「赤旗」より
一握りの富裕層や大銀行による経済・社会の支配に抗議し格差解消を求
めて米国から世界に波及した「オキュパイ(占拠)運動」、緊縮政策に抗議
する各国の国民・労働者のだたかいI日本の総選挙でも格差拡大と財政危
機への対応が問われます。欧米諸国では昨年来、富裕層や大企業に負担能
力に応じた納税を求める動きが強まっています。
米大統領選でも争点に
欧州では、債務危機の打開に向け、富裕層課税の強化が進んでいます。
ギリシャに続く深刻な債務危機国とされるイタリアとスペイン。イタリアでは昨年、日本円にして3000万円超の高額所得に3%の所得付加税を、またスペインでも7000万円超の資産に対しO・2~2・5%の富裕税を復活させました。
フランス、デンマークでは、富裕層増税を掲げた政党に国民の支持が集まり、政権交代が起こりました。仏社会党のオランド政権は、政権交代後初の予算編成(今年10月)で、1億円超の所得に対する75%の所得税率(2年間の時限措置)を新設。恒久的な最高所得税率についても、従来の41%から45%に引き上げました。
莫大な財政赤字に苦しむ米国でも、先の大統領選で財源問題が一大争点となり、富裕層増税を主張した現職のオバマ大統領が、これに反対した共和党ロムニー候補を破って再選されました。
オバマ氏は、選挙後初の記者会見で「中産階級を人質にして、富裕層の減税を議論してはならない」「富裕層は適度な増税なら押しつぶされることはない。それでも彼らは裕福だ」と述べ、富裕層増税の必要性を強調しました。
投資家「我々に課税を」
主要経済国34力国が加盟し、世界の「金持ちクラブ」とも呼ばれる経済協力開発機構(
OECD)は昨年末発表の報告で、「(格差の拡大に伴う)富裕層の所得増大は、彼らがより大きな税負担能力を持つことを意味する」「富裕層に公正な比率の税を負担させるため、所得再分配における租税の役割を再検討すべきだ」と提唱しました。
また「世界で最も著名な投資家」とされる米国のウォーレンーバフェット氏をはじめ欧米の資産家や有名企業経営界昨年来、各国主要に 「われわれに課税せよ」と訴える一文を寄稿しました。