ぴよこ日和

いらっしゃいませ。
きたむーです。
お芝居、ライブ、お笑い大好きです。

クラウディアからの手紙

2006年02月26日 | 観た
2月26日(日)

戦争は終わっていない。

終戦直後、スパイ容疑でソ連兵に捕らえられた蜂谷彌三郎は、妻と子とも生き別れ、
冬場の気温が-40℃にもなるシベリア強制収容所へ。
10年という刑期を終えた後も、スパイ容疑がかかっていた所為で日本に帰る事が出来なかった彼は、
ロシアの地でクラウディアと出会い、37年間もの間支えあって生きて行く事になった。
しかし後年、ソ連が崩壊。
それに伴い、日本で彌三郎を待ち続けている家族の事を知ったクラウディアは
彌三郎を日本へと送り出す。
日本では51年もの間、離れ離れになっていた妻、久子が待っていた。

なんという過酷で残酷な運命なんだ。
戦争を生き延び、強制収容所に捕らえられ、体を壊しながらも生きる事を諦めなかった彌三郎氏。
死んでいく仲間も大勢居たことだろう。
どんなに辛い体験をしたんだろうと思うと、戦争当時の全ての方々に頭を下げる他はない。
彌三郎氏の二人の妻、クラウディアさんも久子さんも、多くの犠牲を払ったに違いない。

戦争は終わった。
そう思っていた。
事実、私は戦争の事を何も知らない。
戦争の悲惨な物語を目にし、耳にする度に、心に迫るものはあった。
しかし、この彌三郎氏と久子さんが再会したのは、つい10年程前の事なのだ。
戦争は終わったと言えるだろうか。
今でも、戦争の所為で過酷な運命を辿らざるを得なかった人物が生きているのだ。
彌三郎氏、クラウディアさん、久子さん以外にも、もちろん・・・。

戦争は終わっていない。

戦争を知らない私達が、これから二度と同じ過ちを繰り返さないようにするには
一体何をすべきなのか。
残された宿題は多い。
コメント
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