小諸 布引便り

信州の大自然に囲まれて、風を感じ、枝を眺めて、徒然に、社会戯評する日帰り温泉の湯治客です。愛犬の介護が終了しました。

TPPと各国FTA:

2013年04月16日 | 社会戯評
TPPと各国FTA:
既に、TPPが、経済安全保障と密接な関係があることが、徐々にではあるが、ハッキリとしてきた。一方で、中国・韓国とのFTA交渉の開始に伴い、中国も韓国も、ここにきて、対日本との経済関係を如何にして、TPPの交渉推移を見ながら、自国権益を死守していったらよいのかを、真剣に、考え始めてきている。併せて、日本も韓国に遅れていたとはいえ、遅ればせながらも、EUとのFTA交渉を開始する段取りとなりつつある。いずれにしても、重層的な、というよりも、もっと、複雑な多国間、或いは、強力な経済大国同士の二国間交渉によるFTAが、蠢き始めている。自動車の関税や、農業・酪農乳製品の自由化など、それぞれ、各国の利害が、その「弱みと強み」との狭間で、激しく、ぶつかり合うことになりそうである。考えてみれば、中国にしても、TPPの枠外に、置かれるだけでは、全く、利益がないわけで、これを如何にして、自国に有利になるように、各国とのFTA交渉の中で、闘い取るべく、血眼になって、対応してくるであろうし、それによって、又、他方、TPP交渉各国も、新たに対応してこよう。こちらで、譲りながら、あちらで、勝ち取ったり、取りつ、取られつ、自ずと、次第に、その姿が、徐々に、見え始めてくるであろう。農産物が、sensitiveな問題であることは、何処の国でも、政治問題化するわけであり、決して、日本だけの弱みでは必ずしもないであろう。もっとも、日本の場合には、何とも、不可思議であるが、「産業界と農業団体の対立」という世論を二分する構図になってしまっているのは、問題であろう。最終的に、その弱みと強みを如何にして、バランスよく、良い意味で、妥協しながら、有利に、引き出すかという交渉力、実際には、国力を背景にした無言の圧力のせめぎ合いが、これから、しばらくは、各グループ間毎に、続きそうである。なかなか、目が離せない。