小諸 布引便り

信州の大自然に囲まれて、風を感じ、枝を眺めて、徒然に、社会戯評する日帰り温泉の湯治客です。愛犬の介護が終了しました。

コッペパンとピザと地場の小麦粉:

2013年04月08日 | 社会戯評
コッペパンとピザと地場の小麦粉:
コッペパンと聞いただけで、我々の世代は、あの冷えた固いまずい、給食のコッペパンを嫌でも思いださずにはいられない。だから、コッペパンが売られていても、絶対に、手を出すこともないし、食べようとも思わない。それ程までに、子供の頃の刷り込みは、激しいモノがある。「ユメアサヒ」なる新種の小麦が、南信州では、パン職人の夢を叶えられる品種であるそうである。小麦から出来る粉と言っても、強力粉・中力粉・薄力粉とそれぞれ、違いがあり、成長が早い「早生種」で、強力粉になる品種が、信州では、熱望されていたようである。考えてみれば、小麦は、パン、うどん、おやき、等の食材として供されるのであるが、当然、輸入小麦との値差、政府買い入れ価格との差や、小麦粉自体の値上がりや、円安に因る要素があっても、或いは、稲作の減反対策や遊休農地対策などによる作付け面積の大幅増加があったとしても、それでも、外国産の小麦に較べて、4倍もの値差があるのが、どうやら、現実のようである。ユメアサヒや、ハナマンテン、ゆめかおり等の国産小麦のブランド化だけで、本当に、競争力が上がるのであろうか?残念乍ら、私のような古い刷り込みが行われた世代には、どうしても、柔らかい、溶けるようなコッペパンと言われても、俄には、信じられないし、応じるわけにはいかない。ましてや、デリバリー・ピザに、代表されるような、或いは、焼きたてパン屋でのカット・ピザに代表されるような、一種の「食べるまでの時間を計算した」スペック(冷えても美味しいチーズや生地やトッピングなどを前提にした仕様・規格)でのピザは、本当の地場の粉を使用した石で出来た窯で、薪を焚いて、手ごねで発酵させた生地から、自ら選んだトッピングやチーズを載せて、焼きたてを食べるピザでは、そもそも、小麦粉自体の味が、多少、粉っぽくても、実は、違っていることを改めて、感じることになり、逆説的に謂えば、我々の舌は、実に、これまでのデリバリー・ピサの味が、「世界標準」の味であると、既に、初めから、「こうした刷り込み」が行われていたのかも知れません。「小麦粉」だけでなく、実は、「米粉」も、又、実は、然りなのかも知れない。カレーに合うような「ナン」の生地も、どうなのだろうかとも思うが、、、、。米粉で出来た「フォー」なんかもどうなのであろうかとも、、、、、。やはり、食べる方に廻るのが、楽だろう。どのようにしたら、こうした価格差と味の双方の問題を、同時に、解決できるのであろうか?そして、生産者・栽培者の立場を、如何に、支援できるのであろうか?地場の小麦粉や米粉でできたピザを食べながら、そんな感慨に、耽ってしまうが、、、、、。