JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

民主文学50周年の大特集

2016年04月21日 | Weblog

民主文学50周年記念臨時増刊号は、550ページに短編小説・秀作選・文芸評論がたくさん掲載されています。
 乙部宗徳さんの『「新日本文学」の60年』を読むー民主主義文学運動の教訓と前進の課題 を読みました。
 戦後、宮本百合子らによって創設された新日本文学会がその後、会員の排除そして解散という経過を当時、会の中心にいた人物によって、解散直後に発行された『「新日本文学」の60年』の「はじめに」と「コラム」を批判的に解明する中で、民主主義文学運動の教訓と前進の課題を考えようとしたものです。
 政治的だと言って排除した側こそが政治的な排除の論理であったこと。それは、戦後、宮本百合子が広く文学者の創造力を励ました、「歌声よ、おこれ」の初心とは違うこと。など経過に沿って明らかにしています。
 これらの経過の中で百合子らの思いを継承し、生まれた、日本民主主義文学会が50周年を迎えたこと、一方、若い世代を迎い入れることに成功していないこと、暫減傾向・財政的にもぎりぎりの状態など率直に語る一方、会外からの関心の広がり、期待と可能性も語っています。
 私は、時代が民主主義・平和・人権尊重など大きなスケールで描いた芸術が求めていると思います。
 そうした、広く共感される作品が「民主文学」ならではの視点から生まれことを期待します。