記したパネルが、ポールポジションに展示されていました。そうだよぉ、お父ちゃんをないがしろにしてはいけないよぉ・・・。

人類初の宇宙飛行士、Y・ガガーリンが地球を見たときに感じた言葉が率直で印象的でした。このメッセージは前に見たことが無かったので新設展示物でしょうか。
"Облетев Землю в корабле-спутнике, я увидел как прекрасна наша звезда. Люди, будем...."

想い出探し・技術館巡り(1)~(3)で寂しい思いをしてきましたが、ここでなんとか元気復活!取り戻せたようでした。
(つづく)

モスクワ⇔ムルマンスク1965kmの旅(25)

2008-02-17 03:48:08 | ムルマンスク⇔モスクワ 1965kmの旅
1月12日(土)。出発を晩に控えていましたが、ぎりぎりまで観光していました。観光客がモスクワに到着してまず最初に訪れるところといえば、この赤の広場(Красная площадь)でしょう。

煉瓦状の石畳で敷き詰められて作られているこの広場。ソ連時代にはここをウン千ともウン万ともいう数の兵士やコミュニスト達が埋め尽くし、マスゲームよろしく大行進していたそうです。

そして、レーニン廟近くの壇上で歴代ソ連共産党書記長が、「悪しき資本主義国家との対峙」「万人平等の理想郷の実現」を熱く説いて、国民を統率していたらしい。

★年前、留学仲間がここでコサックダンスをちょっと披露して笑いをとっていたことを思い出します。

今は・・・・・・

広場にはクレムリンに対して大型ステージが建っています。狭くなっちゃったなあ。冬場は一般向けスケート場になりますが、大物アーティストのライブや歌番組会場になったりもします。

英国が生んだ世界のスーパーユニット「The Beatles」のメンバーであり、ポピュラー音楽史上最も成功した作曲家、ポール・マッカートニーも2004年にここでライブを開催しました。プーチン大統領は彼のライブをVIP席で鑑賞したそうです。

資本主義国の代表的アーティストが、嘗ての共産主義の代表的建造物を目前にして熱唱した、それは大変意味深い歴史的出来事だったそうです。
(つづく)

モスクワ⇔ムルマンスク1965kmの旅(24)

2008-02-15 03:57:21 | ムルマンスク⇔モスクワ 1965kmの旅
この日の晩は、トレチャコフ美術館に行ってまいりました。前出の通りトレチャコフ美術館は4つありますが、今回行きましたのは地下鉄オクチャーブリスカヤ駅の近くの美術館です。I先生が最も愛するロシアの画家、イワン・シーシキン(Иван Шишкин)の特別展がちょうど開催されていたので観に行ったのです。
注)シーチキンではありません、シーシキンです。間違えるとロシア人に鼻で笑われます。

シーシキンは幼少から大自然をこよなく愛し、十代の頃から独学で絵画を学び研究しました。森林の中の、特に針葉樹林の風景を好んで描き続けました。
20代になって絵画学校に通いますが、彼の驚くべき緻密繊細な画法と写真と見紛う完璧な作品は、当時の絵画芸術界に大きな衝撃を与えました。

シーシキンの作品で有名なのは、ウートロ・サスノーヴォム・レスー(Утро в сосновом лесу、松林の朝という意味)。別名チェトゥーレ・メドヴェージャ(Четыре медведя、4匹の熊という意味)とも呼ばれます。朝シーシキンが森に顔を出すと、親子と思しき4匹の熊が何か楽しくじゃれているような光景に遭遇した、というような作品です。

晩年になればなるほど、上記のような森の中でのハプニングエピソード的な作品を遺しているように思えました。

ロシアを代表するこの巨匠の作品は、現在でもデザインの世界を志す人々にとって、最高最良の手本となり続けています。

そしてこの巨匠の作品は、ロシア国内だけでなく世界中の人々に愛され続けています。
(つづく)

モスクワ⇔ムルマンスク1965kmの旅(23)

2008-02-13 03:41:45 | ムルマンスク⇔モスクワ 1965kmの旅
ヤポメシチェックはムルでのみやろうと心に決めていたのですが、モスクワで奇妙な日本料理たちと出会ってしまったので、番外編として紹介します。

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【てんぷら?!】
(写真左)
I先生宅の近くにある日本料理屋で見つけた料理。メニュー名は『てんぷら』。・・・・・・ってフツーぢゃん、と思う読者が大半でしょう。でもよくみると、「米の粉で揚げたてんぷら」としています。有頭海老がサクサクこんがりキツネ色に揚がっているように見えます。実に美味しそうです・・・・・・ってゆーかこれ、
てんぷらぢゃなくて、フライだろっ!(タカアンドトシ風つっこみ)


【極めつけランチメニュー】
(写真右)
前出テレビ塔近くの日本料理屋で見つけた、極めつけランチメニュー。料理名はわからないのこちらで勝手にネーミング。その名は『握り寿司の串焼き』。まんまです。ロシア人は串焼き肉が好きだけど、寿司にまで応用してしまったゼ。

中央の軍艦巻きとベーコン艦巻き。上に載っているのはトビコじゃなくてケチャップでした。なんてアメリカンな軍艦巻き!ここまでくるともはや繊細な味のネタではないので、シャリは酢飯である必要もナシ!

サイドにあるのは普通のシャリの上に・・・・・・ゴマだれ?チーズ?粘度の高そうな黄色いネタがかかっています。

凄いゼこのイマジネーション!
やっちゃったネ、モスクワの板さん大冒険!!



このお店が出す創作日本料理、今後どこまでいっちゃうのか放って置き観察してみたい、もとい、温かく見守ってみたいですね。

210ルーブルから用意されているそうです。話のネタにいかがです?

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首都モスクワでそうなんだから、ムルの日本料理たちの「個性」には少々目を瞑ってやろうかと、思わず考えてしまった散歩道。
(つづく)

モスクワ⇔ムルマンスク1965kmの旅(22)

2008-02-12 00:58:23 | ムルマンスク⇔モスクワ 1965kmの旅
想い出探し・技術館巡り(3)。

途中下車して、オスタンキノテレビセンター(Останкино Телецентр)へ。そこには高さ540mの特徴的なテレビ塔が建っています。東京タワーよりも高いんです。

★年前はエレベーターを使ってこの塔に上り、モスクワのパノラマ風景を見ることができました。曇りの日でしたが、モスクワ市の遠くの発電所まではっきり見え、この景色をバックに記念撮影したのを覚えています。

しかしその数年後のクーデターでセンターは一部破壊(今は復旧)、放送ジャックもされました。

そしてそのまた数年後、塔エレベータで火災事故があり、以降テレビ塔へ上がることはできなくなりました。

現在も、です。折角近くまで寄ってみたのに・・・・・・残念。
(つづく)

モスクワ⇔ムルマンスク1965kmの旅(21)

2008-02-11 03:13:14 | ムルマンスク⇔モスクワ 1965kmの旅
数年前から、セルゲーヤ・エイゼンシュテイナ通り(ул. Сергея Эйзенштейна)~チミリャーゼフスカヤ通り(ул. Тимирязевская)までモノレールが運行しています。
このモノレールはВВЦやテレビ塔を経由しています。
運賃は地下鉄よりもやや高い19ルーブル。ロシアはどんどん便利に開発されていきます。
素敵なモノレールに乗ってちょっとの~んびり。
(つづく)